人気お笑いコンビ『さまぁ~ずの大竹一樹さん(48)』が、筋膜炎で緊急入院したニュースは記憶に新しいのではないでしょうか。
入院することになった気になる病名は、あまり聞きなれない『筋膜炎』という病気です。
テレビ東京系のレギュラー番組モヤモヤさまぁ~ず2の冒頭で、三村マサカズさん(49)は相方の不在理由を次のように釈明して当日のロケを始めました。
『大竹が筋膜炎で……オレも初めて聞いたんだけど、もぉ、脚が痛くて痛くて今、車椅子で生活してるらしい』
この筋膜炎は、
- 男性ならば40歳以上
- 女性の場合は50歳以上
で、ある日突然見舞われる疾患だといわれています。
番組中盤、電話による出演となった大竹さんは、謝罪しながら『足がね、一切動かなくなっちゃいまして。歩けなくなっちゃいまして。ものすごい怖いよ。夜中に死ぬと思った』と、その痛みを明かしてくれました。
この大竹さんが欠席したロケは、急遽、代打出演で駆けつけたはいだしょうこさんが加わって無事に終了しました。
心配された大竹さんの容態は、次週予告で元気に回復した姿が紹介されるというオチで終えました。
今回はさまぁ~ずの大竹一樹さんがなった『筋膜炎の原因・メカニズム・種類・予防方法』について詳しくまとめていきます。
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筋膜炎の原因

筋膜炎の原因はアスリートたちの『筋肉疲労による筋肉の負担』によるところが多いようです。
またアスリートたちだけでなく、立ち仕事や合わない靴などを履いていると、筋膜炎の原因として症状が出るように思われます。
慢性的に疲労がたまりやすい人は、筋肉炎を起こしやすくなります。
また年齢的には40~50代の中高年に多いことから、加齢による老化が大きな原因のように考えられます。
筋肉炎は筋肉や骨・内臓を覆っている筋膜が硬くなるのが原因です。
筋膜炎のメカニズム

筋膜炎のメカニズムを見てみると、筋膜はウエットスーツを頭から身体全体に着ているようなものです。
そのウエットスーツの一か所をどこか引っ張ると、ウエットスーツは、その部分が引っ張られます。
引っ張るのをやめると元に戻ります。
これはヒアルロン酸が、
- コラーゲン繊維をしなやかにしている
- エラスチンの作用
によるものです。
しかし同じところを引っ張っていると、筋膜が炎症を起こしてきます。
筋膜が炎症を起こすという事は、ヒアルロン酸が凝縮して、コラーゲン繊維の配置がずれることになるという事です。
どこか一か所でつれたり、ねじれたりすると動作は、スムーズに動作しなくなります。
筋膜でのツレやねじれは、コリやけがの事なのです。
また古い傷や手術などで、筋膜を損傷した場合にも、筋膜炎を起こすことがあります。
身体のバランスが崩れるわけですから、思わぬところに不調が出ることがあります。
筋膜炎5つの種類

筋膜炎の症状には、大きく分けて
- 結節性筋膜炎
- 壊死性筋膜炎
- 壊疽性筋膜炎
- 足筋膜炎
- 腰筋膜炎
があります。
足筋膜炎、腰筋膜炎以外は、病変による疾患です。
そのため、筋膜炎の考え方も全く違ったものになります。
結節性筋膜炎
結節性筋膜炎とは、皮下深部に出来る、腫瘍に似ているがまだ判定のつかない病変です。
1955年にKonwalerが皮下の偽肉腫性繊維腫症として報告しました。
その時に結節性筋膜炎と名付けたのが最初で、代表的な良性腫瘍様病変として、専門家の間ではよく知られています。
大体20代から50代に発症しています。
結節性筋膜炎は局所にできる、線維芽細胞が増殖する症状で、良性の筋膜から発症する疾患です。
原因は線維芽細胞が増殖することです。
壊死性筋膜炎
壊死性筋膜炎は筋膜に沿って、皮膚深部で急速に、壊死が広がっていきます。
細菌感染に掛かった部分の患部の皮膚は赤くはれ上がり、高熱を出して皮膚の組織が死滅してしまいます。
壊死性筋膜炎は、時にショック死の可能性のある重篤な病気です。
壊死性筋膜炎は初期段階では、赤みが薄いです。
しかし、すぐに症状は悪化して、患部に激痛を覚え、同時に腫れや赤みが出ます。
皮膚の下に悪臭を伴う、水泡や気泡を生じて、壊死が始まります。
壊死性筋膜炎の皮膚の色の変化は、赤から赤紫、黒色に変化していきます。
壊死性筋肉炎の、炎症を起こさせる菌には、レンサ球菌属やクロストリジウム属など複数いますが、多くの場合複数の細菌の組み合わせにより発症します。
死亡率は全体の30%と非常に多いです。
治療は
- 外科的手術
- 抗生物質の静脈内投与
を行います。
壊疽性筋膜炎
壊疽性筋膜炎は肛門周囲膿瘍や、外傷や尿路感染が切っ掛けで、細菌感染による急激な広がりが起こり、高熱や激痛を伴います。
筋膜に茶色い膿が、しみ込んでいるようになっていて、手術で患部を取り除くにも、広範囲に切開しないといけません。
また独特な悪臭があります。
細菌により敗血症になって、死にいたることもあり、病気の数としては少ないですが、壊疽性筋膜炎になると、治療がとても大変になります。
集中治療室で、強力な抗生物質を使って、注意深く治療しなければなりません。
糖尿病の患者さんに、多く発症しています。
原因は細菌が皮下組織に侵入して、腐敗ガスや毒素をだして、細胞組織を腐らせるのが原因です。
また壊疽性筋肉炎の事を、フルニエ症候群とも言います。
死亡率は10%で男女比は25対1と、圧倒的に男性に多いです。
また50~70代の人に多く発症しています。
足底筋膜炎
スポーツなどによる筋膜炎の使い過ぎにより起こります。
筋肉が疲労を起こしているときは、安静にして、筋肉を休ませることにより、筋膜炎も治ってきます。
肥満度の大きい人や、足首の関節が硬い人は、足底筋膜炎を起こしやすくなります。
足首の関節は、衝撃を吸収する作用があり、足底のアーチにも衝撃を、吸収する作用があります。
両方の吸収する作用が、衝撃が起こった時に分散して、衝撃を吸収することが出来ますが、足首が硬いと衝撃を、吸収することが出来ないため、足底筋膜炎になってしまいます。
腰筋膜炎
腰部筋膜炎も腰の筋肉の使い過ぎで起こります。
また同じ姿勢を続けていると起こります。
楽な姿勢をとって、安静にしていれば治ります。症状は腰から背中にかけて、痛みの症状が起こります。
腰に重さ・だるいの違和感などの症状が起こります。
足裏の筋膜が危ない!?

