カカオは、美容に良い、健康にも良いといわれています。
その効果はどのくらいあるのか。
そして、どの程度のカカオで美容に効果が出るのか、また健康に効果が現れるのか知りたいところです。
適量はどのくらいなのか探ってみます。
チョコレートブーム再来?!

中でも数年前から美と健康に良いと評判なのが、カカオの含有量が70%以上の『ハイカカオチョコレート』です。
ハイカカオチョコレート7つの効果
美肌効果
カカオポリフェノールには『抗酸化作用』があります。
- 体内の活性酸素を除去
- シミやしわなど肌の老化を抑制
- 紫外線による肌のダメージを修復
する働きもあります。
動脈硬化の予防
カカオチョコレートの抗酸化力は、動脈硬化の活性酸素によるコレステロールの酸化抑制します。
血圧の低下
カカオポリフェノールは血管を広げて血圧を下げる効果があります。
疲労回復効果
テオブロミンはカカオ豆に含まれている苦味成分のもとです。
その苦味成分が血行を良くし、自律神経を調節して疲労回復を促します。
ストレスの予防・緩和
カカオポリフェノールが血中のストレスホルモン分泌を抑える働きがあり、日常的にチョコレートを食べることで抗ストレス効果が期待できます。
便秘の改善
カカオに含まれる食物繊維は不溶性でリグニンと呼ばれます。
食物繊維は腸内に溜まった老廃物を排出して腸内環境を整えてくれます。
アレルギーの改善
カカオポリフェノールが活性酸素を生み出す因子の働きを抑制します。
このように、ハイカカオチョコレートに含まれる成分が効果的に働いています。
美意識の高いモデルやタレントがハイカカオチョコレートの効果をブログやバラエティー番組で喧伝することで一躍人気商品になりました。
チョコレートを食べるだけの効果?

本当にそんな効果のある食べ物なのか?
食べるだけでダイエットができ、健康にもなる?
スイスの有名チョコレートブランド『リンツ』が、『エクセレンス70%カカオ』を中心に、
ハイカカオのダークチョコレート群
- 70%
- 85%
- 90%
- 99%
を発売したのが1989年です。
これがハイカカオチョコレートの草分け的存在といわれています。
手に入りやすくなった ハイカカオチョコレート
最近は大手製菓メーカーなどもこぞって商品を作っているので、近所のスーパーやコンビニなどでもすぐに手に取ることが出来るようになりました。
- 『明治 チョコレート効果』(カカオ72%、カカオ86%、カカオ95%)、
- 『森永 カレ・ド・ショコラ カカオ70』
などの商品のパッケージを見る限りでは、『ちょっとビターなチョコ』程度のイメージしかありません。
しかし、実際食べてみると、あまりにも苦くチョコレートとは程遠い別の食べ物と感じられます。
そもそも チョコレートって?
チョコレートの語源は、メキシコインディオの『ショコラトール』、つまり『苦い水』であるというが、猛烈に納得させられます。
この苦味こそが、カカオの主成分である『テオブロミン』です。
自然界にはほぼカカオにしか含まれていないのです。
テオブロミンは
- 血管や気管支を拡張し血流や代謝を高める働き
- 利尿作用の促進
- 脂肪分解作用
などによってダイエットにも効果があると言われています。
他にも、カカオに多く含まれるポリフェノールによる
- 動脈硬化の予防
- 肌の老化の原因となる活性酸素
を取り除く効果もあります。
新機能成分『カカオプロテイン』の抽出
平成27年12月には株式会社明治と帝京大学の共同研究により、カカオ由来の新しい機能性成分『カカオプロテイン』の抽出に世界で初めて成功しています。
カカオプロテインは難消化性たんぱく質(レジスタントプロテイン)と呼ばれるたんぱく質のことです。
これは小腸で吸収されず大腸に届くため、
腸内細菌の餌となり腸内フローラを変化させ、継続的に摂取することにより便通が改善されることが確認されました。
まさに、美と健康にうってつけの食材です。
【注意点】ハイカカオチョコレートは1日25g?
では、ハイカカオチョコレートを毎日たくさん摂っていれば、肌もツヤツヤ、便通や血行もよく、ストレスにも負けない丈夫な美ボディが出来上がるのでは?
と勘違いをしてはいけません。
そんな万能食品であれば、とうの昔から誰もが毎日食べているはずではないですか?
その効果のスゴさを知っても、食べ過ぎてしまってはよくありません。
ポリフェノールを基準の目安に考えて、高カカオチョコレートは1日25gの目安が良いとの見解なのです。
ポリフェノールの摂取目安を基準に調べてみると、ポリフェノールの理想的な摂取量は1日約1500mgということでした。
どのくらいの量を食べてもよいのか計算してみました。
(明治チョコレート参照)
- カカオ95%チョコレート 1粒 142mg 約10.5粒
- カカオ86%チョコレート 1粒 136mg 約11粒
- カカオ72%チョコレート 1粒 127mg 約12粒
という結果になりました。
健康を害する成分も?

