赤ちゃんの聴診でわかる病気は命にかかわる?!心音や雑音が聞こえなかったら・・・

赤ちゃんの聴診でわかる病気は命にかかわる?!心音や雑音が聞こえなかったら・・・

妊娠6週目頃から赤ちゃんの心音が聞こえはじめ、生まれてからは聴診によって病気の可能性を調べることが多くなります。

赤ちゃんが聴診を受けた際、お医者さんに『心雑音が聞こえる』なんて言われて不安になってしまう親御さんは多いのでは?

心臓にかかわることですし、ましてやそれが1人目の赤ちゃんだったらなおさら心配になるはず。

赤ちゃんの心音に雑音が混ざる(=心雑音)ことはよくあることで、その多くは自然に治る無害なものです。しかし場合によっては危険な病気のサインであることもあります。

この記事では、赤ちゃんがなりやすい病気、その中でも聴診と他の診察方法(心電図やエコーなど)との組み合わせによって見つけられるものを、その原因と治療法を含めて紹介していきます。

「心雑音」ってなに?

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出典:www.cantuemfoco.com.br

よく『ドックン』と表現されるのが「心音」と呼ばれる心臓が拍動する音ですが、「心雑音」とはそこに混ざってくる雑音です。

『ザーザー』とか、もう少し高い音で『シューシュー』と表現されます。

この心雑音は「ドックン」の「ドッ」と「クン」の間に聞こえるのか、あるいは「クン」と次の「ドッ」の間に聞こえるのかといったように、発生するタイミングによって分類され、病気の発見に役立てられています。

 

心配不要な雑音はある

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 心雑音には無害なものがあり、それは『機能性心雑音』あるいは『無害性心雑音』と呼ばれています。

赤ちゃんの心臓は大人と比べてポンプとしての力が強く、血液が強く押し出された結果ちょっとした血流の乱れが生じます。

その血流の乱れが機能性心雑音の原因になります。

これは心臓が健康であるために出る音で、赤ちゃんの成長に伴って自然と減っていくので心配ありません。

病気かもしれない雑音

赤ちゃんの聴診でわかる病気は命にかかわる?!心音や雑音が聞こえなかったら・・・

 赤ちゃんが生まれながらにしてもっている病気のなかには、聴診によって見つけられるものがいくつもあります。

ここでは、特によく見られる3つの病気について、その原因と治療法の概要を解説していきます。

 

  1. 動脈管開存症(動脈管閉鎖不全)

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出典:www.bioplus.jp

動脈には2種類あります。

心臓から肺に血液を送る『肺動脈』と、肺で酸素を取り込んだ血液を体に送る『大動脈』です。

赤ちゃんにはそれら2つの動脈をつなぐ血管(=動脈管)があり、生まれてからしばらくたつと自然と閉じられます。

 

これが自然に閉じられないと肺への血流が増えすぎ、肺を傷つけることがあるため治療が必要になります。

インドメタシン(抗炎症薬)の投与を数回試したのち、それでだめなら心臓を外科的に手術することになります。

 

  1. 心室(心房)中隔欠損症

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出典:kidheart.umin.jp

心臓は4つの「部屋」をもっていて、下の2つを『左右心室』、上の2つを『左右心房』といいます。

この病気は左右の心室(あるいは心房)を分けている壁に穴が開いてしまった状態のことです。

穴が小さければ1歳くらいまでには自然に閉じることも多いですが、穴が大きいと心臓に負担がかかるようになり、赤ちゃんの運動と発育に悪影響を及ぼします。

穴が大きい場合には外科的な手術が必要になり、具体的には心臓の穴に『パッチ』をあてて物理的にふさぐ方法が取られています。

この病気は赤ちゃんの先天性疾患のうち約20%とされ、最も多い割合を占めています。

同時に手術の成功率は95%を超えていて、信頼できるお医者さんにかかれば基本的に問題のない病気です。

 

  1. ファロー四徴症

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四徴とは『4つの徴候(サイン)』のこと。

心雑音あるいはチアノーゼ(低酸素血症:血中酸素の減少により皮膚や唇が紫になる症状)によって見つかることが多い病気です。

4つの徴候には、

  1. 左右心室に穴が開いている(心室中隔欠損)
  2. 肺動脈が細い(肺動脈狭窄)
  3. 右心室の壁が厚い(右室肥大)
  4. 左心室のみから出ているはずの大動脈が右心室にもつながっている(大動脈騎乗)

が挙げられます。

肺動脈に流れるはずの血液が大動脈に流れやすくなるので、酸素を十分に取り込めず血中酸素が不足してしまいます。

肺の血流を確保するためにまず投薬治療が行われますが、どのような場合にも手術が必要になります。

最近では手術の成功率が高まり、より小さな赤ちゃんにも施術できるようになってきました。

 

まとめ

赤ちゃんの聴診でわかる病気は命にかかわる?!心音や雑音が聞こえなかったら・・・

出典:welq.jp

ここまで代表的な病気について見てきましたが、必ず覚えておきたいことは『早い段階でお医者さんに診てもらう』ということです。

親御さん自身が、聴診器を手に入れて心音を聞いてみるのも悪くはありません。

しかし素人が正しい判断をすることは非常に困難で、危険です。

赤ちゃんの命と健康のために、

  • 『かかりつけのお医者さんをもつ』
  • 『心配事はすぐに相談する』

という2つのことを覚えておいてください。

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3 件のコメント

  • なほこ より:

    異変を感じたらやはりすぐに病院に連れていくのが一番ですよね!自己判断はこわいですね。

    • meemi0730 より:

      コメントありがとうございます!

      そうなんです。

      人の身体ってまだまだ分からないことも多いですし、人それぞれなので判断が難しいことばかりなんです。

      知識に慢心せずに相談していく行動は非常に大切ですね♪

  • ベイビーブルー より:

    赤ちゃんの心雑音は良くあることなんですね。私は小学生の時 放課後の陸上の練習中に脈拍を計ったら、不規則でした。

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