昨年11月、性病の予防・早期発見のために
厚生労働省は、美少女戦士セーラームーンを起用したポスターを作成しました。
『検査しないとおしおきよ!』を発表して、話題を呼んだと聞いています。
最近は、フェラなど口を使ったオーラルセックスを楽しんでいる人は多いですね。
厚生労働省の調査によると、エッチの際の7割以上でオーラルセックスをやっているそうです。
しかし、この『オーラルセックスによる性感染症』の増殖も問題になっているんです。
この『オーラルセックスによる性感染症』を、抑える事ができる効果的な方法はないのでしょうか?
そして、この問題に対する予防について
検証・研究が、オーストラリアの研究チームによって行われました。
研究チームの発表によると
なんと、市販の洗口液『リステリン』がオーラルセックスによる性病の予防に効果があるらしいのです!
日頃、日常生活で使っている『リステリン』が
あなたとあなたのパートナーを、性病から守ってくれるなんて
びっくりぽんや!
お好きなところからどうぞ
本当に性病は口では感染しない?

出典:https://www.pexels.com
国立感染症研究所の調べでは
昨年(2016年)7月3日時点で、全国の『梅毒』患者数はなんと2019人にもなっています。
たった半年間で、2000人突破の急増ぶりは問題ですね。
また、『梅毒』患者数は
一昨年(2015年)の実績(2600人)の内で、76%を占めていたんです。
そして、もうひとつの特徴として
『20代前半の女性感染者』が前年期同期比で2.7倍の増加が著しいという結果がでています!
この特徴の要因として、オーラルセックスによる性感染症の増殖があげられます。
オーラルセックスについて、国がおこなった国民性行動調査によると
なんと、『Yes』と回答した人は18~24歳の若い人たちの間では約8割に及ぶんです。
今、若い人たちの間には
『オーラルセックスであれば、性感染症には感染しない』と言う誤った認識・思い込みがあるという証拠なんです!
本当は危険なオーラルセックス!
性器にあきらかに症状が見えるようであれば、オーラルセックスをする人はいませんよね。
電気を消している等で見えない場合・症状がわずかで感染の自覚のない場合は
なんの警戒もせずに、オーラルセックスをしてしまうでしょうね。
オーラルセックスの場合、どんな危険性があるんでしょう?
オーラルセックスの危険性:
- 性器にある性感染症の原因の細菌やウイルスが口やのどに感染。
- 感染した口で、また別の人とセックスした場合は性器も感染する。
- オーラルサービスをする風俗店では、咽頭淋菌感染症・咽頭クラミジアの保有率は極めて高い。
- オーラルセックスは、性感染症の最大の兵器。
- 口腔内の感染は、症状が無いことが多い。
このような危険性の上に、不特定・多数のパートナーとの場合では
さらに感染確率が高くなることは明らかでしょう。
繰り返すようですが
口腔内の感染は、症状が無いことが多いために感染拡大の大きな原因にもなっています。
ちなみに、性器に性感染症が見受けられた人にたいして調査をした結果
- 咽頭淋菌感染率:30%
- 咽頭クラミジア感染率:20~30%
上記のように、口の中にも同様の菌が認められています。
では、オーラルセックスによって
主にどんな性感染症に感染してしまうんでしょうか?
オーラルセックスにより感染しやすい性感染症:(男性の場合)
- 淋病:非常に感染しやすい。
- クラミジア:感染しやすい。
- 雑菌性尿道炎:感染しやすい。
- 亀頭包皮炎(カンジダ):感染する事がある。
- 性器ヘルペス:感染しやすい。
- 梅毒:感染する事がある。
- HIV/エイズ:ほぼ感染しない。但し要注意!
オーラルセックスにより感染しやすい性感染症:(女性の場合)
- 淋菌:非常に感染しやすい。
- クラミジア:感染しやすい。
- 口唇ヘルペス:感染することがある。
- 梅毒:感染しやすい。
- HIV/エイズ:感染する可能性もある。
梅毒は、唾液・精液などの体液にも潜んでいます。
女性の場合は、言うまでもありませんが
男性の場合、女性の唾液に含まれていた場合に包皮から感染する事があるんです。
HIV/エイズも同様に、精液・血液などの体液に潜んでいます。
従って、やはり感染の可能性はあります。
- 女性:オーラルセックスによっても感染しやすい。
- 男性:口の中に出血しているような傷がある場合、包皮の表面の小さな傷から血液中のHIVが感染する。
男性の場合は
相手の口からわずかな出血があり、なおかつ男性器の表面に傷がある場合です。
そのような意味では、やはり要注意です!
男性も女性も
オーラルセックスは、充分に危険である事を再認識してほしいものです。
特に、女性の場合は
口腔内で感染した場合、ほとんどと言っていいほど症状が無いことが問題なんです。
女性の『感染に気づかなかった』が怖すぎる

