松方弘樹さん脳腫瘍で死去。10万人に1人の恐怖と症状・治療・予防対策方法とは

松方弘樹さん脳腫瘍で死去。10万人に1人の恐怖と症状・治療・予防対策方法とは

脳腫瘍の疑いで長期療養していた俳優の松方弘樹さん(73)は、脳リンパ腫(中枢神経系リンパ腫)だったことがわかっていました。

そんな闘病生活を続けていた松方弘樹さんが2017年1月21日、脳リンパ腫のため74歳で死去されました。

2016年2月に体調不良を訴えて入院していたのです。

松方さんも一生懸命に闘病されたであろう『脳リンパ腫』。

いったいどんな症状で治療であったのか。

10万人に1人の罹患率を持つその予防や対策の方法はなんなのか、ぜひ教訓として見てください。

今回は、松方弘樹さんも罹った脳リンパ腫の症状・治療・予防対策方法についてご紹介いたします。

【松方弘樹】脳リンパ腫で長期療養の経緯

松方弘樹さん脳腫瘍で死去。10万人に1人の恐怖と症状・治療・予防対策方法とは

所属する『夢グループ』が松方さんに脳腫瘍の可能性があることを報道各社に明かしたのは2016年2月。

長期療養が必要となるため、出演予定だった同3月1日から6月8日までの『夢コンサート』を降板し、6月からの舞台『遠山の金さんと女ねずみ』を中止すると発表。

その後、病名を『脳リンパ腫』と公表していました。

そんな俳優の松方弘樹(まつかた・ひろき、本名目黒浩樹=めぐろ・こうじゅ)さんが21日、脳リンパ腫のため死去されました。74歳だった。

東京都出身。

東映の時代劇ややくざ映画を中心に活躍したスター俳優でした。

趣味の釣りで300キロ以上の巨大マグロを釣り上げるなど豪快なイメージで知られた松方さんだが、闘病には苦しまれたことでしょう。

回復を願ったファンや関係者の祈りも通じなかったのです。

懸命な闘病が続いていたのですが、抗がん剤投与の治療中にたびたび『脳梗塞』を起こし、今年に入って一進一退の状況を続けていたようです。

 

松方さんは時代劇スター近衛十四郎さんと女優の水川八重子さんの間に長男として誕生しました。

俳優の目黒祐樹(69)は弟。

歌手志望だったが、明大中野高3年の1960年に東映入りし、同年『十七歳の逆襲・暴力をぶっ潰せ』でいきなりの主演デビュー。

その後、スターへの階段を駆け上がり、「昭和残侠伝」シリーズといった任侠映画から「仁義なき戦い」シリーズなどの実録路線、さらに「柳生一族の陰謀」を初めとする大型時代劇で活躍したのは幅広い世代で認知されていることでしょう。

 

その一方、日本テレビ系『天才・たけしの元気が出るテレビ』の笑い上戸キャラで人気を呼び、多くのバラエティー番組でも異彩を放っっていましたね。

元妻の女優仁科亜希子(63)との間に、タレントの仁科克基(34)と仁科仁美(32)をもうけていました。

 

『頑張るしかない! 1日も早く乗り越えたい!』

松方さんと言えば、「父は俳優の近衛十四郎、母は女優の水川八重子、弟は俳優の目黒祐樹」という筋金入りのサラブレッドでしたね。

前述したよに、明治大学中野高校3年生だった1960年に東映に入り、『十七歳の逆襲 暴力をぶっ潰せ』(日高繁明・監督)で主演デビューを飾った若武者です!

半世紀以上にわたって、男っぷりのよさで東映の時代劇や任侠映画で大暴れしていました。

昨年5月には、「萩クロマグロトーナメント」で自己最高を10kgも更新する361kgの巨大クロマグロを釣り上げていたのはご存知でしょうか?

