ネガティブすぎるイケメンモデル”のキャッチコピーでブレイクした、モデルの栗原類さん。
新著『発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由』では、自身の発達障害に向き合ったことで注目されています。
栗原類さんがネガティブすぎる理由は発達障害によるものが原因なのでしょうか?
発達障害への予防や対策はあるのでしょうか?
栗腹類さんの記憶から発達障害という病気について探っていきます。
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モデル栗原類が明かした記憶~発達障害とはどんな病気なのか~

出典:summary.fc2.com
モデルの栗原類さんは、NHKのテレビ番組『あさイチ』の出演中に『発達障害』であることを明かしています。
イギリス人の父と日本人の母の間に生まれた栗原さんは、長身のイケメンながらも後ろ向きな発言が注目され、『ネガティブ過ぎるモデル』としてブレークしました。
バラエティ番組などで活躍しているっ姿は今も記憶に新しいですよね。
『あさイチ』では『増加!夫の発達障害 苦悩する妻』を特集し、栗原さんはゲストとして生出演中、米国に住んでいた8歳の時に、発達障害のひとつである『注意欠陥障害(ADD= Attention Deficit Disorder)』だと診断されたことを告白したのです。
発達障害のことを知っている人は、『ん?』っと思ったかもしれませんね。
通常『注意欠陥障害』は、包括的に『注意欠陥多動性障害(ADHD= Attention Deficit /Hyperactivity Disorder)』と診断されます。
『多動性』のない『注意欠陥障害』という診断名は、あまり見かけないからなんですね。
ADDが少ない理由のひとつには、そもそも『診察を受ける機会の少なさ』が挙げられます。
いわゆる『落ち着きがなく気が散りやすい子』が周りに注目されることで、ADHDと診断されるのが一般的なのです。
その点、ADDは”不注意さ”が認められるものの、多動性がないのであまり目立ちません。
『なくし物や忘れ物が多い子』というような印象をもたれるぐらいですから。
ADDは、なかなか発見されにくいのです。
現在でも、ADDと確定診断される患者数は少ない。
12年前にADDと診断されたのは、この障害の研究が進んでいる米国ならではといえます。
栗原類が語る。発達障害の記憶と『生きづらさ』

大人の発達障害が注目されている昨今で
- 何だかいつもうまくいかない
- どうしても仕事ができない
そんな悩みを抱え、もしかしたら『自分は発達障害かも』と専門医を訪れる大人が急増しているようなんです。
成人の発達障害の診断ができる医療機関は全国的に少ないため、どこも予約でいっぱいな現状があります。
しかし、どうも最近の傾向は『発達障害』という名称が独り歩きしています。
何かが『発達』していない=『未熟』という印象を与える、便利な言葉になっている面もあるようです。
- うまくいかない
- できない
- 生きづらさ
の原因を発達障害に求める風潮があります。
ただし、発達障害は医師の診察を受けて、すぐに『あなたは発達障害です』と確定されるものではありません。
CTやMRIのような画像診断検査や、能力検査の数値で判明するわけではないからなんです。
発達障害はいくつかのタイプに分類されており
- 自閉症
- アスペルガー症候群
- 注意欠如
- 多動性障害(ADHD)
- 学習障害
- チック障害
などが含まれます。
発達障害は脳機能の障害なのだが、身体障害や知的障害に比べて周囲にはわかりにくいのです。
自分に興味がない

栗原さんはインタビューにおいて『自分に興味がない』と語り、その意味について問われ以下のように回答していました。
自分に興味がないというか、自分を認識できてなかったんです。
僕は自分の内面の変化に注意を払って、意識を向け続けるのが難しいので、自分自身について認識できるようになったのは中学生くらいでしたね。
自分に興味が湧かないのと同時に、他人に興味を持つのも難しいんです。
発達障害者はよく「空気が読めない」と言われますが、僕の場合は、相手の表情を見て、何を表現しているのかを読み取ることも苦手です。
母と一緒に映画やドラマを観ている際に「このシーンはこういう気持ちを表しているんだよ」といちいち解説してもらわないと理解できない。
他のことでも、母が何度も繰り返し指摘してくれて、ここ最近やっと「ああ、自分自身はここが問題なのか」って自覚できるようになったことがたくさんあります。
『見過ごされやすい』とは?