出典:http://gratisography.com
オーラルセックスにより、感染しやすい性感染症としては
代表的なものが『淋病』・『クラミジア』でしょう。
患者数は1984年をピークに減少しましたが、1995年を境に再び増加傾向に転じています。
特に女性の場合は
症状の軽さから、感染に無自覚の場合・まるで症状が出ない場合も多いので要注意です。
症状が無い恐怖
- 性器クラミジア感染症。
- 淋菌感染症。
- 性器ヘルペス。
これらの感染症は女性が感染しても、ほとんど自覚症状ありません。
女性の淋菌感染症が男性に感染する事により
男性が激しい症状を訴え、その時にはじめて感染がわかる場合もあるほどなんです!
性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスによる感染症ですが
一度感染すると、ヘルペスのウイルスを完全に取り除くことはできません。
現代の医学では、まだ完全に取り除くことができないんです。
バルトレックスなどの薬を使って症状を抑えることはできますが、再発性は残るという事になります。
そういう意味では、ヘルペスは梅毒とは違った恐ろしい感染症と言えます。
これらの性感染症を放置してしまった場合:
- 子宮頸部・子宮内膜・卵管を経由して、腹腔内(おなかの内部、臓器があるところ)に至ることがある。
- 子宮内膜炎・卵管炎などを起こす。
- やがて不妊につながる可能性がある。
これらのような、重病に至る危険性があります!
また、不妊症のような取り返しのつかない事になる場合さえあります!
また、淋病の場合
男女層いずれもが、約20~30%の確率でクラミジアと複合感染している事も少なくありません。
女性の場合は
やはり、パートナーである男性(場合により女性?)の協力も必要でしょう。
パートナーの人は、行動を慎みましょうね。
では、これらの感染症を予防する手立ては無いのでしょうか?
もう、コンドームをする以外にないのでしょうか?
140年前から主張されていたリステリンの効果は?

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今、性感染症が若い人達にも増えています。
若い人たちの間に、増えている原因のひとつとして
『全世界的なコンドームの使用率の減少』も挙げられるんです。
実は、我が国日本でも同様にコンドームの使用率が減少しています。
コンドームの使用率の減少:日本での理由
- ナマ至上主義
- セックスの方法の多様化:オーラルセックス他
- 少子化
- 団塊世代の高齢化
- 草食系男子
- セックスレスカップルの増加
特に日本では、『ナマ至上主義』が大きな障害になっているとも言われています。
また、若い人たちのセックスの方法も多様化しており
オーラルセックスを、日常的に行う若いカップルが増えている事も挙げられます。
これらの背景により、『オーラルセックスなら、生でも大丈夫!』と言う思い込みが広がったのかも知れません。
オーストラリアの研究チームが行った検証
海外でも
多くの国で、オーラルセックス等により男性陣の淋病罹患率が上昇しています。
その男性陣の大多数が、同性愛・両性愛者の男性である事も判明しているんです。
同性愛者・両性愛者の男性の間で、淋病の感染水準が上昇傾向にあることへの懸念に後押しされて
オーストラリアの研究チームが、今回この検証を行うことになった訳です。
1879年当時、抗生物質が登場する以前は
口内洗浄液の『リステリン(Listerine)』は、淋菌(りんきん)感染症(淋病)治療薬として販売されていました。
『リステリンは淋病を治す』とメーカーがうたっていたにもかかわらず
その主張を、検証した科学的研究はこれまで発表されていなかったんです。
そこで研究チームは、その主張を科学的な方法で検証しました。
この検証・研究の結果を英医学誌『性感染症(Sexually Transmitted Infections)』に発表しています。
結論から言えば、『リステリン』は
- 実験室のペトリ皿内の淋菌
- 感染者の喉に存在する淋菌
上記の、どちらの淋菌も殺したと言われています。
検証の方法:
研究チームでは、同性愛・両性愛者の男性陣58人を臨床試験対象に選びました。
実験に使用した商品:
- アルコール濃度21.6%
- 市販口内洗浄液『リステリン』の2種(クールミント&トータルケア」)
臨床試験対象の条件:
- 口腔・咽頭の淋菌が『陽性』と診断された者
- 同性愛者・両性愛者である事
検証・実験内容:
- 無作為の2班に振り分ける。
- 片方は、リステリンで1分間口をゆすぎ・うがいを試みさせる。
- もう一方の班は、食塩水で同じく1分間の口内洗浄を行わせる。
検証・実験の結果:
洗浄直後も生存している淋菌は
- 『リステリン組』で52%
- 『食塩水組』で84%
上記のように、これだけの差がでたんです。
さらに、5分経過後の双方比較では
なんと、リステリン使用班のほうが食塩水使用班よりも、
『咽頭の淋菌検査上、陽性になる可能性が80%も低い。』と言う、素晴らしい結果がでたんです。
これらの結果、研究チームは
『2種類のリステリンが淋菌を低減し、生理用食塩水では低減しなかった。』と結論付けています。
確かにリステリンは、性感染症の予防という意味では大変有効な手段のようですね。
しかし、完全に淋菌を死滅できると言う訳ではありませんよ。
どうか、そこの所を理解しておいてくださいね。
生でのオーラルセックスは危険!?

