『標準報酬月額』、普段、あまりに聞かない言葉ですよね!
毎月給料から引かれている、社会保険料の金額を計算して、決定するための決め方のベースになる項目のひとつなんですよ。
社会保険料は、この『標準報酬月額』に、保険料率をかけて計算されています。
毎月、給料から引かれている社会保険料ですが、いったい、どんなふうに計算されてるの?と疑問に思いますよね。
きちんと教えてもらってないので、よく分からないという方も多いと思います。
ちなみに、会社から支給される交通費も含まれるんですよ!
え?交通費も?とびっくりする人もいると思います。
これから、わかりやすく説明していきましょう。
お好きなところからどうぞ
知っておきたい標準報酬月額のルール4つの基礎知識

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汗水たらして働いてるあなたの毎月の給料の中から、
いろいろな名目で差し引かれる控除。。。
その控除の中に、社会保険料も入っていますよね。
あなた自身とあなたの扶養家族を守ってくれる健康保険や、老後の生活保障となる厚生年金にかかわる大事なものなのです。
『標準報酬月額』って何?
健康保険や厚生年金関係で、納める保険料の額を決定したり、年金受給額を決定したりする時に計算の元として、必要になるものが『標準報酬月額』なんですよ。
あなたの報酬の月額を等級で表し、社会保険料や保険給付額を、決めるための基準になる金額なんです。
標準報酬月額は4月~6月の3ヶ月間の平均額で算出し、その年の9月から翌年の8月までがその金額で固定されます。
したがって、実際に受け取る給与額と標準報酬月額は異なるんです。
給与の支給額が変わっても改定の届け出をしなければ、標準報酬月額は1年間変わらずにそのままという事になります。
具体的に言えば、標準報酬月額は、
次の3つのルールによって決められるんです!
- 『報酬』の範囲
- 計算に使われる期間
- 段階わけ
それぞれについて詳しく見ていきましょう!
『報酬』の範囲
標準報酬月額の基礎となる収入には、次のようなものが含まれるんですよ。
- 基本給
- 通勤手当
※通勤手当はひと月あたりの額に直して計算します。
- 各種手当(残業手当、家族手当、住宅手当など)
- 年4回以上の賞与
- 現物支給のものは金銭に換算して含む
※社宅寮や支給される食事、自社製品なども、、
ざっくり言ってしまえば、毎月コンスタントに得ているものは、ほとんど全部が『報酬』として扱われるということなんです!
通勤費は必要経費でしょう!社宅も関係あるの?と言いたいですよね。
と思われるかもしれませんが、そういう『ルール(法律)』なんですよ。
通勤交通費は税務上は収入に加えませんが、社会保険料の算定においては加算されることになります。
その結果、標準報酬月額も高くなります。
遠距離通勤をしていて、通勤費を多くもらっている人は、それだけ報酬を多くもらっているとみなされるようですね!
計算に使われる期間
標準報酬月額は毎年4月から6月の報酬を参考に決められます。
そして、決定した標準報酬月額は、その年の9月から次の年の8月まで固定されます。
これを『定時決定』といいます。
定時決定で一度決まった標準報酬月額でも給与の増減に合わせて、
『随時決定』がされます。
昇給や降給により、支払われる報酬月額が大幅に変動した場合に、事業主からの届出に基づいて標準報酬月額を改定します。
これには条件があり、下記の内容を満たせば、4か月目から額が見直されます。
- 固定給が変わった(例:基本給の増減、新たに手当てが付いた。等、)
- 最近3か月の標準報酬月額が、現在の額と2等級以上の差が出た。
次に等級とは?ということについては、次に説明しましょうね!
段階わけ
標準報酬月額とは、事務処理を効率よくするために取り入れられた考え方です。
そのため金額に応じて段階わけがされており、これを『等級』といいます。
- 健康保険、労災保険、介護保険は47等級まで。
- 厚生年金は30等級まで。
3か月間の平均額を計算した後に、その額を等級の範囲に当てはめます。
例:『3か月の報酬の平均額が21万円以上23万円未満の人は、年金でいうと、
14等級、それ以外でいうと18等級に当たります。』
それぞれの等級には、基準額(だいたい真ん中の額)が用意されており、
これがすなわち『標準報酬月額』となるんですよ!
自分の段階わけを知りたいかたは、お勤めの会社の総務担当に、聞いてみるといいでしょう。
そして、この標準報酬月額が上がると、それに伴って社会保険料も上がります!
という事は、毎月、お給料から控除、天引きされる額も増えていきます。
え?うそ!と思う人も多いでしょうね。汗
いつの時代も税金の悩みは尽きないところですが、逆に、『標準報酬月額』が上がる事によるメリットもあるようですね・・・!?
いざというときに関係する2つの手当ても

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『標準報酬月額』は、社会保険料だけの目安ではありません!
いざというときの手当てに関しても使われます。
『標準報酬月額』が多いと、これらの手当ても多くもらえるというワケです。
簡単にご紹介しましょう!
傷病手当金
業務上や、通勤途中のケガや病気で働けず、給料が出ない場合に、支給されるお金です。
最近多くなっている躁鬱病も業務上と認められた場合には、支給されます。
連続して3日以上会社を休んだ場合、4日目から支給されます。
標準報酬月額を30で割った標準報酬日額2/3が1日につき支払われます。
出産手当金
出産のため会社を休み、給料が出ない場合に支給されるお金です。
出産日以前42日から出産後56日のあいだ、1日につき標準報酬日額の2/3が支払われます。
社会保険料の天引きは、なんとなく損をしたような感覚を受けますね。
でも、いざというときに、こうやって返ってくると考えると、標準報酬月額が上がったても、その分、保障が多くもらえるとなれば、
そんなにがっかりしなくてもいいでしょうね!
まとめ

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おさらいで、『標準報酬月額』について、まとめてみましょう!
『標準報酬月額』とはなんでしょう!
- 社会保険料や、各種手当てを計算するもとになる数字。
- 毎月コンスタントに得るものはすべて「報酬」となる。(交通費も含まれます。)
定時決定
原則として、毎年4月から6月の報酬の平均額を等級に当てはめて決める。
決定した標準報酬月額は、その年の9月から次の年の8月まで固定される。
随時決定
下記の場合のように、報酬の増減に合わせて調整ができる!
- 固定給が変わった。
- 最近3か月の標準報酬月額が、現在の額と2等級以上の差が出た。
※『標準報酬月額』が多くなってしまった場合、いざというときの保障が多く
もらえるメリットも生じる。
社会保険をはじめとした国の制度は、仕組みが複雑だったり、言葉が難しかったりして、何かと敬遠してしまいますよね。
しかし、しっかりと決め方などを理解しておく事で、いざという時に利用できる時もあります!
年金や税金についても知識があると、生活の計画を立てやすくなりますよ!
民間の保険では補えない部分もたくさんあります。
正しく理解して、最大限に活用していきましょう。
ある意味、正社員、パート社員にかかわらず、会社に勤めている人にとっては必須の知識でしょうね!
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