この寒い季節、体を芯(しん)からポカポカと温めてくれるのは『甘酒』ですよね。
昔からある、どちらかといえば地味なこの飲み物が、ここ数年注目を集めているのです。
関連商品が数多く登場し、売り上げも上昇しているという甘酒。
その理由のひとつは<飲む美容液>とも言われるほどの栄養価の高さにありました。
美肌自慢のモデルや女優が愛飲していると、ブログやSNSで打ち明けたこともブームに火を付けたのでしょう。
甘酒は糖質が多いものですが、ニキビ対策など美容にも効果があるとして女性達の間で話題になっています。
糖質が多い甘酒はなぜニキビなどに効果があるのでしょうか?
お好きなところからどうぞ
甘酒の何がそんな美肌効果をもたらすのか

まず肌の機能を活性化させ、保湿効果やハリをもたらすビタミンB群がとても豊富です。
さらに代謝を促進しアンチエイジングが期待できる酵素が100種類以上も含まれるため、腸内環境が整い、肌荒れや吹き出物などの肌トラブルも改善されるのです
加えて、甘酒にはシミや美白に良いと言われている『コウジ酸』も豊富に含まれています。
目の下のクマを薄くする上にニキビ予防にも!?

甘酒には実際、肌の状態を改善する効果を裏付ける研究成果も出ているようです。
甘酒の缶飲料を販売する森永製菓は2015年5月、東京工業大学との共同研究により、甘酒を飲むことで<目の下のクマの改善が見られる>という成果を発表しました。
この研究では女性17名に対して、酒粕と米麹を使った『甘酒飲料』と、甘酒風に味付けした『プラセボ飲料』を飲んでもらいました。
すると、甘酒を摂取した群は、プラセボを摂取した群に比べて、目の下のクマの明るさの有意な改善が認められたといいます。
甘酒の飲用後には、皮膚の表面温度の上昇も見られたことから『血行が促進されて、老廃物の排泄が促進されることで、クマ改善に寄与したのではないか』と、研究を主導した森永製菓の稲垣宏之氏は述べています。
また今年5月には、甘酒が皮脂を抑制する効果についての研究成果も発表されました。
再び『甘酒飲料』と『プラセボ飲料』を1カ月続けて飲んでもらった試験において、甘酒を摂取した群では明らかに<肌の皮脂量が低下>したといいます。
さらに細胞レベルの実験で、皮脂量の低下を促しているのは、甘酒の主成分である『酒粕』と『米麹』であることが判明しました。
このことから、森永製菓と東京工科大学は『甘酒の継続飲用はニキビの発生を防ぐ可能性がある』という結論を導き出しているのです。
美白に効く『コウジ酸』が豊富!

ところで、甘酒には日本酒を作る過程でできる『酒粕』から作るものと『米麹』で作るものの2種類あることはご存じでしょうか?
現在、巷でブームになっているのは、米麹から作られた甘酒でアルコール成分を含まないので、下戸の人や子どもも飲めるようになっています。
また、麹由来の自然の甘さがあるので砂糖を加える必要がなく、カロリー控えめにできています。
手作りもできるが、発酵させるため手間と時間がかかるのですが、市販品も割高となっています。
それに対して酒粕由来の甘酒の特徴は、小量のアルコール成分を含むため、お酒に弱い人や運転をする人は注意が必要です。
また、通常は飲みやすくするために砂糖を加えるのでかろりーが高くなってしまいます。
その半面、酒粕を水に溶かすだけなので家庭でも簡単に作ることができ、市販されている商品も安いです。
栄養価を比較すると酒粕の方は肌の元になるタンパク質や、整腸作用のある食物繊維が多く含まれています。
一方、米麹の甘酒には麹菌の持つ酵素が多数含まれています。
一方で肌のターンオーバーを活性化するビタミンB群や、美白に効くコウジ酸はどちらも豊富に含まれるので、どちらを飲んでも美容効果は期待できるので、味の好みや熱量、飲み続けやすさで選ぶと良いでしょう。
砂糖の代わりの調味料として

ところで、甘酒は、1日にどのくらい飲むのが適量なのだろうか?
カロリーは、米麹由来のもので100ml当たり81kcalなのでグラス1杯(200ml)でおよそ160kcalとなります。
ココアよりは低いが、加糖清涼飲料水より高いといった感じでしょう。
酒粕で作るときは砂糖を加えるのでさらに熱量が上がってしまい、『飲み物』として考えるとハイカロリーの部類になります。
3食きちんと食べて、なおかつ甘酒を飲みたい人は、1日にグラス1杯程度を限度にとどめておいたほうが良いかもしれませんね。
ただし、ダイエット中の人や糖尿病患者は注意が必要です。
『食品成分表2015』によると、甘酒の100g当たりの糖質は日本酒よりもはるかに多く約18gです。
米のデンプンを麹が分解してできた甘酒は、ブドウ糖を多く含むため血糖値の上昇を引き起こすとされています。
反面、お米のまま食べるよりも糖が急速に吸収されるから、風邪を引いたときや体力を消耗しているときには最適かもしれませんね。
栄養価も高くて疲労回復にも効果的でしょう。
この甘酒の利点を日常的に取り入れたければ、砂糖の代わりの調味料として使うのもひとつの手ではないでしょうか。
発酵食品である甘酒は、味噌やしょう油、酢などとも相性がいいものです。
自然な甘みと豊富に含まれるアミノ酸が、味を引き立ててくれるので、食卓に<飲む美容液>をうまく取り入れてみてはいかがでしょうか。
保温ポットで甘酒をつくろう

温度管理が楽で、保存期間内に飲みきれる手ごろな分量。
温めて、しょうがのすりおろしを少しのせて飲むのがおすすめ。こうじの甘さがキリッと引き締まります。
しょうがのかわりに、柚子(ゆず)やレモンなどのかんきつ類を搾ってもおいしい。生のこうじが手に入らなければ、乾燥のこうじを戻して、同様につくるとよいでしょう。
材料(でき上がり500ml分)とつくり方
- 鍋にご飯(温かいもの)100gと水カップ2を入れて中火で煮立たせる。
- 弱火にして10〜15分間、おかゆになるまで煮る。
- この間、保温ポット(500ml容量が最適)に熱湯を注いで温めておく。
- おかゆの火を止めて8〜10分間おき、50〜60℃に冷ます。
- 米こうじ(生)150g(または乾燥こうじ150gをヒタヒタの水で戻したもの)を加えてよくかき混ぜる。
ポットの湯を捨て、1を入れてふたをし、一晩(約8時間)おく。
こうじが柔らかく、とろみがついて甘くなれば完成。甘くなければ、もう少しおく。
長くおきすぎると発酵がすすんで酸味が出るので注意。
※保存容器に入れて冷蔵庫で2〜3日間保存可能。
まとめ

甘酒は糖質の多さが心配されがちですが、美容にもとても効果があり、ニキビ予防にもなります。
手軽に摂取できる飲む美容液としてぜひ試してもらえたらと思います。
家の母が砂糖を使わない甘酒を作ってくれて飲ませてくれました。とても甘くて美味しいので何度もお代わりをしました。
甘酒が好きなので、寒い時期に家族が用意をしてくれると真っ先に飛びついて、飲ませて貰っていました。お酒なのにこんなに美味しいと、絶賛です。
甘酒の甘さが好きで、缶の甘酒を好んで飲んでいた時期があります。お腹が減っている時に飲むと、空腹感が満たされるんですよね。