インフルエンザの治療薬といわれてタミフルを思い浮かべる方が多いと思います。

また最近では吸入のリレンザやイナビルなども使用した方もいらっしゃるかもしれません。

今回ご紹介する『ラピアクタはインフルエンザの点滴薬』であり、病院でのインフルエンザの治療に用いられています。

そこで今回は『ラピアクタについて有効性・投与方法・副作用・使用上の注意点』について詳しく見ていきたいと思います。


ラピアクタってどんな薬?特徴は?

ラピアクタ、インフルエンザ

ラピアクタは『A型またはB型』インフルエンザウイルス感染症に効果がある点滴薬です。

『1回15~30分かけて』点滴静注を行います。

ラピアクタはインフルエンザウイルスのノイラミニダーゼというウイルス増殖に関与する酵素を阻害してウイルス増殖を抑える効果があります。

そのためウイルスが増殖してしまった後では薬の効果は発揮できず、『発症後48時間以内』に使用する必要があります。

 

ラピアクタの有効性

ラピアクタ、インフルエンザ

インフルエンザウイルスには『ヘマグルチニン(HA)トノイラミニダーゼ(NA)の二種類』で構成されています。

ヘマグルチニンには15型、ノイラミニダーゼには9型の種類があり、これらの型によってインフルエンザは分類されています。

ラピアクタはこのノイラミニダーゼに結合し、簡単に解離することがなく、長時間にわたってノイラミニダーゼを阻害します。

しかもノイラミニダーゼ9種いずれに対しても強い効果があることが確認されています。

 

この為、新型インフルエンザに対しての抗ウイルス作用もあると期待されています。

また、タミフルに対して耐性を持ってしまったウイルスにも効果があることが確認されています。

様々な有効性があるとして期待されている薬品なのです。

 

「ラピアクタ」の効果は?

ラピアクタ、インフルエンザ

ラピアクタはタミフルやリレンザ、イナビルと同様のノイラミニダーゼ阻害薬に分類され、似たような作用機序でインフルエンザウイルスの増殖を抑えます。

インフルエンザによる熱性けいれんを起こし入院した小児患者に対して、タミフルとラピアクタの解熱作用について比較した結果、薬の投与から解熱までかかった時間は、

  • タミフルを投与した患者で1.5日
  • ラピアクタを投与した患者で1.0日

『ラピアクタの方が早い解熱作用がある』ことが判明しました。

スポンサーリンク

ラピアクタと他の抗インフルエンザ薬との違い

ラピアクタ、インフルエンザ

インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼには9種類あり、そのいずれに対しても強い効果があることはお話ししましたね。

ラピアクタやタミフルやリレンザよりも強い効果があるという期待もされている薬です。

また即効性があるので、症状を早く取り除き、仕事や学校への早期復帰を希望する方はラピアクタによる点滴治療が効果的だと考えられています。

 

ラピアクタの投与方法

ラピアクタ、インフルエンザ

●成人の場合

成人には通常300㎎を15分以上かけて静脈に点滴します。

合併症などにより重症化する恐れのある患者さんには、1日1回600㎎を15分以上かけて点滴し、その後の症状に応じて翌日も点滴します。

 

●小児の場合

子供には通常1日1回、体重1キロにつき10㎎の量を15分以上かけて静脈に点滴します。

症状に応じて翌日も点滴します。投与の上限は一度につき600㎎と決められています。

 

「ラピアクタ」が使用されるパターンは?

ラピアクタ、インフルエンザ

リレンザやイナビルは吸入の薬であるため、10歳未満の子供では上手に吸入できないことやタミフルは粉薬・カプセルであるため服用することが困難な症状・状況の場合があります。

そのため熱性けいれんなどで入院してきた乳幼児や、入院中にインフルエンザにかかってしまった高齢者で服用困難な場合にこのラピアクタの点滴がよく用いられます。

実際にラピアクタは

  1. 10~64歳のあいだでは使用率は3~4%と低い。
  2. 10歳未満では7.4%。
  3. 65歳以上の高齢者では21.2%。

と使用率が上がっていることがわかっています。

しかし添付文書ではタミフルのような経口剤や、リレンザ・イナビルのような吸入剤などの他の抗インフルエンザ薬の使用を十分考慮したうえで、ラピアクタの投与を検討するようにと書かれているため、経口や吸入可能な患者にはあまり使われません。