例えばですが、多動性が顕著で授業中に立ち歩いてしまうような子供は、教室でも目立つので気付かれやすい。
でも僕のように目立った問題行動がない受動的なタイプの子供は放置されやすいんです。
確かに僕は授業中、おとなしく座っていることはできましたが、先生の話を聞いても全く頭に入っていませんでしたから。
なんらかの支援は必要でした。
上記の発言を受けて『日本では、目に見える問題行動がなければ見逃され、放置されてしまうのが現状だと?』いうことを問われた栗原さんはこういったことも答えています。
実は、小学生の頃から僕をイジメていた子供が、まさに発達障害を放置されていたコだったんです。
だから、高橋先生に「僕自身は早期に発達障害の診断を受けて、支援を受けて改善する環境にいる。それなのに、彼は発達障害を見過ごされて、なんの支援も受けないまま放置されているのはおかしい」って訴えたんですが、彼は結局、最後まで診断を受けないままでしたね。おかげで、僕は理不尽なイジメに耐えるしかなかったんです。
これは、多動性が強くて、明らかにADHDの可能性が高かったと書かれているコについてのインタビューのものです。
『不登校』『いじめ』『教師』

上記のような内容が原因で、一時期は不登校になったという栗原さんは
学校に行けなくて2週間くらい休んだこともあります。
特に小学校5年生から中学校3年間は本当に地獄のような日々でした。
普通の人が青春を楽しんでいる時期に、僕は「青春なんてクソくらえ!」と思いながら、サンドバックのように、ひたすら言葉の暴力に耐えていました。
学校の教師は何も対処してくれなかったんですか?という質問に対し
日本の先生は何もしてくれませんでしたね。アメリカでは「生徒に問題が起きたら、先生はそれを解決する義務がある」という考え方なので、生徒同士でトラブルがあると、初期段階ですぐに先生が介入します。だけど日本では、先生にイジメを報告しても介入してくれない、「チクってるんじゃねーよ」となって、余計ひどくなるパターンが多いです。
と答えました。
日本教育の風潮や現実を、身をもって教えてくれた栗原さん。
これを受けてあなたならどうしますか?
大人でも診断を受けるべきか

前述のイジメっ子のように、発達障害を見過ごされたまま成人する人も少なくない中で、成人後でも診断を受けるべきとかどうかについて栗原さんは
よく“診断されるのが怖い”とか“レッテル貼りになる”という声も聞きますが、僕自身は早期診断・支援の重要性を、身をもって実感しましたし、診断を受けないことには支援のスタート地点に立てません。少しでも「自分も発達障害なのかな?」って思うのだったら、まずは一度、医師の診断を受けたほうがいいのではないでしょうか。
今だって、普通の21歳が100できることを、僕は10しかできないですが、環境を調整し、周囲の力を借りて訓練すれば、対処法を見つけることができますし、発達障害の生きづらさは、必ず解消できるものだと思います。
というように語り、発達障害の現状や、早期発見の重要性について教えてくれました。
発達障害は早期発見・対応が重要!?人生にレベルでもたらされるメリットとは