 

主治医から告知を受けた松方さんは、

「先生を信頼して、おっしゃることを守り、頑張るしかない。1日も早く病を乗り越え、元気な姿をお見せしたい!」

と闘病に意欲を見せている。6月から上演予定の主演舞台『遠山の金さんと女ねずみ』をはじめ、TV番組や歌の公演は、すべてキャンセルずみでした。

今秋からのカムバックをめざして、治療と療養に専念していたのです。

 

俳優のキャリアも釣果のレコードも大胆で男性的だ。

74歳はまだまだ若かったのではないでしょうか。

 

松方さんも罹った脳リンパ種の恐怖と本人の様子

松方弘樹さん脳腫瘍で死去。10万人に1人の恐怖と症状・治療・予防対策方法とは

前述したように、脳腫瘍の疑いで長期療養していた俳優の松方弘樹さん(74)は、脳リンパ腫(中枢神経系リンパ腫)だったことがわかった。

松方さんは、2月13日に体調不良を訴え、都内の病院を受診後、18日に他院で精密検査入院していたんです。

 

MRI(核磁気共鳴画像法)による画像検査の結果、脳腫瘍の疑いがあるため長期療養に入り、25日に頭部に小さな穴を開け、内視鏡で脳細胞の一部を採取・検査する生検(定位的脳腫瘍生検術)を受けました。

頭部の穴が完全にふさがったところで、3月7日ごろから抗がん剤治療が始まったのです。

 

主治医は

「脳にリンパ腫ができる症例は少ない。悪性だが、他の部位からの転移ではない。抗がん剤が効けば、秋には完全に治る見込みが高い。症状によっては放射線治療を追加する可能性もある」

と語っていたそうです。

関係者によると、松方さんは、右の手足にしびれが残り、顔色はあまり良くなかったそうです。

だが、激しい頭痛や意識混濁などの症状はなく、食欲は旺盛だったみたいです。

細菌感染を防ぐために面会謝絶でしたが、会話をしたり、車いすで室外への移動もしていました。

 

東京医科大学病院の三木保副院長(脳神経外科医)は

「脳リンパ腫は脳の深部にできる悪性リンパ腫で60歳以上の男性に多い。原因不明のため、手術は困難だが、抗がん剤や放射線などの化学療法が良く効く。再発の可能性はあるが、復帰できるだろう」

と説明していました。

【脳リンパ腫】2~6%の恐怖!10万人に1人

脳腫瘍の一種である脳リンパ腫(中枢神経系リンパ腫)は、正式には中枢神経系原発悪性リンパ腫(primary central nervous system lymphoma; PCNSL)と呼ばれます。

大脳の

  • 前頭葉
  • 側頭葉
  • 基底核
  • 脳室周囲
  • 脳梁
  • リンパ腺
  • 眼球
  • 脊髄

などに腫瘍ができる悪性の脳腫瘍。

 

脳腫瘍のなかでも発症率は2~6%、10万人に1人という稀な疾患で、中高年の男性に発症しやすく、進行も早い。さらには

  • 失語
  • まひ
  • 頭痛
  • 吐気
  • 嘔吐

などを伴うことがあるのです。

脳リンパ腫は、病理診断上は、ホジキンリンパ腫(B細胞由来)と非ホジキンリンパ腫(B細胞およびT/NK細胞由来) に分けられます。

診断はB細胞のマーカーのCD20(L-26)や CD79a、T/NK細胞のマーカーのCD3(Leu-4)やCD56などを用いた免疫染色によって行われる。

ホジキンリンパ腫は、リンパ節からリンパ節へ広がるため、中枢神経系から発生したり、中枢神経系へ転移したりすることは少ないようです。

 

報道では、松方さんの脳リンパ腫は、転移した腫瘍でないことから、ホジキンリンパ腫と推察されていたようです。

 

【脳リンパ種】どんな病気か詳しく

松方弘樹さん脳腫瘍で死去。10万人に1人の恐怖と症状・治療・予防対策方法とは

脳腫瘍とは、頭蓋内に発生するすべての腫瘍の総称です。

その場所に生じた原発性脳腫瘍(82.1%)と、身体の他の部位のがんが転移した転移性脳腫瘍(17.9%)に分けられます。

原発性脳腫瘍は、脳そのものから発生する脳実質内腫瘍と、脳を包む膜や脳神経・下垂体などから発生する脳実質外腫瘍に分けられます。

原発性脳腫瘍は、人口10万人つき年間10〜12人の割合で発生するといわれ、全国で年間約10000件の手術が行われています。

 

