風邪のような症状に加えて、何だか吐き気や下痢の症状がある。食後に食べたものを吐いてしまった…。
冬にかかる風邪には、ノロウイルスなどのウイルス感染によって、胃腸の調子が悪くなる風邪症状があります。
しかしこの『胃腸風邪、夏にもかかる可能性がある』事を知っていますか?
夏にかかる胃腸風邪のほとんどは
- 暴飲暴食
- 食べ物からの細菌感染
と言われ、子どもから年配者まで、幅広い年代誰にでもかかる可能性のある病気です。
今回は『夏場に胃腸風邪が起こる原因となる食べ物、胃腸風邪の症状の特徴』などを紹介します。
胃腸風邪に関するあなたの疑問を解決します。
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胃腸風邪の症状はどんなもの?

出典:http://mamari.jp/2660
胃腸風邪の症状について紹介します。
胃腸風邪と診断された人の多くは
- 吐き気や嘔吐
- 下痢
- 腹痛
といった症状に悩まされます。
ひどいときは激しい下痢と発熱で『脱水症状』を起こしたり、便の中に血が混じる血便が起こる事もあるそうです。
お医者さんによってはお腹にくる風邪といった言い方をされますが、まさに風邪のウイルスが体内に入り込むことで胃腸風邪は起こると言われます。
では胃腸風邪はどういった事から感染するのでしょうか。
夏の胃腸風邪の原因は食べ物!?

暴飲暴食が原因で起こる、急性胃腸炎
夏になると、暑さで冷たい食べ物や氷がたっぷり入った飲み物が美味しく感じられますよね。
こういった冷たい食べ物や飲み物は、摂りすぎる事で胃腸が弱ってしまいます。
そこに夏風邪のウイルスが入り込むため、胃腸風邪は起こると言われます。
代表的な胃腸風邪のウイルスとして、
- アデノウイルス
- エンテロウイルス
があげられます。
アデノウイルスは風邪症状を引き起こすウイルスとして比較的多く見られるウイルスです。
プールの水などを感染経路とするプール熱も、このアデノウイルスが原因だと言われています。
感染すると、
- 胃腸の症状
- 38〜40℃の高熱
- のどの痛み
- 目ヤニや目の充血といった結膜炎
などの症状が3〜4日ほど続きます。
またエンテロウイルスは、子どもの夏風邪と言われる手足口病やヘルパンギーナなどの原因としても知られています。
症状はアデノウイルスと同じく、
- 胃腸の症状
- 38〜40℃の高熱
- のどの痛み
が3〜4日ほど続くと言われます。
冷たいものの食べ過ぎは自律神経の乱れや冷えを引き起こす事は知られていますが、胃腸風邪の原因にもつながりますので、やはり摂りすぎる事はあまり身体の為には良くないのでしょうね。
細菌が引き起こす胃腸風邪
夏の胃腸風邪として考えられるものに、細菌性の胃腸風邪もあります。
ピンと来ないという人もいるかもしれませんが、食中毒と言われればよく分かるのではないでしょうか。
夏になると注意が必要になる細菌は次の5つです。
1.カンピロバクター
『カンピロバクターは生の鶏肉にいる細菌』だと言われ、よく熱を入れていない状態で感染した食べ物を食べる事によって、感染のリスクが高くなると言われます。
最近では牛レバーからも感染する事があると指摘され、飲食店での提供が控えられる事も多くなりました。
鶏肉を切ったまな板をよく洗わないで使ってしまう事により、感染する事もあります。
カンピロバクターは感染すると1〜7日ほどの潜伏期間を経て、
- 下痢
- 腹痛
- 嘔吐
- 発熱
- 頭痛
などの症状が起こります。
2.サルモネラ菌
食中毒の原因菌として知られる『サルモネラ菌』ですが、ペットや家畜などの動物の腸、下水や河川などの自然界にも生息しており、その数は2000種類以上も存在すると言われます。
また食べ物では『卵』が原因で起こる事が多く、卵を使った食べ物やマヨネーズといった料理など、食中毒の原因として特定されたものの内、半数以上が卵からの感染だったとも言われます。
卵以外では鶏肉、豚肉、鶏肉、うなぎなどで、加熱が不十分であったものを口にしたり、汚染された手指をよく洗わずに調理することで感染する確率が高くなると言われます。
サルモネラ菌の潜伏期間は12〜48時間と短く、
発症すると
- 吐き気
- けいれんを伴うような酷い腹痛
- 水のような下痢や嘔吐
- 発熱
といった症状に変化をしていきます。
3.黄色ブドウ球菌
人の手指、ペットの皮膚、ほこりなどの日常生活の中に存在する『黄色ブドウ球菌』は、人の手で作られた料理であれば全てに感染のリスクがある細菌であると言えます。
仕出し弁当から集団食中毒といったニュースを観たことがある人も多いでしょう。
黄色ブドウ球菌は潜伏期間が1〜3時間と短いので、原因となる食べ物の特定が速いと言われます。
症状は
- 吐き気
- 嘔吐
- 腹痛が多く
- 熱は出ない
という特徴があるそうです。
4.腸炎ビブリオ
生の魚介類に潜んでいる事が多い『腸炎ビブリオ』は、お刺身や加熱不十分の魚を食べることで感染する事があります。
症状は
- 耐えられないほどのひどい腹痛
- 下痢
といった症状が起こり、水のような下痢には血が混じる事もあるそうです。
他の食中毒によくある、嘔吐や吐き気などの症状はあまり酷くなく、熱も37〜38℃くらいの、他の感染症に比べれば比較的低めの発熱があります。
5.腸管出血性大腸菌
『腸管出血性大腸菌』は様々な場所に潜んでいます。
野菜や肉、果物を始め、井戸水や加工食品など口に入る食べ物の多くから腸管出血性大腸菌は発見されています。
感染する原因は、やはり加熱が充分でなかった食べ物を口に入れた事が原因で起こると言われます。
潜伏期間は3〜8日と長く、症状はサルモネラ菌と同じように症状にも段階があります。
症状の出始めは
- 激しい腹痛
- 複数回の下痢
- 徐々に便に血が混じりだします。
やがて便のほとんどが血に染まるといった、深刻な症状が起こります。
発熱はほとんどないそうですが、胃腸風邪という言葉では済まされないような血便が出ると言われますので、できれば一生かかりたくない食中毒ですよね。
以上で紹介したように、夏の胃腸風邪には
- 暴飲暴食が原因で起こる急性胃腸炎
- 細菌が引き起こす胃腸風邪
2つのパターンがあります。
見比べてみると、細菌が原因で起こる胃腸風邪の方が、より症状が重くなりやすいといった事が分かります。
胃腸風邪にかかったらどうしたらいい?

