腰痛の辛さは、なった人でなければわかりません。
そして、そうなった原因も『あるような、ないような』大変微妙に感じるのが腰痛なのです。
日常で時々感じるものや慢性的で原因のわかっている腰痛ですが、そうなる背景には様々な出来事があるようです。
誰もが経験したことがある腰痛で、ときどき腰に痛みが出る場合はどのような原因があるのでしょうか。
なぜそうなるのか、考えられる原因をご紹介します。
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腰痛が生じるのはなぜ?

腰痛は非常に多くの原因から生じるとされています。
体に大きな異常がなくても腰痛が生じる場合もありますが、中には重篤な病気が潜んでいる可能性もあります。
腰痛の原因の85%は非特異的腰痛といって、明らかな原因となる病気がないのに起こるとされています(東京大学22世紀医療センター|非特異的腰痛とは)。
しかし、中には早急に対応が必要な原因も潜んでいます。
安静にしていても痛む、夜も痛みが出る、しびれや力が入らないなどの神経症状が出る場合は、すぐに病院で治療を受ける必要があります。
- 骨折やヘルニア、骨腫瘍などが生じている場合は整形外科
- 骨髄腫は血液内科
- 大動脈瘤では循環器内科
- 尿管結石では泌尿器科
というように、腰痛の原因となる病気や受診すべき診療科は様々です。
『時々』の痛みの原因は?
先ほど紹介したように、腰痛で重篤な危険性が潜む場合は、常に腰が痛くなることが多いです。
ではときどき腰が痛くなるのはなぜでしょうか?
腰は背骨の中でもよく動く部位であるといわれており、運動や姿勢によってもかかる負担が異なってきます。
そのため、横になって安静にしていたり、少し歩いたりする程度では痛みが出ないのに、同じ姿勢を続けたり長い距離を歩くと腰にかかる負担が大きくなったり、変化するため痛みが生じてしまうのです。
ときどき腰が痛くなる場合に考えられる原因
姿勢や運動などによりときどき腰が痛くなる場合に考えられる原因を紹介していきます。
原因となる病気の特徴も説明していくので、腰の痛みがある場合は参考にしてみてください。
そもそも腰痛と言うのは、腰に痛みや炎症などを感じる状態のことをいいます。
腰痛は、急性・亜急性・慢性に分類されています。
- 急性 発症から6週間まで
- 亜急性 6週から12週間まで
- 慢性 12週間以上
と言うように大別されています。
統計的に見た腰痛の例

大部分の腰痛の大概の人は発症から数週間以内には改善され、40-90%のケースでは6週間後までに完全に改善されているようです。
統計的にも、人口の9-12%(約63,200万人)が腰痛を抱えており、約25%の人々が過去1ヶ月以内に腰痛を経験しているようです。
約40%の人は人生に一度は腰痛を経験するとされ、この割合は先進国においては80%まで上昇するようです。
腰痛の症状が始まるのは、おおよそ20-40歳頃と言われています。
腰痛を最も抱えている年代は40-80歳であり、年齢が高くなるほど腰痛にある人の割合は高くなっていくようです。
腰痛になる要素
腰痛のうち、
- 骨折
- 感染症
- がん
- 変性疾患
など、原因のはっきりしている腰痛は約15%
原因のはっきりしない『非特異的腰痛』の人は約85%といわれています。
そして、非特異的腰痛がおこりやすい要因は
- 精神的要因(職場への不満、不安、ストレス、抑うつ)
- 肥満(BMI高値)
- 妊娠後期(出産にて腰痛は軽快する)
- 年齢(35歳から55歳)
- 腰に負担のかかる職業(重量物の運搬、介護職、職業運転手)
- 運動不足
などがあげられています。
腰痛には、男女差はたいした違いはないようです
- 気分が沈みがち
- 不安でじっとしていられない
などの人は、そうでない人に比べて30倍も腰痛になりやすいともいわれています。
【腰痛】考えられる7つの原因

腰部変形性脊椎症
背骨は四角い骨が積み木のように重なってできています。
骨と骨が重なる部分は動きを生じる関節となっていますが、加齢によって徐々に変形してしまいます。
腰にそのような変形が生じることを腰部変形性脊椎症といいます。
変形が軽い場合は症状が起こらない場合も多いですが、進行すると痛みや腰の重だるさが出てきます。
脊椎圧迫骨折
背骨は四角いブロックのような形をしていますが、背骨が上下に潰れたようになってしまう状態を脊椎圧迫骨折といいます。
原因は転倒や打撲による外傷のほか、重度の骨粗しょう症では外傷がなくても生じることがあります。
骨折した部分を中心に痛みを生じます。潰れた骨は元に戻らないので、背中が丸くなったり、身長が低くなったりといった状態が残ります。
脊椎分離症
背骨の突起部分の根元が分離してしまう状態です。
青少年期に腰に過度のストレスがかかり疲労骨折を起こすことが原因とされています。
腰痛は主に運動時や後ろに腰をそらしたときに起こることが特徴です。
脊椎すべり症
積み木のように重なった背骨の上の部分が、下の部分に対して前方にすべってしまった状態です。
先ほど紹介した分離症が生じると、背骨の安定性が失われすべり症が生じやすくなります(分離性脊椎すべり症)。
また、分離症がなくてもすべりが生じる場合もあり、変性脊椎すべり症と呼ばれます。
腰の痛みの他に、太もも裏のしびれや脚の脱力感が生じることもあります。
結核性脊椎炎
結核菌による感染が背骨に生じて起こる病気です。
感染した部分に痛みを生じます。
疲れやすい、微熱、寝汗などの全身症状がみられます。
強直性脊椎炎
若い男性に生じやすく、原因がまだはっきりとわかっていない病気です。
朝に動きにくさを感じたり、運動しているときより安静時に痛みが生じたりするのが特徴です。
年齢の経過とともに、徐々に関節が固まってくるため、動きにくさが増してきます。
腰痛症
非特異的腰痛とも呼ばれ、特別な原因がみられない腰痛を指します。
が、腰痛の主だった原因となっています。
『ぎっくり腰になった』という症状は?

『グキッ』とした感じで腰に激痛が走ったと感じた時
- 最初は違和感程度だったがどんどん痛んできて、耐えられないくらいの激痛になった
- 急に腰が痛くなって立てない、歩けない
- 腰を曲げたり反らす動作ができない
- じっと横になっているとなんとか耐えられるが、他の動作ができない
- 痛くて寝返りがうてない
などの状態が急性的に生じてきます。
この状態を一般的にギックリ腰といわれています。
こんなときは、すぐに専門の医師の診断を受けることが必要です。
ぎっくり腰は急性腰痛症といい、短期間(2週間〜3ヶ月程度)で回復するものと思ってください。
原因のはっきりしている腰痛は、特別な治療が必要とされますが、非特異的腰痛の場合は、日頃の運動やストレスケアなどの生活習慣の改善で予防していくことが重要になります。
心配のない場合もありますが、中には早急に対応が必要な場合もあり、放っておくと症状の悪化を招くリスクがあります。
気になる場合は、お近くの整形外科を受診しましょう。
ま と め

腰痛には、原因が特定できるものとできないものがあるようです。
原因がはっきりしているものでも、明らかに腰への刺激によるものと、身体の異常からくるものもあり、腰痛だからと気楽に考えると大事に至ってしまうということもあるようです。
何事も軽視することは黄色信号を見過ごしてしまう危険性をはらんでいるのです。
腰痛という黄信号がでたと感じた時、専門の医師に相談することが最大の治療につながります。
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