スポンサーリンク

「ラピアクタ」主な3つの副作用

ラピアクタ、インフルエンザ

ラピアクタの主な副作用として一番多いのが『下痢』です。6.3%の方に下痢が発生しています。

また他の抗インフルエンザ薬同様、投薬後に『異常行動や精神症状が生じた』といった報告がされています。

そのため、小児・未成年者についてはこの異常行動による転落などを防ぐために、投与から少なくとも2日間は保護者が様子を見て、小児・未成年者が1人にならないよう注意する必要があります。

ラピアクタを投与される場合は入院している場合が多いので、大丈夫だとは思いますが注意して様子を見ましょう。

またその他の重大な副作用として、以下のようなものが報告されています。

 

<アナフィラキシーショック>

 

  • 発疹
  • 血圧低下
  • 呼吸困難

などがあらわれる恐れがあります。

またこのような副作用が2013年以降8例報告され、そのうちの1人は死亡しています。

 

<白血球減少・好中球減少>

 

1~5%にみられ、免疫が落ち、病気にかかりやすくなるなどの症状があらわれます。

 

<肝機能障害>

 

肝機能障害による黄疸などが投与翌日などに見られることがあり、だるさなどの症状があらわれます。

 

インフルエンザを点滴で治療する注意点とは?

ラピアクタ、インフルエンザ

因果関係は不明ですが、ラピアクタを含む抗インフルエンザウイルス薬投薬後に異常行動などの精神・神経障害を発現した例があります。

この為、小児・未成年者が使用した場合は異常行動の発現の恐れがあるので、少なくとも二日間は小児・未成年者が一人にならないように保護者などによる保護の元自宅療養するようにしてください。

 

重要な基本的注意

 

腎臓に疾患を持つ方は医師と相談しましょう。

 

『ラピアクタは腎排泄型の薬』です。

腎機能が低下している場合に使用すると高い血漿中濃度が続く恐れがあり、水分や塩化ナトリウムの過剰投与に陥りやすく、症状が悪化する恐れがあります。

この為状態を見ながら慎重な投与が必要です。

腎臓疾患のある方はきちんとその旨を医師に伝えた上でインフルエンザの治療を行ってください。

 

使用上の注意

 

高齢者は使える?

 

高齢者は生理機能が低下していることがあるので、患者の状態を見ながら投与します。

医師と相談の上で治療を行ってください。

 

妊婦・産後・授乳中の女性は使える?

 

妊娠中の投与の安全性は確立していませんが、妊婦又は妊娠の可能性がある女性は、インフルエンザが普段よりも重症化する恐れがありお腹の赤ちゃんにも良くないので、医師の判断により投与することができます。

なお、ラピアクタを使用した場合、出生した赤ちゃんによくないことがあったという報告は今のところはありません。

授乳中の女性に投与する場合は、薬が母乳に移行してしまうので『授乳を停止してください。』

授乳再開は投与後2~3日後が望ましいと考えられています。

いずれもまずは医師とよく相談するようにしましょう。

 

子供は使える?

 

ラピアクタは0歳から投与する事が出来ます。

ただし、腎機能が未発達な低出生体重児や新生児への安全性は使用経験がない為確立していません。

医師の判断によりやむを得ず使用する場合は、投与量や投与回数を減らすなどの慎重な投与が必要です。

スポンサーリンク

まとめ

ラピアクタ、インフルエンザ

普段の生活ではあまり目にかかることはない薬ですが、いざ自分の子供や親がインフルエンザになってしまい入院した場合、ラピアクタが使われるかもしれません。

今回はラピアクタの有効性・投与方法・副作用・使用上の注意点について詳しく紹介しました。

事前にラピアクタがどのような薬なのかを知っておくことで、少し不安も和らぎましたか。

インフルエンザの時期はまず手洗い・うがいなどしっかり行い、うつされないよう意識して生活しましょう。