冬から春先にかけてかかりやすいイメージがある胃腸風邪。
低い気温がウイルスにとって最高の環境であることと、空気の乾燥から人の粘膜も乾燥し、感染しやすくなることから、冬にかかりやすいとされています。
ですが、実は夏も注意が必要なのはご存知ですか?
胃腸風邪とは、『胃腸の状態が悪くなる病気の総称』です。
胃腸が悪くなる原因としてあげられるのが、細菌やウイルスももちろんですが、ただの食べすぎでも『胃腸風邪』と診断がつくことがあります。
さて、問題の夏場にかかる胃腸風邪についてですが、原因はほぼ『食べ物』からによるものです。
夏場の胃腸風邪について、症状や原因となる食べ物の特徴、かかってしまった場合の治療方法など見ていきましょう。
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夏の胃腸風邪を引き起こす原因とその症状

夏にかかる胃腸風邪の原因は以下の2つにわけることができます。
- 暴飲暴食による急性胃腸炎
- 細菌の含まれる食べ物を食べたことによる食中毒
に分けられます。それぞれを詳しく見ていきましょう。
冷たい物の暴飲暴食による急性胃腸炎の症状

見出しを見るだけで耳が痛いです・・・。
じりじりと太陽が眩しい夏、冷たいものが美味しいじゃないですか。
ペットボトルの飲み物をキンキンに冷やして、お昼ご飯は冷やし中華、冷たいビールで晩酌したり、デザートにアイスを食べたり・・・
これがいけないのです。
いくら外は暑いからと言っても、冷たい飲食だけでは腸を冷してしまいます。
腸を冷やす食生活を送っていると、胃腸が弱り夏風邪のウイルスが入り込み急に吐き気や胃痛、下痢に襲われます。
これが急性胃腸炎の症状です。
この症状で代表的なのが『アデノウイルス』と『エンテロウイルス』です。
どちらのウイルスも胃腸炎の症状以外に、38~40度の熱と喉の痛みが3~4日ほど続きます。
急性胃腸炎の症状が出た場合

急性胃腸炎の症状が出た場合は、水分をこまめに摂るようにしましょう。
嘔吐や下痢の症状がある場合、水分を摂るのは困難な場合がありますが、そんな時は病院で点滴をしてもらうのも効果的です。
また、嘔吐や下痢を止める薬は、ウイルスや細菌を体外へ排出妨げになるので急性胃腸炎の場合は避けましょう。
冷たい飲食の他にも、夏場にたまらない焼き肉やラーメンなどの脂っこい物の食べ過ぎ、辛い物や炭酸飲料などの刺激物の摂取も、同じく胃腸を弱らせます。
細菌性による食中毒の症状

胃腸風邪の原因と言われているものには『急性胃腸炎』と『細菌性』によるものがあると冒頭でもお話ししましたが、ここでは細菌性の『食中毒』について詳しくお話ししていきます。
細菌性による胃腸風邪の症状は食中毒です。
原因となる食材を食べてから症状が出ますが、重症化する可能性が高くとても危険なものなんです。
原因となる食材

ではその原因となる食材ですが、
- 鶏
- 豚
- 牛の生肉
- 卵の殻
などです。
非常に一般的な食材で、卵なんて毎食食べるというご家庭もあるのではないでしょうか。
食材は十分に加熱することで感染のリスクを下げられます。
産婦人科などでは、妊婦さんがサルモネラ菌にかからないように『卵は冷蔵庫に入れる前に洗剤で殻を洗うように』と指示を出すところもあるほどです。
加熱するための調理時でも感染してしまう可能性があるということなんでしょうね。
特に気をつけたいのは、夏なると増えてくる下記の5つの細菌です。
カンピロバクター

出典:institute.yakult.co.jp
生の鶏肉にいる細菌です。
鶏肉はしっかりと火を通す必要があるのは皆さんご存知かと思いますが、半生の状態でも感染のリスクがあるので注意が必要です。
今では見かけなくなった牛レバーにもいます。
感染すると下痢、腹痛、嘔吐の他に発熱や頭痛、倦怠感などの症状が出ます。
食べてから1~7日ほどの潜伏期間を経て、症状が出てきます。
サルモネラ菌

