干し柿のダイエット効果は?太りやすい原因とデトックス効果の真相とは

干し柿のダイエット効果は?太りやすい原因とデトックス効果の真相とは

柿には様々な栄養が含まれており、ダイエットやデトックス効果が期待できるという話を聞きます。

しかし、干し柿は実はダイエットには不向きで逆に太ってしまうということなのです。

干し柿にダイエット効果がないというのはどのような理由からなのでしょうか。

近年のダイエット方法

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近年、世間では『糖質制限ダイエット』なるものが流行しています。

文字通り『糖質』の摂取量を制限して行うダイエット方法です。

糖質が含まれる食べ物というとお菓子や果物などを想像しがちだが、ご飯やパン、麺類などの炭水化物にも糖質が含まれているのです。

そもそも『糖(とう)』とは、多価アルコールの最初の酸化生成物です。

一般的には炭水化物(糖質)と同義とされることが多いが、厳密には糖は炭水化物より狭い概念です。

 

糖質化学や分子生物学などでは炭水化物の代わりに『糖質』ないしは『糖』と呼ぶ場合が多いのです。

一方、生化学では『炭水化物』と称するが、徐々に『糖質』と表現することが多くなってきています。

栄養学では炭水化物のうち、ヒトが消化できない『食物繊維』を除いたものが『糖質』と呼ばれるが、単に糖質のみを指して『炭水化物』と称されることも少なくありません。

 

『ブドウ糖(グルコース)』と『果糖(フルクトース)』

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そんな『糖』の中でも、主役を演じる『ブドウ糖(グルコース)』と『果糖(フルクトース)』について、知っておくべき点を紹介しましょう。

蜂蜜はブドウ糖と果糖の混合物であり、白く固まる成分はブドウ糖です。

ショ糖(砂糖、すなわちブドウ糖と果糖が結合した二糖類)はほとんど含まれません。

ブドウ糖は、血液中を流れる糖質の主役的存在です。

糖尿病のときに問題となる『血糖値』は血液中のブドウ糖の濃度のことで、正常状態では100 mLあたり100mg(0.1g)前後に厳密に保たれているのです。

 

膵臓から分泌されるインスリンと呼ばれるホルモンが、余分なブドウ糖を細胞内に取り込ませる結果、血糖値が下がり、食後でも血糖値が厳密に保たれるようにできています。

インスリン不足が特徴である糖尿病では、血糖値が高くなり、その状態が長く続くと腎臓や網膜、そして末梢神経がおかされてしまうということです。

ちなみに、ブドウ糖は点滴に使われることは有名な話です。

血液と同じ浸透圧を保つために、5%ブドウ糖液が使われるのです(食塩の場合は0.9%液が等張液)。

 

ブドウ糖と果糖の代謝経路の違いをみてみよう

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ブドウ糖は、インスリンの作用で細胞内に取り込まれて、細胞活動のエネルギー源となります。

細胞内でブドウ糖が分解され、エネルギー化される過程は『解糖系』と称されます。

『解糖系』の過程では酸素は不要なので、無酸素運動で活躍する仕組みといえるのです。

解糖系の最終産物であるピルビン酸は、酸素を使ってエネルギー変換する『クエン酸回路』といわれる代謝経路に入ります。

もし、ピルビン酸が過剰になると、余ったエネルギーはアセチル-CoAという物質を経て、脂肪が合成されます。

 

急激な運動などで筋肉が酸素不足に陥ると、余ったピルビン酸は『乳酸』へ変換されて、疲れの原因となってしまいます。

エネルギー貯留のためのもう一つの仕組みは、ブドウ糖自体をグリコーゲンとしてため込む経路で、肝臓や骨格筋でとくによく発達しています。

グリコーゲンは必要なときに分解されて、ブドウ糖に変換されるというわけです。

一方、果糖は、肝細胞に特異的なフルクトキナーゼという酵素の作用で、『解糖系』を迂回する形で代謝され、最終的にピルビン酸が生成されます。

この過程は、血糖値やインスリンに左右されないため、大量に摂取された果糖は、必然的に『脂肪合成』へと向かうのです。

 

さらに、ピルビン酸キナーゼが活性化される結果、乳酸が蓄積し、尿酸代謝にも影響し、尿酸値が上昇します。

ラットにコレステロールを含まない高果糖食を与えると、肝での中性脂肪、さらにコレステロールの合成が促進されます。

つまり、栄養学的に果糖はブドウ糖と比べて『太りやすい糖』ということです。

『干し柿』が太りやすい理由がヤバい!?

