歯周病と関節リウマチの因果関係に関する研究が進められているようです。

 

治療の過程における歯周病の完治と関節リウマチ症状の軽減に関連性があるというものです。

 

そして、その効果測定の結果から共通した治療が可能になるのではないかと言われていますが真相はどうなっているのでしょうか?



歯周病と関節リウマチの関連性

『歯周病 関節リウマチ 治療』

歯周病と関節リウマチの関連は以前から指摘されていたが、ある特定の細菌によってその関連を説明できる可能性が、新たな研究で示唆されました。

 

この発見により関節リウマチの原因も明らかにできる可能性があるというものです。

 

研究著者の1人である米ジョンズ・ホプキンス大学医学部(ボルチモア)のFelipe Andrade氏は、

『もしこの知見が正しければ、関節リウマチに対する考え方や治療法はこれまでとは全く異なるものになる』

と述べています。

 

歯周病患者はリウマチになる確率が〇倍も!?

 

関節リウマチは過剰な免疫反応による慢性的な関節炎で、関節以外のさまざまな身体システムにも影響を及ぼすことがあります。

 

100年以上も前から、関節リウマチ患者に歯周病がみられる確率が高いことが知られており、共通する因子の存在が疑われていました。

 

近年、関節リウマチ患者では歯の数が少ないほど重症度が高い傾向が認められており、歯周病患者は関節リウマチになる確率が2倍であることも報告されていますが、その理由は不明のままでした。

 

『一時期までは、関節炎の人は手がよく動かないため歯磨きが十分にできないとも考えられていた』

とAndrade氏はいっています。

 

歯周病は炎症性疾患

 

歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。

歯と歯肉の境目(歯肉溝)の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞し(歯垢の蓄積)歯肉の辺縁が『炎症』を帯びて赤くなったり、腫れたりします。

そして、進行すると歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の境目が深くなり、歯を支える土台(歯槽骨)が溶けて歯が動くようになり、最後は抜歯をしなければいけなくなってしまいます。

歯周病を見抜く8つのチェック

  1. 朝起きたとき、口の中がネバネバする
  2. ブラッシング時に出血する
  3. 口臭が気になる
  4. 歯肉がむずがゆい、痛い
  5. 歯肉が赤く腫れている(健康的な歯肉はピンク色で引き締まっている)
  6. かたい物が噛みにくい
  7. 歯が長くなったような気がする
  8. 前歯が出っ歯になったり、歯と歯の間に隙間がでてきた。食物が挟まる

 

歯周病の原因

 

約300~500種類の細菌が、口の中にいます。

  • 歯磨きが行き届かない場合
  • 砂糖の過剰摂取

 

などの時、細菌がネバネバした物質を作り出し、歯の表面にくっついたりします。

これを歯垢と言い、粘着性が強くうがいをした程度では落ちません。

この歯垢1mgの中には10億個の細菌がいるといわれ、むし歯や歯周病をひき起こすことになります。

歯周病を進行させる 7つの要因

  1. 歯ぎしり、くいしばり、かみしめ
  2. 不適合な冠や義歯
  3. 不規則な食習慣
  4. 喫煙
  5. ストレス
  6. 全身疾患(糖尿病、骨粗鬆症、ホルモン異常)
  7. 薬の長期服用



細菌の寄与が関係?!

『歯周病 関節リウマチ 治療』

 

近年の仮説では、両方の疾患に細菌が寄与している可能性に焦点が当てられているが、その機序は明らかにされていませんせした。

 

今回の研究では、関節リウマチ患者の歯肉より採取した約200の検体について、アクチノバシラスアクチノミセテムコミタンス(A. actinomycetemcomitans)と呼ばれる歯周病関連菌の有無を調べました。

 

関節リウマチ患者のほぼ半数に感染の徴候がみられたのに対し、歯周病も関節リウマチもない集団では11%でした。

 

この結果から、歯周病と関節リウマチがいずれもこの細菌に起因している可能性が示されます。

 

関節リウマチとは

 

一般に、骨や関節、筋肉など、体を支え動かす運動器官が全身的な炎症を伴って侵される病気を総称して『リウマチ性疾患』といいます。

 

このうち、関節に炎症が続いて、関節が徐々に破壊され、やがて機能障害を起こす病気が『関節リウマチ』です。

 

関節リウマチの特徴的症状

 

関節リウマチの特徴的な症状は『関節の腫れ』です。

 