サルモネラ菌に感染した場合は、下記のように症状が段階を追って出ます。
- 吐き気
- 痙攣
- 腹痛
- 下痢
- 嘔吐
- 発熱
また潜伏期間がとても短く、1日~2日で症状が出はじめます。
黄色ブドウ球菌

出典:www.city.sapporo.jp
恐ろしいことに、この黄色ブドウ球菌は加熱しても死滅しません。
症状の特徴は吐き気、嘔吐、腹痛が目立ち、熱は出ません。
人や動物の皮膚や消化管に潜んでいる最近なので、家庭料理や仕出し弁当などの手料理全般に感染のリスクがあります。
また感染から1時間~3時間程度で症状が出るので、どの食事が原因だったか判明しやすいのも特徴的です。
腸炎ビブリオ

出典:idsc.nih.go.jp
聞きなれない細菌ですが、腸炎ビブリオの症状は耐えられないほどの腹痛と下痢です。
上記の最近とは違い、嘔吐や吐き気はあまりなく、熱も微熱程度です。
腸炎ビブリオは生の魚介類に潜んでいます。
火を通さない刺身からの感染が多く見られますが、食べ方の工夫が出来ない刺身だけに怖い最近です。
焼き魚の場合は生焼けでも感染しますので、しっかり火を通しましょう。
腸炎ビブリオも潜伏期間が短く、8時間~1時間程度で発症します。
腸管出血性大腸菌

腸管出血性大腸菌という名前は聞きなれませんが、O-157と言われたらわかる方は多いのではないでしょうか。
O-157は正確には『腸管出血性大腸菌の種類のひとつ』になりますがどれほど恐ろしい最近んかは説明も不要なほど有名ですね。
腸管出血性大腸菌にもサルモネラ菌のように段階があります。
- 強い腹痛を伴う下痢
- 便に血が見られるようになる
- 便のほとんどが血になる
このように発熱の症状は確認されませんが、便に血がまざるというのが厄介ですね。
療養やお薬で症状を抑えされたとしても、精神的なショックが大きいに違いありません。
さらに恐ろしいことに、腸管出血性大腸菌は野菜・肉・果物はもちろん、加工食品など、口に入れるほとんどの食べ物から多く発見されています。
加熱が不十分な食べ物から感染します。記憶に新しいところで牛レバーが生食禁止になったのもこの最近が原因です。
最近を摂取してしまってから3~8日の潜伏期間があります。
割と長めなので原因が判明しにくいです。
このように夏の胃腸風邪には、『暴飲暴食による急性胃腸炎』『細菌の含まれる食べ物を食べたことによる食中毒』の2つのパターンがあります。
夏は外出が増えお弁当を持参することや、バーベキューをする機会も増えます。
細菌による食中毒のほうが症状が重いのは明らかです。
楽しいはずのイベントが、食中毒で苦しんだ思い出に変わらないよう、食材の管理や加熱にはしっかり気を配りましょう。
【夏の胃腸風邪】治療のポイント

季節的なこともありますが最大のポイントは『水分補給』です。
病院へ診察に行っても汗をかきますし、実は空調の効いた部屋で横になっていても汗はかいています。
冬場にかかる胃腸風邪以上に、意識して水分を補給する必要があります。
一言で『水分』と言っても症状の度合いによって、塩分や糖分を摂取できるスポーツドリンク、ドラックストアなどで購入できる経口補水液で補った方がいい場合、場合によっては病院で点滴を行った方が良いこともあります。
ネットで症状は調べられても治療は医師しかできません、病院には必ず行きましょう。
まとめ

夏胃腸風については以下の4つのポイント抑えておましょう!
- 冬場にかかるイメージが強い胃腸風邪だが夏場でもかかる。
- 夏場の胃腸風邪の原因は暴飲暴食や細菌が主で、症状が厄介。
- 細菌感染の場合は摂取から数日経ってから症状が出始めるものもあり原因がわかりにくくなる。
- 深刻な症状に発展する場合もあるので自己判断はせず、必ず病院へ!
このように、あなたやあなたの大事な人を守って健康的な生活を送るための知識はぜひ持っていたいところです。
ぜひあなたの身近な人や大切なあの人へ伝えてあげてください。
それが結果的に、あなたの幸せにつながることになります。
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