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つまり、果糖をたくさん含む食材は、より太りやすいので注意が必要ということです。

果物の中では、『干し柿』は果糖成分がとびきり多いです(干し柿の白い粉はブドウ糖と果糖の結晶)。

肥満や痛風に干し柿はよくないですね。

ただし、果糖はアルコールの分解を助けるため、干し柿は『酔い覚まし』には効果があるとされています。

 

なお、生柿に含まれる糖の多くは『ショ糖(砂糖)』です。

運動前や運動中にブドウ糖を大量に摂取すると、脂肪燃焼が直ちに停止します(脂肪合成に向かう)。

骨格筋は脂肪とブドウ糖をともにエネルギー源とします。

ブドウ糖の大量摂取は、インスリン分泌が刺激されるためにブドウ糖の細胞内への移入が促進されるようです。

短距離走や運動の最初には、ブドウ糖の摂取は効果的ですね。

 

しかし、マラソンなどの持久運動やダイエット目的の有酸素運動には、脂肪の燃焼が求められます。

筋肉内に貯蓄されているグリコーゲンがエネルギー源としてまず利用されるが、まもなく貯蓄分はなくなってしまうので、よりエネルギー効率のよい脂肪燃焼が長距離走にはなくてはならないというわけですね。

たとえば、7%の糖質を含む『ポカリスエット』は、そのまま飲まずに、水か氷で希釈するのが現代のスポーツ指導者の常識なのだとか。

そのまま飲むと、結果的に誘発される低血糖の結果、やたらとお腹がすくだけで、持久運動にメリットが少ないそうです。

 

果糖は持久力向上に効果的!?

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一方、代謝がインスリンに依存しない果糖は、脂肪燃焼を止める効果が著しく小さいので、スポーツ時の脂肪のエネルギー化(すなわち持久力)を高く維持するために、糖質の摂取を果糖に限定することが行われる多いです。

高脂肪食は、骨格筋への脂肪蓄積と運動時の脂肪代謝を促進し、スタミナが増大します。

これは普段の心がけの話です。

長距離走の最中は、ショ糖(黒砂糖やアメ)を少しずつ摂取するのがよいでしょう。

ショ糖は腸内ですぐに分解されて、ブドウ糖と果糖に変わるのです。

というわけで、運動中のエネルギー源としては、果糖+クエン酸+アルギニン(疲労物質アンモニアの産生抑制が目的)が優れていると宣伝されているということですね。

果糖は『精液』の源!?

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ちなみに、精液(精漿)には果糖濃度が高いです。

その濃度は、血中のブドウ糖濃度よりも高い120~450mg/dLとされ、精液が<甘い>理由となっているのですね。

膀胱の裏側に2つある精嚢腺から、果糖は分泌されます。

精子には、果糖の輸送体膜蛋白であるGLUT5というタンパク質が分布しています。

果糖は精子の重要な栄養源となるのです。

 

ついでながら、コレステロール含量の多い食材の代表は『卵黄』です。

魚類の卵であるタラコやイクラも当然ながら多いですし、コレステロール含量が最も高いのは、意外にも『イナゴの佃煮』だとされているようです。

昆虫には、『脂肪体』と称される肝細胞と脂肪細胞の中間的性格を有する『栄養貯蔵庫』が存在しています。

幼虫やサナギはとくに栄養価が高いので全世界に昆虫食は広く普及しているのです。

日本でもイナゴの佃煮の他、『ハチノコ』もよく食されるものです。

 

