初めて日本の土を踏んだ外国人。誰しもがマスクをしている人の多さに驚くと言います。
なかでも欧米人たちの第一印象が『なんでこんなに病気の人が多いんだ!?』という話は少なくないようです。
このような光景の背景にはマスク依存症が関連していると考えられています。
風邪やインフルの予防に加え、花粉症対策のマスク陣が出そろうこの時期に初来日すれば、誤解度はなおさら高いでしょう。
あなたは『マスク依存症』という言葉を知っていますか?
マスク依存症とは、顔のパーツのコンプレックスなどで名前のとおりマスクが常に手放せないことです。
では、必要のない時はマスクを外せば良いのではと思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、『マスク依存症の方にとってマスクを外す行為は簡単なことではありません。』
マスク依存症になる背景には醜形恐怖症や対人恐怖症などの社会不安障害が挙げられます。
今回は、
- マスク依存症の背景
- 行動パターンや特徴
- 依存症の克服方法
について紹介します。
常にマスクがかかせなくなっているあなた。マスク依存症に当てはまるかもしれません。
お好きなところからどうぞ
マスク依存症って何?
アルコール依存症、タバコ依存症などはよく聞きますが『マスク依存症』という言葉は最近出始めた言葉かもしれません。
なんとなく意味は分かるけど、マスクは誰でも使うもので体に毒もないので、どこからが依存症になるのかが知りたいですよね。
マスク依存症とは、大まかにはどういう事なのかを見てみましょう。
マスク依存症とは、名前のとおり『マスクが常に手放せない』ことです。
大抵の人は、誰かと会う時は風邪でも引いていない限りマスクはつけませんね。
しかし、マスク依存症の人は自分の顔にコンプレックスがあったり、コミュニケーション能力に不安があるなどの理由で、
人と話す時もマスクなしではいられません。
マスク依存症の人にとって、マスクは自分を守るためのお守りのような存在です。
そのため、毎日身に着けていないと不安になってしまうのです。
マスク依存症の背景とは?
じつは、マスク依存症を引き起こすキッカケになっているのは『社会不安障害』だといわれています。
社会不安障害とは、特定の事柄に対して、異常なほど強い精神的苦痛を感じてしまう症状のことです。
ストレスの多い現代人は、社会不安障害をもつ人が増えているそうです。
マスク依存の理由となる、おもな社会不安障害は3つあります。
マスク依存となる主な3つの社会不安障害とは?

醜形恐怖症
『自分の容姿を異常に醜い』とおもい、日常生活に支障をきたすほどの精神的な苦痛を感じてしまう疾患のことです。
自己肯定感が低く、自分に自信がない人にあらわれやすい症状です。
醜形恐怖症の発症は、16、17歳の思春期が多く、理想の自分とのギャップにおちこみ劣等感を抱いてしまうようです。
また美に対する意識が強い人、完璧主義な人に多くみられる症状で、自覚がほとんどないのが特徴です。
対人恐怖症
『他人といることに不安を覚え』、顔が赤くなったり、逃げ出したくなったりする症状です。
現在、対人恐怖症は10人に1、2人はいるといわれるほどです。
発症は思春期ごろが多く、10〜30代女性に多くみられる症状です。
自己臭恐怖症
『自身の口臭や体臭などが過度に気になり』、周りに嫌がられていると思い込むという症状です。
マスク依存症の人の5つの行動パターンとは?

