日本人に多いと言われる『胃痛』ですが『胃が痛くてつらい』と訴えると、よく年配の方が『梅干しを食べると胃に効くよ』と言います。
『胃が痛いって時に梅干し!?』
何だか梅干しの酸味が胃にしみそうで、余計に胃痛が酷くなりそう!
と思いながら、しかし現に胃は痛いしどうしようもないので、半信半疑で一粒口に入れたところ…。
なんと、胃の痛みが楽になったではありませんか!
奇跡!?
と、びっくり仰天した経験があります。
でも、どうして梅干しが胃痛に効くのでしょうか?
疑問に思って、梅干しについて調べてみたところ、驚くべきメカニズムがある事と梅干しには色んな食べ方や、知られてない梅干し選び方などある事が、わかりました。
今回は、そんな梅干しの『メカニズム』と、『食べ方』、『選び方』について、ご紹介したいと思います。
お好きなところからどうぞ
『胃腸に梅干し』には、こんな理由があった

梅干しには体内に生まれつきある、解毒機能を高める効果と胃腸の調子を整えてくれる働きがある事から、漢方の世界では『毒消し』として昔から使われていたそうです。
そういえばお弁当に梅干しを添えるのは、ご飯が傷まないためだという話を聞いたことがありますよね。
食中毒も、毒といえますし。
しかし、何となく抽象的なイメージなので、もうちょっと詳しく掘り下げて知りたいですよね。
そこで色々と調べたのですが、何でも梅干しにはピロリ菌の増殖を抑える効果があるそうです。
ピロリ菌とは?
胃の粘膜層に付着する事で粘膜を壊したり、胃痛の原因となる菌で、最近では胃かいようや胃がんの原因になる菌としても,知られるようになりました。
そのピロリ菌の働きや増殖を止めてくれるのが、梅干しに含まれている『シガレシノール』という成分だと言われます。
実際に梅干しをよく食べる習慣がある人の胃は健康的で、ピロリ菌の感染も少ないと報告されます。
また、梅干しに含まれる『クエン酸』という成分は、唾液と胃液を分泌させます。酸っぱいものを食べたり見たりすると、口の中から『ジワーッ』と唾がこみ上げてきますよね?
これが『クエン酸』の働きです。
消化不良が原因で胃痛が起こっている場合は、クエン酸の力で消化を助けて胃痛を抑えてくれるという事です。
昔の人はこういった事を何となく感覚で知っているので、本当に凄いですよね。
梅干しは胃酸減少が原因で起こる胃痛に効果アリ

胃痛とひと言で言っても、胃痛が起こる原因はそれぞれで違い、すべての胃痛に梅干しが効果があるとは限りません。
胃痛には、胃腸風邪で起こる胃痛やストレスが原因となる胃痛、消化不良が原因となるものや、妊娠中に胃痛が起こる場合もあります。
梅干しが抑えてくれる胃痛は『胃酸減少が原因で起こる胃痛』の場合です。
反対に胃酸が出過ぎている時に梅干しを食べてしまうと、さらに胃酸が分泌されてより胃痛が酷くなる場合もあります。
胃酸減少が原因で起こる胃痛には
- 食欲が出ない
- 食後に胃が痛む
- 食べたものがそのまま便として出てしまう、消化不良で下痢をしている
これらの症状の場合は胃酸が少ないときと言われ、梅干しの効果も期待できます。
- 空腹感を感じたときに胃が痛む
- げっぷの回数が多い
- 酸っぱい感じの液が口にせり上がる感覚がある
こういった場合ですと、
胃酸が出過ぎている事が考えられますので、梅干しは逆効果になってしまう事があります。
以上のように、症状で胃酸の多い、少ないを判断してみて下さい。
ですが、胃痛が長引く場合は、梅干し頼りばかりせずに、
きちんと医者へ相談するようにして下さいね。
どんな梅干しを食べれば胃痛が和らぐの?

スーパーにはたくさんの梅干しが並んでいますので、どれを選べば良いのかちょっと迷ってしまいますよね。
基本的にどの梅干しでも良いのですが、調味料がたくさん入っている梅干しや、はちみつ漬けにされているような
梅干しは避けた方がいいでしょう。
個人的な乾燥かもしれませんが、はちみつ漬けの梅干しは、胃痛の時に食べるとウッと吐き出したいような気持ちになりました。
また調味料がたくさん入っている梅干しは、クエン酸の量が少ないためか効果が薄いので、あまりお勧めできません。
原材料は梅、塩のみ、といったシンプルな梅干しが胃腸には効果的です。
あとは、わざと高い梅干しを買って『高い梅干しなんだから、絶対に効く!』と自己暗示をかけるのも効果的かもしれません。
オススメの梅干しの食べ方

出典:https://healthheadline.net/wp-content/uploads/2016/12/gahag-0007183976-1-e1480640414353.jpg
もう一点、気をつけて欲しい事は、梅干しの食べ方です。
そのまま口の中に放り込むと、胃痛で弱っている体には塩気や酸味が強すぎますので、以下の方法を試してみて下さい。
梅湯
梅干しを一粒入れて軽くつぶし、お湯をかけて頂きます。
梅の酸味が柔らかになり、胃痛も治まって免疫力アップも期待できます。
梅おかゆ
白おかゆに刻んだ梅干しの果肉を入れて食べましょう。
体調不良の定番ごはんですね。梅干しの塩気がありますので、おかゆには特に味付けをしなくとも、塩味のおかゆさんになります。
食べるとしみじみ『私いま体調悪いんだな−』と実感する味です。
焼き梅干し
ちょっと意外かもしれませんが、梅干しを焼いて頂きます。
梅干しをアルミホイルで二重に包み、トースターに入れて10分。
アツアツの焼き梅干しの完成です。
弱火のフライパンで焼くと少しだけ時間短縮になります。
梅干しは焼くとムメフラールという、血行改善につながる成分が作り出されるそうです。
胃痛緩和と免疫力アップにも効果的ですし、冷え性の人にも良さそうですね。
ご飯やおかゆなど、ちょっとずつ混ぜて食べるようにしましょう。
上記のように、ポイントは温かいものと一緒に、少しずつ梅干しを食べる事です。
食べ過ぎると体に悪いので、
梅干しの一日あたりの摂取量は1〜2個程度までにしましょう。
急な胃痛の対処に、是非一度『梅干し』を!

今回、『胃腸の薬』である梅干しの、一般的に知られてないメカニズムと、効果的な梅干しの選び方、食べ方について、具体的に紹介しました。
昔から伝わる食べ物の知恵には、きちんと根拠があったのですね。
昔の方は、自然とそういう効果がある事を知っていたんですね。
本当に、敬服いたします。
そんな梅干しですが、急な胃痛を感じた時など、是非一度、騙されたと思って試してみて下さい。
それでも駄目なら、早めにお医者さんに行きましょうね。
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