あの有名俳優、根津甚八さんが『肺炎』のためこの世を去りました。
根津甚八さんは右眼の下直筋肥大などで俳優活動を休止していましたが、11年ぶりに映画に出演し、話題になりました。
2001年に発症し、手術を6回も繰り返したものの、右目の形が期待したように回復しませんでした。
根津さんの下直筋肥大の原因は公表されていませんでしたが、死因は肺炎。
今回はこの下直筋肥大と肺炎の関係性や長い闘病生活についてや、知られている一般的な原因や治療についても振り返っていきます。
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根津甚八さんの既往歴

根津甚八さんは,実は次々と様々な病気やアクシデントに見舞われていました。
- 1993b年には、撮影時に落馬して腰椎(ようつい)を損傷。
- 2001年には、目の病気を発症。
- 2004年7月には人身事故を起こして、不幸なことに被害者が亡くなってしまいました。
それ以降、公の場に出ることがなくなり、うつ病も患い、持病の椎間板ヘルニアも悪化。
さらに右眼下直筋肥大を発症するなどして、10年に俳優を引退し、その後闘病生活を続けられていました。
現在のところ、死亡につながる直接の原因は『肺炎』と公表されました。
妻の仁香さんは、次々と病に襲われる根津甚八さんの闘病生活について、なんでこんな人と結婚したのだろうと思ったそうです。
でも、多くの苦悩が押し寄せるも、夫のことを『愛しています』と語っていました。
根津さんを苦しめた『肺炎』とは

現在、肺炎は、日本人の死因の中で
- がん
- 心疾患
に続いて第3位となり、肺炎で亡くなる方は、年間で約12万人に達します。
その内の96.8%が65歳以上です。
高度高齢化社会を迎えた日本では、肺炎予防の重要性が増しています。
肺炎にかからないためにはワクチン接種などの予防対策が重要です。
高齢者の場合は、肺炎になっていても以下のような症状が出ず、元気がなかったり食欲がないだけのこともあるので、注意が必要です。
肺炎の主な5つの症状
高熱
38度以上の高熱が出ます。
ただし、高齢者の肺炎の場合は、熱が出ないこともあります。
咳・痰
激しい咳が出ます。非定型肺炎の場合は、痰を伴わない乾いた咳が長く続くことが多く、細菌性肺炎の場合は、黄色や緑色を帯びた痰を伴う湿った咳が出ることがあります。
病原微生物の種類や炎症の場所によって異なるので、適切な治療を受けるためにも、痰の色や粘性などは医師に伝えましょう。
胸が苦しい(呼吸困難)
血液の中の成分や細胞内液が染み出て肺胞の中に水がたまり、胸が苦しくなることがあります。
重症になると、血液の中の酸素が不足して、顔や唇が紫色になるチアノーゼが現れることもあります。
胸が痛む(胸痛)
炎症が肺を包んでいる「胸膜」にまで及ぶと、胸が痛くなることがあります。
その他の症状
- 食欲不振
- 倦怠感
- 悪寒
- 筋肉痛
- 関節痛
- 頭痛
などの症状が出ることがあります。
また、呼吸数や脈が早くなります。
根津さんも罹った『下直筋肥大』の原因と治療法は?