手首や手足の指の関節に発症しやすく、また、関節リウマチの症状は『対称性』といって、左右両側の関節にあらわれることが多いのが特徴です。

 

関節リウマチは、腫れを伴って、じっとしていても痛いのが大きな特徴で、その痛みはよく『かみつかれたような痛さ』ともいわれます。

 

関節リウマチの発症年齢

 

関節リウマチの発症のピークは30〜40歳代

 

性別では女性に多く、男性に比べ5〜6倍

 

60歳代からの発症も多く、『高齢発症関節リウマチ』と呼んでいます。

 

高齢発症関節リウマチでは、男女の発症率に差はありません 。

 

15歳未満で発症する場合もあり、これは『若年性関節リウマチ』と呼んでいます。

 

関節リウマチ 何が起きているの?

 

関節リウマチに特徴的な『腫れと痛み』は、免疫機構に異常が生じ、その結果関節に炎症が起こって生じるものです。

 

免疫機構とは、体内に侵入してきた細菌やウイルスなどの外敵を攻撃し排除するシステムで、人間が生まれながらに持つ性質です。

 

何らかの原因でこのシステムに異常が生じることがあります。

 

免疫機構が自分の体の成分や組織を外敵と誤り、攻撃して排除しようとします。

 

正常な組織との間に争いが起こると、炎症とともに関節が破壊されてしまうものです。

 

そして、この現象が関節に起こる病気が関節リウマチです。


歯周病と関節リウマチの因果関係は?

『歯周病 関節リウマチ 治療』

細菌が歯周病を引き起こした後に一種の副作用として関節の腫れをもたらすか、あるいは逆に歯周病が関節リウマチの副作用であるとも考えられます。

 

歯周病と関節リウマチの因果関係を明らかにするにはまだ数十年かかる可能性があるが、それでも、細菌の関与に関する今回の知見は関節リウマチの予防と治療に

『いずれ役立つ可能性がある』

と、米テキサス大学サウスウエスタン医学部臨床教授のScott Zashin氏は話しています。

 

同氏によると、細菌を標的とすることは、関節リウマチの発症リスクが高いがまだ症状が出ていない人に特に有用であると考えられるといっています。

 

Andrade氏は、

『この知見は抗生物質が関節リウマチ治療の選択肢となりうることを強く示唆するものだ』

と述べています。

 

この研究は『Science Translational Medicine』オンライン版に12月14日掲載されました。

 

調査・研究と臨床検証

『歯周病 関節リウマチ 治療』

 

 

平成27年2月1日付け『歯周病と関節リウマチ』報告

  • 新潟大学大学院医歯学総合研究所 歯周診断・再建学分野教授 吉江弘正
  • 同大学医歯学総合病院 歯科総合診療部 病院教授 小林哲夫

などでも歯周病と関節リウマチの密接な関係性が指摘されており、

『現在までヒトの疫学データや動物・細胞を使用した研究論文43編中33論文、約8割において歯周病と関節リウマチには関連があると報告されています』

と述べています。

 

しかし、今回の研究はアクチノバシラスアクチノミセテムコミタンスという通性嫌気性桿菌に限った研究であり、他の研究ではポルフィロモナスという嫌気性グラム陰性桿菌の関与も指摘されています。

 

さらには関節リウマチの発症に関係するCCP抗体の誘導など研究課題も多いです。

 

両疾患の発症のプロセスの科学的解明は非常に重要であり、その完全解明には長い時間が必要になります。

 

しかし、これほどまでに関連性が強く指摘されているのであれば、診療科の横断的な大規模調査・研究の実施、さらにはトライアルであれ、多くの患者を救うために早期の臨床検証を期待したいです。

 

関節リウマチの患者数は約70万人(リウマチ情報センター)、さらに国民の8割などと大げさな言い方をされる歯周病ですが、継続的に歯肉炎および歯周疾患の治療を受けている患者は265万人以上にのぼると推測されています。

公式サイトはこちら

ま と め

『歯周病 関節リウマチ 治療』

歯周病による抜歯。

そして歯の数が減る。

関節リウマチの可能性が出てくる?

また、この逆もあるといわれています。

どちらにしても治療しなければ楽しい人生感が失われてしまうことにもなりかねないようです。

歯周病と関節リウマチの因果関係について、もっと研究をして完全な治療に行き届く日を待つことの期待感が強くなりました。



公式サイトはこちら