ここでは、マスク依存症の人の具体的な行動パターンについてご紹介していきたいと思います。
あなたは以下の項目で何個当てはまるか確認してみましょう。
1.お風呂以外はマスク着用
マスク依存症の人は、とにかく『自分の顔を誰かに見られることに対して恐怖』を感じます。
お風呂などどうしても外さないといけない時以外はマスクを着用します。
それ以外は、例えばスポーツをしてどんなに口元が蒸れてきても絶対に外しません。
1日の中でお風呂に入っている時間だけが自然体でいられる唯一の時間なのです。
2.マスクをすると安心する
マスクを着用していれば外出も普通に出来るし、誰かとの会話も恥ずかしくないです。
しかし、マスクがないと人が変わったかのように大人しくなってしまいます。
マスク依存症の人にとって、マスクは自分を前向きで明るくしてくれる魔法の道具なのです。
3.人との接触を避けるためにマスク着用
マスク依存症の人は、基本的に『人とのコミュニケーションが苦手な人』が多いです。
外出先で誰かと会った時に、話し掛けられるのを避けたいと感じています。
マスクをしておけば相手に気付かれにくいだろう、見知らぬ人が突然声をかけてくる心配もないだろうという思いがあります。
そのため、常にマスクをしていないと不安なのです。
4.夏でもマスクが欠かせない
夏の蒸し暑い時でさえもマスク依存症の人はマスクなしではいられません。
夏は海で遊んだりと開放的な気持ちになる季節ではありますが、そんな時でもマスクを絶対に手放せません。
夏のレジャーでは例えば海に潜るなど他の人が出来ることもマスク依存症の方には制限がかかってしまうこともあるでしょう。
5.マスク無しでの写真はNG
マスク依存症の人は、写真撮影の時もマスクがないと不安で仕方ありません。
SNSに自撮り写真を投稿する時も、他の人が自分の顔を見てどう思うかが不安です。
そのため、いつもマスクで顔を覆った画像を投稿します。
マスク依存症になりやすい人の4つの特徴
マスク依存症の人の行動パターンには当てはまらなかったという人も、予備軍の可能性があります。
これからご紹介する項目に思い当たるふしがあるなら、マスク依存症になりやすいと思っておきましょう。
1.SNSに投稿する写真は何度も撮り直し
facebook、twitter、インスタなどのSNSに自撮り写真を投稿する人はよくいますね。
しかし、自分の顔を気にして何度も撮り直しをしている人は『隠れマスク依存症』の可能性が高そうです。
何度も撮り直すということは、自分が他人から綺麗、かわいいと思われたいという思いの表れです。
何度も取り直す行為は本当の自分の顔を受け入れられないといった理由が考えられます。
もちろん、写真映りは良くなりたいと思うことは自然なことですし、
自分が綺麗に見える角度の研究をする事はおかしいことではありません。
しかし、写真1枚投稿するのに相当な時間を費やす人は、マスク依存症の人の特徴ととても似ています。
2.誰かと食事をするのが嫌
食事の時に、食べ方や食べる時の表情を相手に見られるのが嫌という人もマスク依存症に近いでしょう。
正面に座わって自分の顔を見られている時に被害妄想が働いてしまうのです。
あなたは食事の時に、相手の方に顔を向けられない、ずっと下を向いて目線を会せないなんてことはありませんか?
3.鏡で自分の顔をよく見る
女性は特に、鏡で自分の顔を見てメイクの研究などをするとは思います。
しかし、それが行き過ぎて常に自分の顔をチェックしていないと気が済まないとか、見るたびに『どうしてこんな顔なんだろう』
と自己嫌悪に陥っているのであれば、それは自分の顔に対してネガティブな感情を持っているということです。
鏡はよく見るけど、自分の顔、ファッションが好きなどポジティブな気持ちで見ているのであれば、
それはただ自分好きということだと思うので問題はないでしょう。
4.他人の顔のパーツが気になる
可愛いモデルさん、綺麗な女優さんに憧れて近づこうとする気持ちは、女子力を上げるという意味でとても大切なことです。
しかし、『彼女は鼻がこんなに高いのに、どうして私は低いの?』など、自分にはないものを持っている事に対して劣等感やネガティブな感情があるなら、自信がない気持ちの裏返しと考えられます。
結果的に自分の顔を見せたくないマスク依存症に陥る可能性が高いと言えるでしょう。
マスク依存症は治る?治し方は?

マスクを毎日肌身離さずつけるというのは、なかなか大変なことです。
常に口周辺がこもり呼吸もしにくくなってきます。
出来ればマスク依存を卒業して、自然な状態に戻りたいと思っている人も少なくないと思います。
なので、最後にマスク依存から抜け出すためのヒントをここではご紹介します!
マスクの回数を減らす
まずマスク依存症を治そうと決意した時に、一気に治そうとするのは精神的にも負担になります。
自分の中でこの時は外しても大丈夫かもと思える瞬間をまずはひとつ見つけて、
そこから『徐々に外せるタイミングを増やしていきましょう。』
力を抜いて受け入れる
マスクで顔を隠したい気持ちの根底には、何かしらのコンプレックスがある場合がほとんどです。
ある事が原因で自分の顔に自信を持てなくなってしまったのかもしれません。
誰にだって自分の顔や体で嫌な部分はあるものです。
今はコンプレックスの塊かもしれませんが、違う角度から自分を見てみればそれが魅力にもなるはずです。
他の人からしてみれば、あなたのコンプレックスが羨ましいと感じる事でもあるのです。
なので頑なに自分の顔が嫌!と拒否せずにありのままの自分を受け入れましょう。
医師の指示を仰ぐ
マスク依存症は、『心の状態が不安定であることと深い関係』があります。
他人がマスクを外すなんて簡単すぎると思っても、本人からしてみれば外すまでには相当な努力が必要だったりします。
1人で全部何とかしようとするとまた不安が押し寄せてきたり心のバランスが不安定になってしまう可能性もあります。
そんな時には我慢せずに診療内科やカウンセリング専門のお医者さんに診断してもらいましょう。
【手放せない】理由はないけど外せない…

