注意欠陥障害に苦しんだ経験を告白した栗原類さん。

それを克服した理由などを『発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由』(KADOKAWA)の中で克明に語っています。

その発達障害のひとつであるADD(注意欠陥障害)を克服した理由を栗原類さんは、自らの努力もさることながら周囲の環境や取り組む姿勢に励まされたといっています。

その障害について、まとめてみました。


栗原類さんがADD(注意欠陥障害)を克服した5つの理由

『栗原類 注意欠陥障害 克服 理由』

イギリス人の父と日本人の母を持つ栗原類さんは、1994年生まれ。8歳の時、ニューヨークで発達障害と診断されました。

中学時代にメンズノンノなどのファッション誌にデビューし、19歳でパリコレにも華々しくデビューを果しました。

モデル・タレント・役者としてテレビ・ラジオ・舞台などで活躍中です。

そして2015年、自分がADDであることをテレビの情報番組で告白しました。

 

栗原さんは、著書の中でなぜ自分の才能を生かす場所を見つけて輝けたのかを実直に語っています。

その理由として、

  1. 同じ障害がありながら自分を信じて導いてくれた母の温かな眼差しと愛情、
  2. アメリカの発達障害を受け入れるおおらかな生活環境
  3. 主治医からの真摯な励ましやアドバイス
  4. 自信を持たせてくれた英語とフランクな友人たちの支え
  5. 他人に愛されようと決めた強い決断と覚悟

などを挙げています。

ADDに伴う苦しい衝動性を抑えながら、苦手な対人コミュニケーションの壁を克服した栗原さんです。

そのひた向きな努力が、モデル・タレント・役者としての成功を手繰り寄せる大きなモチベーションになりました。

発達障害に悩む人なら、逆境に立ち向かった栗原さんの勇気や、夢を諦めない強かさに触発されるでしょう。

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発達障害とは何ってどんなもの?著名人にもいるって本当?

『栗原類 注意欠陥障害 克服 理由』

 

歴史をひも解けば、多くの偉人や著名人が名を連ねています。

  • トーマス・エジソン
  • ジョン・F・ケネディ
  • ウォルト・ディズニー
  • アルバート・アインシュタイン
  • パブロ・ピカソ
  • ビル・ゲイツ
  • スティーブ・ジョブズ
  • スティーブン・スピルバーグ
  • トム・クルーズ
  • 山下清
  • 坂本竜馬

などが挙げられます。

 

そもそも発達障害とは何か?

  • 言語
  • 移動
  • 学習
  • セルフヘルプ
  • 自立生活

などの領域で、子どもが期待される発達段階に達しないために、肉体的な機能不全や精神的なハンディをもつ慢性的障害の総称、それが発達障害なのです。

厚労省は、脳機能の発達が関係する生まれつきの障害としています。

CDC(アメリカ疾病予防管理センター)は、問診や遺伝子検査などによって子どもの発育期に発見され、生涯を通じて続く障害と定義しています。

障害の程度は、発達年齢と実年齢との相違を表すDQ (developmental quotient)スコアによって判定されます。

 

特定された発達障害の原因

大阪大学の山下俊英教授(分子神経科学)の研究チームは、発達障害の原因について

『神経発達障害群の染色体重複による発症の機序を解明 注意欠如多動症などの神経発達障害の新治療法に光』

という研究成果(マウス実験)を英科学誌『Molecular Psychiatry』に発表しました(日経新聞2016年7月5日)。

 

発表によれば、発達障害が染色体の一部分(16番染色体の16p13.11領域)の重複によって生じるメカニズムが遂に解明されました。

要約すればこうなります。

 

  1. 16番染色体の16p13.11領域の中にマイクロRNA484が存在する。
  2. 16p13.11が重複すると、マイクロRNA484が増加する。
  3. マイクロRNA484が増加すると、脳機能の発達異常が起きる。

 

つまり、発達障害の原因分子であるマイクロRNA484が増加すると、脳の発達に重要な役割を果すプロカドヘリン19タンパクの機能が弱まり、そのバランスが崩れるため、異常な神経回路が構築され、発達障害を発症するのです。

