市販の鎮痛剤などに配合されているイブプロフェンの副作用に難聴リスクがあるとの研究発表がされたようです。
風邪薬や頭痛薬は、ドラッグストアには多種多様に陳列されています。
その中から選ぶ消費者意識の中に十分に恐怖感を与える『イブプロフェンの副作用に難聴リスク』があるということのようです。
このイブプロフェンの副作用に難聴リスクがあるということについてご紹介します!
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薬剤師さんの役割

市販薬を購入する際、ドラッグストアに積まれた数多くの薬の中から、どれを買ったらいいのか迷う、という人は多いですね。
- 知名度
- 値段
- 売れ筋
- 薬剤師のオススメ度
- 『〇〇配合』という効きそうな謳い文句
など。
さまざまな購入動機は挙げられていますが、副作用やリスク情報まで心得て服用している人は少ないかもしれません。
厚生労働省が改訂指示を出す薬の安全情報は、年に500件近くに上るといわれています。
使い慣れた市販薬でも、心得るべき新たな副作用やリスク情報が加わることもあるのです。
ドラッグストアのレジの際に、この頃よく聞かれることが『このお薬の使用説明を受けていますか』というひとことです。
薬事上の安全基準や副作用などのリスクについて、薬剤師が改めて説明をするというものです。
そして、購入者の症状に合う市販薬の適正な服用や診療結果による薬剤の使用方法などについての指導を受けることができるようになりました。
厚労省の指示通達が市販薬の安全基準に対する、いわば『市販薬取扱に対する商品説明責任』を販売者側に求めて、適正使用と副作用などの防止に努めていることが伺えます。
もっと言えば『間違った服用は、命取りにもなりかねない』と言う未然の予防策としての重要説明になっていることと思われます。
陳列されている数ある市販薬の、限られたパッケージスペースなどに記載れている使用説明をよく読むことも肝心なことです。
お薬の購入に先立つ薬剤師による明確な説明が受けられるということは十分な説明責任が果たされているというドラッグストア事情が伺えるところです。
ますます、『薬剤師さん』の役割が重要になってくるようです。
また、使用する側も薬剤師さんの存在を十分に認識して、積極的に相談することも良いことではないでしょうか。
今回、『American Journal of Epidemiology』(12月14日付オンライン版)に、多くの人が耳にしたことがあろう成分『イブプロフェン』『アセトアミノフェ』のリスクについて最新の知見が報告されました。
イブプロフェンやアセトアミノフェン配合の市販薬(頭痛薬や風邪薬)を長期使用していると、一部の女性に関しては『難聴リスク』が高まると言うものでした。
そんな可能性が、米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のGary Curhan氏らの分析結果から読み取れたということです。
事前研究でも傾向があった?

Curhan氏らが今回の分析研究に際して採用したのは、看護師健康調査(NHS)に協力参加した女性層(48~73歳)のデータ。そのサンプル数は約5万5000人分に及bんでいます。
結果、イブプロフェンあるいはアセトアミノフェン配合の薬を『6年以上使用した女性』の場合、同じ使用期間が『1年以下の女性』に比べて、難聴になる可能性が高い確率が解読されたようです。
一方、昔から耳なじみのある『アスピリン』の長期使用(者)と難聴の関連性については有意が認められなかったそうです。
この研究陣は以前の研究報告においても、『アセトアミノフェン』あるいは『非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)』の使用量が増えると、男性および若齢女性層の難聴リスクが高まる可能性について言及していました。
市販の風邪薬にも多く含まれているアセトアミノフェンは、坐剤やシロップとして子どもの解熱にも多用されています。
坐剤の場合、4時間以上はあけて使わないと子どもの体温が下がり過ぎる危険に陥ることがあります。
入手しやすいとはいえ、使用間隔を厳守すべき、十分に注意が必要な薬なのです。
『注意事項』を読む必要性

冒頭で掲げた『イブプロフェン配合』の市販薬(頭痛薬・風邪薬・生理痛薬)だと、よく知られているのが『イブ』や『ナロンエース』『バファリンルナ』『カイゲン感冒薬』あたりでしょう。
なかでも『のどの痛みに』と効果を謳う風邪薬には、このイブプロフェンが配合されているものが多いうようです。
さらに子宮への移行性に優れているため、生理痛にもよく用いられることから女性層には馴染みの深い成分です。
そもそも鎮痛剤とは、痛みに対する鎮痛作用を有する医薬品の総称で、中枢神経や末梢神経に対し様々なメカニズムをとおして作用するものといわれています。
また、その主なものに
- アセトアミノフェン
- サリチル酸
- アセチルサリチル酸(アスピリン)、
- イブプロフェン
- ロキソプロフェン
のような非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、モルヒネやトラマドールのようなオピオイドが含まれます。
それだけに今回の知見は大いに気になるところです。
『実際のところ、鎮痛剤の長期使用による難聴リスク上昇の程度はわずかです。
しかしながら、これらの薬剤の使用頻度を考慮した場合、わずかなリスクの上昇でも健康面では重要な意味を持ち得るだろう』と、Curhan氏らは報告しています。
ただし、今回の研究からこれらの薬剤と難聴リスクの因果関係が確立されたわけではありません。
それでも、研究陣は次のように記しています。
『もし因果関係があるとするならば、解析対象層の女性内で生じた難聴の約16.2%がイブプロフェンあるいはアセトアミノフェンの長期使用による可能性が高いことを意味している』
もっとも、今回の対象者の大多数を占めていたのが、高齢の白人女性層でした。
つまり、鎮痛薬と難聴の関連性、その可能性をさらに解明するためには、他の年齢構成層も対象にすべきであり、調査規模の拡大も必要でしょう。
とはいえ、将来の研究報告を待つまでもなく、常に問われているのは服薬する私たち自身の意識改革です。
知名度や宣伝効果ばかりに耳を奪われず、服用の際には添付文書を一読するという基本を習慣化したい。
『飲むなら読め』でしょう。
ま と め

『頭痛』本当に耐え難いものがあります。
この痛みは、人に代わってもらえれば代わってほしいと切実に思うものです。
我慢してしきれるものでなく、どうしても鎮痛剤に頼ってしまいます。
しかし、まだ研究段階とのことでしたがイブプロフェン配合の鎮痛剤の過剰摂取は難聴になるリスクがあるとのことでした。
重大な問題提起ではないでしょうか。
イブプロフェンが及ぼすという難聴の副作用の可能性の有無について可及的速やかな説明責任を果たして欲しいものです。
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