栗原さんは自身の症状について、『人に合わせられなかったり、決め事やこだわりが強い』と説明しています。
たとえば『冷蔵庫の中で、いつもお茶が置いてある場所に違うものがあると気持ち悪くなって置き直してしまう』と話ています。
さらに『親や主治医が早い時期にADDを指摘してくれ、自分にできることとできないことがより分かりやすくなった。そんな周りの環境があるから、今がある』と早期の解明の大切さを話しています。
栗原さんが実感を込めて語るように、早い段階でこの障害に気づけたのは、幸せなことであるといえます。
というのも、若い時から自分らしい生き方を習得でき、その後の人生に大きな利益をもたらすからです。
発達障害は、臨床現場では『自閉症スペクトラム障害』と呼ばます。
程度の差はあるものの、どこか自閉傾向が認められるのが特徴なんです。
栗原さんが挙げたような、種々のこだわりは、まさに自閉傾向の特徴ということがいえます。
こだわりは、囚われすぎると生活に支障をきたし、自身も周囲も辛い思いをします。
一方で、自分の特徴としてほどよく生活に取り込み、あるいは弱点をカバーする対応策が講じられたら、個性のひとつと捉えられるものです。
また、ネガティブな情報を強く受け取りやすく、自己否定感を持ちやすい人が多いのも、発達障害のひとつの側面でなのです。
栗原類さんは、まさに自身の障害をドラスティックに、個性へと転換したケースといえるのではないでしょうか。
さらに、”ネガティブ過ぎるモデル”の素顔は、思いがけず”ポジティブ”だったのだ。このポジティブさは、自身の特性を理解しつつ、のびのびと自分らしい成長を遂げた現れといえます。
現在、医師やカウンセラーに出会う機会を得ないまま成人し、社会に出ても仕事をうまくこなせなかったり、職場でさまざまな困難を感じたりして、そこで初めて自身の障害を知る『大人の発達障害者』が増えているのが現状です。
すると、自信や自尊心を失い、2次障害として情緒不安や睡眠障害、パニック障害などが表われてしまう人もいます。
『発達障害』と診断された成人にとって、人生の見通しはけっして明るいものではないのです。
栗原類さんが、発達障害のオピニオンリーダー的な存在になり得るのか? 今後の活躍に注目していきましょう。
発達障害という診断が『生きづらさ』を解決してくれるのか

人は誰にでも得手、不得手があり、それぞれに個性があります。
バランスのいい人ばかりではなく、偏りのある人も大勢いますよね。
そのような特性が、主に経験や性格によるとすれば、それは個性といえるでしょう。
そうではなく、抗えない脳機能の問題であれば、発達障害の可能性がある。
ほかにも、知的能力がやや劣る『境界領域知能』や精神的な疾患が『生きづらさ』の原因となる場合もあります。
その見極めには時間がかかるのです。
発達障害の特徴といえる自閉傾向や過敏性が強ければ、子どもの時に
- お友だちが少ない
- 落ち着きがない
- いつも騒ぎを起こす
といった行動障害に現れやすい傾向にあります。
早い段階から『この子には障害がある』と認識されます。
一方で、『症状がそれほど強くない』『あまり目立たない』といった場合は見過ごされることが多いのです。
自他ともに『ちょっと変わっている人』と思われるかもしれませんが、学生時代はけっこう自己流のライフスタイルでやり過ごせるもの。
しかし、発達障害を抱える人は、社会人となって社会規範や暗黙のルールといった壁にぶつかると、ひっかかり、行きづまり、悩んでしまいます。
そして、病院の門をくぐり、発達障害という診断を下される大人は少なくないのです。
『これまでの辛さは、全て障害のせいだったんだ』と納得したり、原因がわかって気持ちが軽くなるという声は多いのげリアルです。
当事者にとって、確定診断による自責からの解放はとても大きな成果といえます。
しかし、それが『生きづらさ』の解消には、すぐに結びつくわけではない。
障害特性の多様性や個別性の高さによって、臨床現場でも福祉の支援現場でも理解や対応は一貫されていません。
生活支援も就労支援も、関係者は手探り状態だといえます。
発達障害の本格研究も、近年始まったばかりです。
2014年12月、英国健康保険と英遺伝子研究機関ウェルカム・トラスト・サンガー研究所が協働して行っている『発達障害解読』(DDD)プロジェクトが、発達障害の関連遺伝子12個の特定に成功したとの研究論文を英科学誌『ネイチャー』に発表しました。
遺伝子研究が発達障害の確定診断に役立つ日は、そう遠くはないかもしれませんが…。
まとめ

あなたやあなたの身近な人をまた違う視点で見る良い機会になったのではないでしょうか?
差別が問題視されてから数年が立ちますが、まだまだ隠れた障害をもって苦しんでいる方は数えきれません。
しかし、社会で生き抜くためにはその障害すら越えろと言わんばかりな状況が続いているのが現状ではないでしょうか?
今一度、あなたやあなたの大切な人が抱えている問題に向き合ってみてはいかがでしょうか?
なんでも早めの気づきや対応というのは、メリットに働くことが多いと私は思います。
栗原類さんの発達障害については、youtubeで動画を見たことがあります。私も症状が似ているので発達障害かもしれません。
栗原類さんはかっこいいですね!でも陰では苦労もしていたのでしょうね。病気には抗えない部分がありますが、これからも元気で頑張ってほしいです。