腫瘍とは、細胞の遺伝子が変化し、細胞が自律的にどんどん増殖してしまうようになった新生細胞群と、それを支持する組織からなるものを言います。

がんに代表される悪性腫瘍は、宿主が生きている限り増大し、他の組織へ浸潤していきます。

良性のものは脂肪の固まりの脂肪腫のように増殖能がとても低く、一定の大きさになると成長が止まるものもあります。

 

しかし、脳腫瘍の場合は、その腫瘍の増殖能が問題になるだけでなく、良性の腫瘍でもできた場所によって重大な症状を起こします。

また、脳は固い頭蓋骨に囲まれているため、頭蓋骨の中の体積が限定されています。

このことから、良性の腫瘍であっても、ある程度の大きさになると頭蓋骨の中の圧が高くなり、生命をおびやかすことがあります(頭蓋内圧亢進)。

このような理由から脳腫瘍の場合は、悪性・良性は細胞の増殖能だけで一概に論ずることができません。

 

脳組織自体にできる腫瘍は、神経膠腫(グリオーマ)と呼ばれる脳腫瘍や悪性リンパ腫などがあります。

脳組織以外にできる腫瘍は、脳を包んでいる髄膜にできる髄膜腫や、脳から出る細い神経にできる神経鞘腫、脳の下方にぶら下がっていていろいろなホルモンを分泌している下垂体にできる下垂体腺腫などが主なものです。

 

脳腫瘍は、それぞれ治療法が違います。脳腫瘍は全部で数十種類あり、さらに1つの腫瘍が細かく分類されていので、ここで全部を挙げることはできません。

ここに挙げた腫瘍で、脳腫瘍全体の80%程度になります。

脳リンパ種の症状は?

脳腫瘍は、ゆっくり大きくなったり、脳の中を広がるように進行するので、急に症状が出ることはほとんどありません。

しかし、症状はだんだんはっきりしてきます。

脳腫瘍の30%程度は、痙攣が最初の症状です。

 

痙攣とは、一過性に意識がなくなって倒れ手足がガクガクしたり、話しをしていて急にうわのそらになって口をモグモグ動かすような動作をしたりするものです。

どちらにしろ一過性ですっかり元に戻るので、繰り返さないと病院に行かないで済ましてしまい、病院で診断された時にはすでに脳腫瘍が大きくなり過ぎているということも良くあることです。

 

初期の脳腫瘍では、痙攣発作以外は、頭痛やなんかボーッとして性格が変ったというような曖昧な症状しかない場合がほとんどです。

進行してくると、局所神経症状として

  • 片麻痺(片方の手足の力が抜けること)
  • 片方の手足の感覚障害
  • 視野障害(目の見える範囲が狭まる)
  • 視力障害
  • 言語障害

などの症状が起こります。

急な激しい頭痛や急に手足が動かなくなる場合は一般に脳卒中が多いのですが、脳腫瘍の場合は腫瘍の中に出血した場合にそのような症状になります。

 

しかし、脳腫瘍がある程度以上大きくなると、周りの脳も脹れ始めて(脳浮腫)頭蓋骨内圧亢進状態となり、頭痛・嘔吐・意識障害を起こしてきます。

このような場合は、早急な手当てが必要です。

また、頭蓋骨の中は髄液という透明な液があり、その中に脳が浮いています。

脳の中心部にも髄液が溜まっている脳室という部分があり、脳腫瘍が脳室の髄液の流れを塞ぐように成長すると、髄液の逃げ場がなくなって髄液が脳室の中に溜まり、脳室が大きくなる水頭症という病気を引き起こします

 

これは子供や若い人の脳腫瘍で多く見られるものです。

この場合は、頭痛とともに嘔吐を伴ってきます。

早いうちに対処しないと重大な結果になることがあるのです。

 

診断・検査

脳腫瘍の症状は最初は比較的分かりにくいものです。

頭蓋内圧亢進や水頭症で強い

  • 頭痛
  • 嘔吐
  • 意識障害

が起これば必ず病院へ行くことになると思いますが、そうでない場合は意外と気づかないものです。

脳腫瘍の最初の症状として痙攣が多いことを書きましたが、成人になって始めて起こる痙攣は脳に何らかの病気(脳腫瘍・脳動静脈奇形・脳梗塞・脳の外傷)がある場合が多く、必ず脳の検査を受けてください。