季節折々の疾患予防や対策、あるいは無邪気な遊び心などの明確な理由はなく、むしろ傍目には「無意味な着用」とも映るようなマスク愛用者。
いや、日常生活全般でマスクが手放せない、着けていないと落ち着かないという人々の増殖ぶりをそう名付けたのです。
昔から社交不安障害(=対人恐怖症)や醜形恐怖症(自意識過剰の表裏)などの内面事情から極力マスクを外さないため、周囲から『変わり者』とか『付き合い辛い』とかの先入観を抱かれて損するタイプの人はいました。
しかし、昨今話題のマスク依存症と思しき該当者の場合はどうやら、他人からの誤解や先入観をむしろ歓待している節さえ見られるような印象を受けます。
要は極力、他人と接しないで済ますためのマスク(依存)なのだ。
『目は口ほどに』云々の譬えを出すまでもなく、ヒトとヒト同士が言語以外で意思疎通を図る場合は、互いの目や口元の表情で忖度します。
空気を読む日本人同士ならば尚更ではないでしょうか。
「Not only look but see.」と「Not only know but feel.」
が、マスク依存症の人々はこれを忌避し、喜怒哀楽を示す表情や初対面の印象をなるべく消して、親睦や交流面ではマイナス要素以外の何ものでもないリスクも厭わないかのようです。
さすがに就活の面接場面でも外さない人はいないと考えれますが、社交の場でも季節外れの意固地な着用を貫くようでは変人扱いを免れないでしょうw
そもそも一日中マスクを外さないのでは、既知の周囲もコンプレックスの質や複雑な内面事情を推し量れません。
悪循環に想えるが、当人の目的自体が達成されているからむしろいいのか!?
入浴や就寝時以外は外さない、家族の前でも外さない、外出時に着用しないと不安で仕方がない、冬場以外も手放せない、記念撮影時も頑なに着けている、等々……。
そんな傾向が見られれば立派に『マスク依存症』です。
口臭を気にして以来マスクを外せなくなったという依存理由も解らぬではないが、本質のはき違えではないのか。
極力他人と話したくないとかの、いわば本音のカムフラージュ効果も少なくはないのだろうが問題視されて関係が拗れるほうがよっぽどわずらわしいのではないでしょうか。
社交不安障害の治療には通常、エクスポージャー法と呼ばれる心理療法が施されます。
SMAPメンバーで高所恐怖症の稲垣吾郎さんがTV番組の収録で高さ20m×全長445mのワイヤー上を滑車で滑り落ちるという企画のNEWSをお伝えした際にも紹介しました。
これは体験活動の新理論(exposure)を下敷きとし、現実を「見るだけ」ではなく「見極める」(Not only look but see.)、現実を「知るのみ」でなく「全身で感じる」(Not only know but feel.)。
つまり、あくまでも主体的判断を重視する体験理論です。
一般社会に置き換えれば、単に『マスクを外す』に止まらず、自身が不得手(逃げたい)と思い込んでいる場面に敢えて挑む(挑ませる)。
社内でのクレーム対応や取引先との交渉事、会議でのプレゼンや苦手な上司との交流などが考えられ、いずれも『しっかりと相手の顔を見て臨む』勇気が問われ、その積み重ねでマスク依存から脱しようという試みなんです。
まとめ

あなたはマスク依存症という言葉を聞いたことがありましたか。
今回は、マスク依存症の背景、行動パターンや特徴、依存症の克服方法について紹介しました。
あなたにとって大切な人もマスク依存症に悩まされているかもしれません。
マスク依存症の方にとって、マスクを外すという行為は精神的苦痛を味わいます。
そんな時は傍に寄り添い、少しずつ時間をかけて『マスクを外せる時間を一緒に』考えてみて下さいね。
マスクを年中つけているような人を、そういえば時々見かける事があります。マスクをかけると口元が隠れて自分の顔が良く見えますね。
何かにつけてマスクは必要な時がありますよね。ほこりがたくさん出る場所の掃除にも、マスクがあると便利です。急に風邪を引いたときにも要りますよね。