上方向を見ようとすると物が2つに見える複視が生じる原因とは、『下直筋肥大』では、下直筋が肥大し上を向こうとしても下に引っ張られるため(伸展障害)であるという。
色々な観点から原因が推測されるのだが、代表的な疾患は甲状腺疾患であるといわれています。
甲状腺機能障害があり複視が見られる場合には、甲状腺眼症の可能性を考えるのです。
しかし、全身症状に先行して起こることもあれば機能が正常である場合もあります。
自己抗体が強く関わっているとされるため甲状腺眼症は、甲状腺機能に加えて自己抗体の検査も求められるのです。
眼症が起こりえる場合は甲状腺機能が良好でも自己抗体の値が高いことが多いようです。
他の筋肉も肥大することがあり、外眼筋の肥大は下直筋で最も多く見られるのですが、肥大した筋肉により複視の方向は変わってくるといわれています。
また、何種類かの筋肉が肥大した時には、視神経が圧迫されて視神経障害を起こし視野障害や視力低下の原因となるのです。
甲状腺眼症では、外眼筋の肥大以外に、眼瞼後退などの眼瞼(まぶた)の症状や眼球突出がみられ特徴的な容姿の顔になってしまう。
甲状腺眼症以外で外眼筋の肥大(腫脹)とそれに伴う眼球運動障害を起こす原因として考えられるのは、IgG4関連外眼筋炎や外眼筋炎(特異的外眼筋炎、特発性外眼筋炎)などが挙げられます。
症状・検査・治療
特発性外眼筋炎は、発症が急で強烈な痛みを伴って、眼瞼は炎症を伴い腫脹し下垂が見られるでしょう。
IgG4関連外眼筋炎では、炎症を伴わない眼瞼の腫脹が見られますが、疼痛は無く、複視の程度は軽いといわれています。
検査はCTやMRIなどの画像検査に加えて、一般的には生化学的な検査(甲状腺自己抗体、甲状腺機能検査、血清IgG4など)などを行います。
また、
- 結核
- 眼窩蜂窩織炎
- 梅毒
- 転移性腫瘍
- 副鼻腔炎
の検査を行い、他の原因を否定することも大切である。
まず炎症を軽減する目的でステロイド剤が用いられているのが主な治療ではありますが、放射線治療と併用することもあるそうです。
また、炎症がとれても複視が残存する場合は、筋肉の手術(斜視の手術)を行ったり特殊な眼鏡(プリズム眼鏡)で複視を軽減させたりすることもある。
炎症が軽減しても筋肉の肥大は残る可能性があり、甲状腺眼症のようにいくつかのの筋肉が肥大膨張し視神経が圧迫されている場合は、眼窩の骨を削り膨張した筋肉や脂肪が入るスペースを作る眼窩減圧術を行うことも。
時間が経つにつれ複視や眼球突出、眼瞼の腫れは戻りにくくなる傾向にあるので甲状腺眼症では、患者には精神的にも負担の大きい疾患と言えます。
- 寝不足
- 喫煙
- ストレス
などが甲状腺眼症の増悪因子とされているから、生活環境を見直して症状が悪化しないように努めることが重要です。
【下直筋肥大】知っておきたい両眼12本筋肉の働き
眼球は中と外に筋肉が付いており、目の外に付いていて目を動かす6本の筋肉を「外眼筋」、目の中の虹彩などに付いている筋肉を「内眼筋」と言います。
「外眼筋」の主な作用は次のような働きがあります。
- 下直筋:主に下転(下を見る)、わずかに内転して下内方へまわす(回旋)
- 外直筋:外転させる(外側を見る)
- 上直筋:主に上転(上を見る)、わずかに内転して上内方へまわす(回旋)
- 内直筋:内転させる(内側を見る)
- 下斜筋:主に上転、わずかに外転して外上方へまわす
- 上斜第:主に下転、わずかに外転して外下方へまわす
それぞれの筋肉は、中枢神経の支配を受けており、内直筋・上直筋下直筋に影響します。
- 下斜筋は動眼神経
- 外直筋は外転神経
- 上斜筋は滑車神経
がコントロールしています。
通常は、、これら片目6本、両眼12本の筋肉がともに作用することで眼球運動が起こります。
物が二重に見える『複視』が起こる時には何らかの原因で筋肉の動きが障害されるといえるのです。
大別すると筋肉を支配する神経に原因がある場合(神経原性)と筋肉に原因がある場合(筋原性)がある「外眼筋」の動きが悪くなる原因があるようです。
神経に原因がある場合としては、、脳腫瘍や眼窩腫瘍による直接的・間接的な障害などや脳梗塞などで神経の栄養血管が障害される場合やがあげられます。
また、神経と筋肉のつなぎ目(神経筋接合部)を自己抗体で障害されると筋肉への刺激が伝わらなくなり筋無力症となる原因を引き起こすそうです。
筋肉に原因がある場合としては、甲状腺疾患に関連し
- 外眼筋炎
- 甲状腺眼症
- 遺伝性の筋ジストロフィー
- 筋肉に変性を起こすミオパチー
などがあげられる。
根津甚八さん最後の出演作品
右眼の下直筋肥大などで俳優活動を休止していた根津甚八さんが、11年ぶりに映画に出演していました。
その作品とは、2015年公開の映画『GONINサーガ』。氷頭要 役で出演されました。
まとめ
有名・優秀な俳優、根津甚八さんの死因は肺炎でした。
その他にも、いくつもの病気による闘病生活の長かった根津甚八さん。
たくさんの想いがあった中での俳優引退後も、ファンの中ではいつまでも惜しまれる作品ばかりでしたね。
ご冥福をお祈りするとともに、作品を振り返り、偉大な俳優さんであったことに感謝いたします。
あの根津甚八さんが肺炎で亡くなってしまったのですか?かわいそうです、まだお若いのに…病気には抗えないですね。ご冥福をお祈りします。
肺癌で亡くなる前の根津甚八さんの病歴を見ました。凄い大変な人生ですね。災いばかり起こっている感じで 大変そうです。
家族の中で2人 肺の病気で亡くなった者がいますし、親戚にも1人 肺の病気で亡くなった者がいます。肺は結構弱いものですね。私も以前 レントゲンに引っかかりました。
根津甚八さんは『下直筋肥大』という初めて聞く眼の病気にも掛かっていたのですね。私もドライアイなので、定期的に眼科に通っています。