 

しかし、今回の研究成果は1つの原因分子とメカニズムの発見にすぎないのです。

だが、発達障害に関わる分子がどのように働き、脳の機能異常が起きるのかが少しずつ明らかになっているので、基礎研究やiPS細胞を活用した薬剤研究を重ねれば、治療法の開発につながる可能性が高くなります。(http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/molneu/)。

 

ちなみに発達障害は、

  • 『広汎性発達障害(PDD)』
  • 『注意欠陥・多動性障害 (ADHD)』
  • 『学習障害 (LD)』

に大別されます。以下に、その概要を説明します。

 

広汎性発達障害

『栗原類 注意欠陥障害 克服 理由』

広汎性発達障害 (PDD)は、コミュニケーションと社会性に障害がある発達障害です。

  • アスペルガー症候群
  • 自閉症
  • レット障害
  • 小児期崩壊性障害
  • 特定不能の広汎性発達障害

の5つの障害があります。

PDDは、社会性・対人関係の障害、コミュニケーションや言葉の発達の遅れ、行動と興味の偏りが特徴です。

  • コミュニケーションが苦手、
  • 特定の分野だけに強い関心を示す、
  • 周囲にうまく溶け込めず孤立する
  • 触られるのを異常に嫌がる、
  • 音に過剰反応する、
  • 視覚・聴覚・味覚・触覚

に対して苦痛や不快感を感じる感覚過敏を伴うことも少なくないのです。

 

アメリカ精神医学会『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)によれば、レット障害を除外した

  • 自閉症
  • アスペルガー症候群
  • 小児期崩壊性障害
  • 特定不能の広汎性発達障害

の4つが自閉症スペクトラム障害(ASD)と総称されます。

 

従業員5人以上の事業所に雇用されている障害者は、

  • 身体障害者 約43万3000人、
  • 知的障害者 約15万人、
  • 精神障害者 約4万8000人。

PDDは、知的障害や精神障害を抱える人にも見られるため、これらのデータに含まれる(厚労省「平成25年度障害者雇用実態調査」)。

 

大人になってからPDDと診断される人は、子どもの頃から自分と他人の違いに違和感をもつため、

  • 急激な変化や変更に対応できない
  • こだわりが強く納期に間に合わない
  • 社交辞令や暗黙の了解が分からない
  • 複数の指示をこなせない

などに悩むことが多いです。

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注意欠陥・多動性障害

『栗原類 注意欠陥障害 克服 理由』

  • 不注意(集中力がない)、
  • 多動性(じっとしていられない)、
  • 衝動性(考えずに行動してしまう)

の3つの症状が見られる発達障害、それが注意欠陥・多動性障害 (ADHD) です。

 

文部科学省によれば、中枢神経系に何らかの要因による機能不全が7歳以前に現れ、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすと定義しています。

アメリカ精神医学会『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)では、診断年齢は7歳から12歳に引き上げられています。

大人のADHDの特徴は、

  • 順序立てて仕事ができない、
  • 長時間座っていられない、
  • 細かいことに注意が及ばない、
  • ケアレスミスが多い、
  • 約束を忘れる、
  • 時間に遅れる、
  • 締め切りに間に合わない、
  • 片づけが苦手

などです。

だが、

  • 何かに没頭すると、ほどほどで止められない。
  • 社会生活を円滑に送るのが難しい人が多い。

そして学習障害は、知的発達に遅れがないが、

  • 聞く
  • 話す
  • 読む
  • 書く
  • 計算・推論

するなどの能力の習得や使用に困難を伴う発達障害です。

中枢神経系の機能障害によって生じるが、

  • 視覚障害
  • 聴覚障害
  • 知的障害
  • 情緒障害

などの障害や、環境要因が直接の原因ではない。

 

大人の学習障害

  • 上司の注意を理解できず同じ失敗をする
  • 電話で聞きながらメモを取れない
  • 話をまとめられない
  • 集団で指示されるのが苦手
  • 会議が辛い
  • レポートが書けない
  • お釣りの計算や金銭管理ができない

など、社会生活に大きなトラブルやハンディを生じる場合があります。

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発達障害の治療は本人と周囲の理解!?