パキスタンの高級食の一つがクワガタムシ料理であることを、映画『インディ・ジョーンズ』で知りました。

インドネシアでは、食材としてコオロギが大人気らしいのです。

セミ、タガメ、シロアリ、カイコガやウジといった多様な昆虫類が、世界中で食用に供されているのです。

昆虫類の血糖は、哺乳類にはない二糖類(ブドウ糖2分子よりなる)のトレハロースです。

その濃度は400~3,000mg/dLと著しく高いが、決して糖尿病性昏睡にはなりません。

 

トレハロースはゾウムシのつくる蜜(トレハラマンナ)の主成分であり、トルコではぜひ買いたいお土産品となっています。

このトレハロースを分解する酵素、トレハラーゼはヒトの小腸粘膜や腎臓の尿細管上皮にしっかり備わっています。

昆虫を食材とすることを前提に、神さまがそのように設計してくれたのでしょう。

医学生時代の授業を鮮明に思い出します。

お茶碗一杯のご飯と同じカロリーなのは、リンゴ、ミカンやカキ1個、ビール1杯、ウイスキーダブルで1杯といった栄養学の講義でした。

ダイエットの敵は『イナゴの佃煮』、そして、柿(とくに干し柿)というのは、ぜひ覚えておいてほしいです。

干し柿に含まれる主な4つの栄養素

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ミネラル

干し柿にはマンガンやカリウムというミネラル分が多く含まれているのです。

マンガンは体内のさまざまな酵素を作るための構成要素になったり、酵素を活性化する作用があるそうですよ。

またカリウムは、身体の細胞内に存在し、ナトリウムと共に細胞を正常に保ったり、血圧を安定させる作用を持っています。

 

食物繊維

柿には食物繊維が豊富に含まれているようです。

食物繊維は腸内を掃除して、腸壁に張り付いた弁を取り除き、腸のぜん動運動を促進する働きを持ちます。

 

ベータカロチン

抗酸化作用の高い成分ですので、有害な活性酸素から身体を守ってくれますし、心疾患やガンにも効果があるとされているそうです。

 

カキタンニン

渋柿の『渋さ』の元となる『カキタンニン』ですが、干し柿にはその渋みを感じることはありません。

それはカキタンニンが無くなってしまったせいではなく、味として感じることができなくなっているだけで、カキタンニンそのものは存在しているのです。

これは抗酸化作用の高いポリフェノールの一種で、血液内にある悪玉コレステロールを減らして動脈硬化を防いだり、生活習慣病の予防に効果的な成分なのです。

 

干し柿でデトックスできるって本当?

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干し柿でデトックスできる。

その根拠となるのは、豊富な食物繊維と、カリウムです。

干し柿は、食物繊維を豊富に含み、1日2個食べれば、摂取したい食物繊維量をクリアしてしまうと言われるほどです。

それほど豊富ですから、腸内の老廃物を根こそぎ一掃してくれますね。

その結果、老廃物から発生する有害物質を排出されるので、体内がクリーンになるということです。

 

特に腸内環境が整うので、便秘や肌荒れ、便秘からくる体臭や口臭の悪化とは縁が切れるそうですよ。

そしてカリウムは、 体内の塩分や、腎臓の老廃物を排出してくれる働きを持ちます。

利尿作用もあるので、体内の老廃物もどんどん排出されていきます。

干し柿を食べると、食物繊維とカリウムのダブルの働きで、しっかりデトックスすることができるようですね。

まとめ

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これらのことから干し柿にはダイエット効果は望むことができません。

しかし、柿には様々な栄養があり、デトックス効果はあるものです。

食べ過ぎないように注意しながら健康的に摂るようにすれば良いでしょう。

 

干し柿のダイエット効果は?太りやすい原因とデトックス効果の真相とは

1 個のコメント

  • この時期に より:

    今の時期の吊るし柿はとても甘くて美味しいですよね!住んでいる地域が柿の栽培が盛んなので、秋口に家族がセンターに行って大量に購入してきます。そして方々の親戚に送っています。

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