なりたくないと思っていても、胃腸風邪にかかることがあります。
その場合、特に大切なポイントとして『水分補給』があげられます。
紹介したように胃腸風邪には下痢の症状が多いので、水分不足が起こりやすくなります。
また病院への行き帰りや、夏場という事でじっと横になっていても汗をかきやすい環境にある事も、水分不足の原因となります。
そのため冬場以上に水分補給には気を遣う事が大切です。
胃腸風邪の時は水分と共に塩分や胃液、腸液も排出されていますので、失った塩分などを補うための水分が必要になります。
症状によっては
- スポーツドリンク
- 経口補水液
- 点滴
といった方法で水分補給を行いますが、水分の補給の仕方は医師に相談するようにして下さい。
時間が経てば治ると自己判断をせずに、必ず医療機関を受診するようにして下さいね。
看護師が語る!!胃腸風邪の回復を早めるコツ!!

小さい子供が二人いる我が家は、毎年胃腸風邪の恐怖にさらされます。
かかってしまった時には、なるべく早く回復したいものですね。
そこで、地元薬剤師に聞きました。
『胃腸風邪にかかってしまったときに回復を早めるコツはありますか!?』
その問いに返ってきたのはこちらです。
胃腸風邪の時の食事について
まず、『食欲がなければ食べなくてよい』とのことでした。食欲があっても『腹5分目』にとどめます。
食べるものは、おかゆやうどんなど、温かくて消化のいいものにしましょう。。
腹5分目とは、新しい響きの言葉ですね。
実際胃腸風邪の最中は、これくらいで精一杯ですよね。
また、胃腸の調子が悪い時には梅干しを食べるといいそうです。
胃腸風邪の時には、食べたらNGなものもあります。
下のような食べ物はたとえ食べたくても我慢しましょう。症状が悪化してエライことになります。
<胃腸風邪の時には食べちゃダメ!な食品>
- 生もの(果物、生野菜、刺身など)
- 冷たいもの
- ネバネバするもの(納豆、オクラ、山芋など)
- 油っこいもの
- 肉
- アクが強いもの(ほうれん草など)
- ナッツ類
- 温かいうどん以外の麺類
- 辛いもの
普段何気なく食べているものは、ほぼ全滅といって間違いなさそうですね。
ちなみに私は、胃腸風邪と自覚のないときにコーヒーを飲んで、後で胃痛に悩まされたことがあります。
胃腸風邪の時の日常生活について
胃腸風邪の時の日常生活は、薬剤師さん曰く、とにかく身体を温めるのがいいそうです。
- 身体を冷やさない。
- ムリしてお風呂に入らない。(シャワーのみはもっとダメ)
- 身体を横にする。(肝臓へ血液を戻すことで回復が早まる!)
- 首、手首、足首に風をあてない。
横になる=肝臓に血液を戻すと回復が早まるというのは、専門家ならではのアドバイスですね。
胃腸風邪にかかった時は、おとなしく寝ていましょう。
デスクワークくらいなら大丈夫・・・と起きていると、肝臓に血液戻りにくいです。
とにかく回復への近道は身体をいたわって、免疫力や自然治癒力を上げることですね!!
まとめ

夏でも注意したい『胃腸風邪の原因や症状』を紹介しました。
『胃腸風邪の時の食事・胃腸風邪の時の日常生活』についてもまとめました。
冬にかかるイメージが強い胃腸風邪は、暴飲暴食や細菌感染などが原因で夏でも感染する事があります。
胃腸風邪は周囲の人や家族にもうつる可能性がありますので、何だか調子が悪い、と感じたら無理をせずにすぐに医師に相談するようにして下さい。
くれぐれも自己判断はしないように気をつけて下さいね。
胃腸風邪にはあまりかかったことはありませんが、聞くだけでもお腹が痛くなりそうな病名だと思います。暑い夏だからこそ食べ物の管理は気を付けたいです。