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オーラルセックスを『生』でやると
- 口や喉の粘膜や傷口に性器や精液が接触する。
- 粘膜自体が傷つく。
これらの理由により、どうしても性病の感染リスクが高くなってしまいます。
やはり
フェラの時もコンドームを使うことが、最も効果的・最も確実な方法です!
最近のコンドームは
無味無臭のもの・極薄でフェラの時に着けていても違和感が少ないものなどの、いろいろな製品があります。
オーラルセックスの際にコンドームを使うときの注意
- 品質のよいコンドームを選ぶ。
- コンドームにキズを付けないように注意。
- 裏表を間違えない。
- 口に挿入する前から、口から完全に抜き切るまで着けておく。
- 射精後は、精液が漏れないよう根元を掴んでから抜く。
- 途中で破けて口の中で精液が漏れたら、すぐにゆすいで洗い流す。
『生』でフェラをしてしまった場合・コンドームが破けて口の中で射精を受けたりした場合は
速やかに『リステリン』を使って、うがい(口の中をゆすぐ)をしましょうね!
また
人によっては、消毒薬の『イソジン』を使っている人もいるようです。
消毒薬の『イソジン』はどうなの?
- 粘膜や皮膚の殺菌、消毒作用は認められている。
- クラミジア・淋病といった性病のウイルスに対する効果ははっきりしていない。
これらの理由により
消毒薬の『イソジン』を使ってうがいしても、性病予防に効果はないという意見もあります。
しかし
実際には、『イソジン』は風俗業の現場でも広く使用されています。
なので、使わないよりは、使った方がよいでしょう。
『イソジン』を使うときの注意
もし、『イソジン』を使う場合は下記の事に注意して下さいね。
- イソジンを使いすぎると、外からの刺激や有害物などから身体を守っている粘膜を壊す場合がある。
- 濃度や使用頻度には注意する。
粘膜を壊してしまうと、かえって性病に感染しやすい状態になってしまいますよ。
ご注意を!
まとめ

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オーラルセックスも、愛を交わす一つの手段です。
しかし、安易なオーラルセックスは、性病をあなたのパートナーに移してしまうリスクがあるんです!
日本の若者に蔓延する
『性病は口で感染しない』という認識は、間違いなく『都市伝説』でしょう。
そして今回の検証・研究により、『リステリン』は、性感染症を予防できる効果が確認できました。
この事は、一つの希望の光ですね。
しかし!
やはり基本的には、不特定多数との安易なセックスは避けるのが懸命でしょう。
エッチの相手を特定することが、性病予防にはとても有効です。
そして、お互いに検査をし性病に感染していないかどうかを確認しておくのがベストでしょう!
あなたとあなたの大事なパートナーのために!
ちなみに
口腔内の性感染症は、産婦人科だけでなく耳鼻咽喉科でも診察している医療機関もありますよ。
ご参考に!
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