臓器や骨や筋を支え、全身を結合させている組織である『筋膜』は近年、注目されているキーワードなんです。
筋膜にアプローチする治療法は認知されつつあり、テレビ番組をはじめ各メディアでも特集されるほどの人気です。
では、大竹さんが襲われた筋膜炎とはいったいどんな症状なのでしょう?
理学療法士の三木貴弘氏は、大竹さんの筋膜炎を『足底筋膜炎』ではないかと仮定し、その特徴や治療法をこう説明します。
足底腱膜炎は、足の裏にある筋膜が炎症を起こすことで痛みが生じます。
足底筋膜は上から見ると扇の形に似ており、かかとの骨の付け根から足の各指におよびます。
主な役割は、歩くときなどの衝撃を吸収したり、足の“アーチ”を保つ助けをしたりというものです。
筋膜は、
- 強度を担うコラーゲン
- 伸縮を担うエラスチン
が網目状に交差しています。
そのため、水のような空間部分(ゾル状の細胞基質)を有するのです。
そこが炎症によってゼラチン状(ゲル状の細胞基質)に変質すると、それぞれの機能低下が生じるといわれています。
加齢とともに硬くなる筋膜

足底筋膜炎の特徴は、
- 足の裏のかかとの付け根が痛む
- 体重を乗せると痛む
- とりわけ朝起きた時の痛み
などがあげられます。
足底筋膜は加齢とともに硬くなりやすいため、上手く伸び縮みしなくなり、歩くたびにその負担から炎症が生じるのが、痛みの原因だとされています。
また、単純に使い過ぎても筋膜の炎症は起こり、加齢者の場合とは対照的に若いアスリートが見舞われやすい症状でもあるという。
治療法は、足の裏をマッサージしたり温めてみたりして、血流を改善する方法が手っ取り早いと言われています。
もう少し専門的になると、足のアーチが潰れている人(いわゆる偏平足)の場合などは、医療機関などでインソール(足底板)を処方してもらい、足底筋膜に負担がかからないようにする方法もあります。
長時間の歩行や立ち仕事、加齢や肥満

筋膜は、仮にすべての器官や臓器が溶け去ったとしても、筋膜だけはヒトのかたちをして残るのではとも語られている強靭な結合組織です。
とはいえ、足底筋膜の場合、
- 長時間の歩行や立ちっぱなしの日常的環境
- 加齢や肥満などの要因
が、足底筋膜炎を招くといわれています。
筋膜炎の予防

- 筋膜炎の予防はまずは激しい運動をやめることです。
- 続けていると肉離れなどに発展します。
- 次に氷を患部に立てて、幹部を冷やします。
- 冷やしたら患部に包帯などを巻いて、患部を心臓より高い位置におきます。
筋膜炎の予防は激しい運動をしないこと以外に、同じ姿勢をやらないことです。
仕事などでどうしても、同じ姿勢を続けないといけない場合は、できるだけ時間を見て、姿勢を変えることが大切です。
まとめ

今回はさまぁ~ずの大竹一樹さんがなった筋膜炎の原因・メカニズム・種類・予防方法について詳しくまとめました。
大竹さんのように痛みが強く歩けなくなるほどの恐ろしい病気です。
筋膜炎を防ぐために足にある『筋膜』の存在を忘れずに日頃からケアをしていきましょう。
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