たしかに、テオブロミンには脂肪を分解する作用があり、さらにポリフェノールはそれを補助する役目を持っていて、ダイエットにさぞかし向きそうではあります。
ところがカカオ自体が実はかなり脂質の高い食品なのです。
ハイカカオチョコレートは、普通のチョコレートに比べ、1.2~1.5倍の脂質が含まれ、カロリーも高くなっています。
カカオプロテインの研究でも、便通の改善は認められたが、体重の減少の効果は確認できませんでした。
ダイエット効果もそれほどではないようです。
カドミウムやニッケルの含有に注意
さらに、健康にすぐに害を及ぼす量ではないが、カカオにはカドミウムやニッケルなどの金属が含まれていることがあります。
カドミウムの場合、産地の土壌の状態によってその含有量に差があるが、長期間にわたり大量に摂取することは控えたほうが良いでしょう。
ニッケルは、(独)国民生活センターによるカカオ分70%以上の高カカオチョコレート12銘柄の調査で、普通のチョコレートの1.9~3.8倍含まれていました。
ニッケルは、金属アレルギー物質として非常に多くの症例報告があるだけに注意したいところです。
アフラトキシン
さらに、残留農薬やカビ毒の一種であるアフラトキシンが、チョコレートの原材料である生鮮カカオ豆から検出され、積戻しや廃棄処分となっているとの報告もあるといいます。(同センター)
ハイカカオチョコレート過剰摂取は要注意
普通のチョコレートなら大丈夫な人も、カカオを多く含むハイカカオチョコレートの場合、やはり過剰な摂取には注意が必要です。
嗜好品として食べる分量ではさほど問題がないが、“ハイカカオチョコレート・ダイエット”などと言い出して過剰摂取による事故が起きないかが心配です。
日本人平均摂取量
『日本チョコレート・ココア協会』は、こうした指摘に対して、日本人1人当たりの年間チョコレート消費量は2.2kgであり、欧米の1/3~1/5程度である、としています。
つまり、日本では過剰摂取を心配するには当たらないと主張する。だが、問題は統計ではなく、効果を妄信する個人なのではないでしょうか?
どうやら“バレンタインはハイカカオチョコで愛と健康を贈る”は成立しないようです。
ま と め

カカオが美容と健康に効果的です。
とは言うものの『とりすぎはダメですよ!』
日本人のチョコレート摂取量は、欧米との比較では全然少ないようですが、身体の大きさや食生活などを考えると、そうなのかなと言う疑問符がでてきます。
毎日、これだけのカカオを摂取して美容と健康に効果的といわれていますし、お菓子メーカーも自信を持った商品説明をしているようです。
健全な身体は、適量で守られているのです。
美味しいからと言って、食べ過ぎには注意したいですね。
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