『栗原類 注意欠陥障害 克服 理由』

このような発達障害の治療は、どのように試みられているのだろう?

発達障害の治療は、気づき受け入れる適切な治療を受け周囲も適切な支援やサポートを行うことに尽きます。

そのために、主として心理教育と環境調整療法薬物療法自助グループへの参加などが実践されています。

 

心理教育と環境調整療法

発達障害は、性格や家庭環境ではなく、脳や肉体的な機能不全や精神的なハンディに起因します。

したがって、臨床心理士、医師による適切なカウンセリング薬物治療によると環境心理教育調整療法が必要になります。

問題行動の原因を探る精神分析、

  • 無意識に行われる行動パターンを読み取る心理療法
  • 人と触れあうための訓練を行う対人関係療法
  • 話し方を練習するコミュニケーション訓練法
  • 人間関係の構築法を学ぶソーシャル・スキル・トレーニング

などの行動療法などがあります。

意識が変われば、適切な治療を肯定的に考えるように行動変容が起きます。

 

薬物療法

薬物療法は、脳の機能を回復させるので、特に注意欠陥・多動性障害 (ADHD)やアスペルガー症候群に効果的です。

  • うつ病に処方されるSSRI(選択的セトロニン再取り込み阻害薬)
  • てんかんや躁うつ病の治療にも有効なバルプロ酸
  • 自閉症や知的障害者の治療に用いられる抗精神病薬

などがあります。

ただ、その効果についてはさまざまな見解や議論があります。

 

自助グループへの参加

発達障害の人は、自己評価が低く、地域や職場で孤立しがちのため、自助グループに参加し、同じ経験や苦痛を味わった仲間と話し合えば、不安が取り除かれ、安心感を与えることができます。

たとえば、社会認知度を広め、生活支援に寄与している

  • 『大人のADD&ADHDの会』(SOAA)
  • ADHDの人とその家族や教師などを応援する『えじそんくらぶ』
  • 発達障害者とその家族を支援する『アスペ・エルデの会』

などが活動しています。

 

しかし、家族のサポートこそが、発達障害の治療に最も有効かもしれません。

周りにいる家族や友人が発達障害を理解し、受け入れ、親身にサポートする。

夫婦なら、じっくり話し合い、理解を深め合うことだ。

その他、日常生活でできる改善もあります。

たとえば、優先順位の高いものから片付けるために、

  • その日

ごとにやるべきことの一覧表(TO DOリスト)を作成し、やり遂げることです。

繰り返せば、物事を順序立てて考える習慣がつき、ミスが減ります。

この視覚的構造化は、発達障害の治療に有効です。

 

成長するために生きているのだから

また、情緒を安定させ、パニックを予防するために、自分だけの時間と場所を作る工夫も大切です。

さまざまな考察を進めてきたが、最も重要な点は、何か?それは、

  • 発達障害をもつ自分が発達障害と自覚する
  • 周囲がフォローする
  • 自分は愛され大切な存在だと信じる自己肯定感

ではないでしょうか。

発達障害は障害ではなく、個性なのです。

発達障害(原因)から人間の成長(結果)を見るのではなく、人間の成長(結果)から発達障害(原因)を見る視点が必要です。

なぜならば『人間は成長するために生きている』からなのです。

人間の成長のキャパシティは計り知れなく大きいのです。

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ま と め

『栗原類 注意欠陥障害 克服 理由』

栗原類さんの勇気に感動しました。

自らのハンディであるところの注意欠陥障害を告白した勇気。

そして克服した理由として周囲の環境やコミュニケーションに励まされたといっています。

こうしてみると注意欠陥障害という障害は、栗原類さんのようにポジティブに立ち向かう克服への姿勢や克服した理由にもあるように真摯な取り組みに心神的効果があるようです。

本当に人間のキャパは無限大にあるようです。

恐れず慄かず真正面からの取り組みと自然体の中での生活環境づくりや社会参加。

これが一番のようです。