 

脳腫瘍の診断は、症状がはっきりしている場合は別ですが、結局、脳のCTやMRI(核磁気共鳴装置)検査をしないと分かりません

自動車を運転していて交通事故を起こし、頭部外傷でCT検査をしたら偶然に脳腫瘍があることが分かり、調べると視野の左側が見えていなくて(半盲)、それで事故を起こしたのだと分かった例もあります。

検査が簡単にできるので、脳神経外科の外来では頭痛で来られる方にも、ほとんどはCTやMRI検査をすることになります。

しかし、実際には脳腫瘍が見つかることはほとんどありません。いろいろな病院で検査をして偶然見つかった場合に、紹介で見えることがほとんどです。

 

CTやMRIを行う場合、造影検査といって腫瘍をより分かりやすくするため造影剤を注射することがあります。

造影剤を使わないで検査をした場合に、脳腫瘍と診断できずに脳梗塞と診断されてしまうこともあります。

専門の病院では、脳腫瘍が疑わしい場合には必ず一度は造影剤を使用した検査を行います。

 

脳腫瘍が分かり治療が必要な場合には、入院して脳血管造影や核医学的検査(SPECTと呼ばれるもの)を行って脳腫瘍の種別診断を行っていきます。

こういった診断法は画像診断といいます。

しかし、腫瘍の良性や悪性度、細かい分類などは、結局、手術(頭蓋骨を大きく開ける開頭術と小さな穴から少量の腫瘍を取る生検とがあります)をして病理標本を作ってみないと分かりません。

治療法

脳腫瘍の治療法は、その腫瘍の種類によってかなり違います。

頭蓋内圧亢進がきているような大きな腫瘍は、基本的には開頭手術で脳腫瘍を取り除く手術が必要です。

水頭症がある場合には、髄液を外へ出す手術を緊急で行ってから、その後の治療法を決めることもあります。

 

神経膠腫などの脳実質にできる脳腫瘍は、手術だけで治すことはできないので、手術後に放射線治療や抗がん剤を使った化学療法を行うことがあります。

髄膜腫や神経鞘腫のように良性の腫瘍は、手術で大部分を取り除ければ再発する率は10%前後です。

しかし、脳腫瘍の場所によっては手術が困難な場所も多く、手術で完全に治せるものは3分の2ぐらいになると考えられます。

 

小さな髄膜腫や神経鞘腫は、ガンマナイフ治療(現在日本で53施設)と言って放射線のビームを脳腫瘍に集中的にあてる方法で治療することができます。

1〜2泊の入院で患者さんの負担も少ない方法です。

この場、合脳腫瘍はすぐになくなりませんが、90%程度で脳腫瘍の成長が止まります。

 

予防・対策方法

腫瘍細胞は、正常な細胞の遺伝子が病的に変化したものです。

遺伝子変化には、なにかきっかけがあるはずですが、脳腫瘍に関しては今のところ分かっていることはほとんどありません。

また、脳腫瘍は生活習慣とはほとんど関係ないので、予防することはできません。

 

稀ですが、ある種の脳腫瘍は遺伝性があります。

皮膚や目に特徴的な症状がある場合が多いのですが、遺伝形式は常染色体優性遺伝で、両親のうち1人が患者であれば子供の2人に1人が病気の遺伝子を持つことになります。

良性の脳腫瘍はガンマナイフ治療などの治療法があるので、小さいうちに見つかった方が治療効果も高く、患者さんの負担も少ないと言えます。

まとめ

松方弘樹さん脳腫瘍で死去。10万人に1人の恐怖と症状・治療・予防対策方法とは

人気俳優であった松方弘樹さんの死去はとても残念です。

もう一度あの輝きを見たかったです。

しかし、松方さんが示してくれた闘病生活を教訓に、学ぶべきことはたくさんあるのではないでしょうか?

非常に稀な脳リンパ種ではありますがそれだけに、とても怖い病気です。

 

松方弘樹さん脳腫瘍で死去。10万人に1人の恐怖と症状・治療・予防対策方法とは

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