膠原病の症状は非常にわかりにくいのが特徴です。
最初は風邪のような症状であることが多いのです。
したがって、軽く考えて放置してしまいがちなんですね。
しかし、もしこの症状が『膠原病』だとしたら?
できるだけ早く治療に入ることが治すための最重要ポイントです。
風邪ではないのに微熱が続く
- 体のふしぶしが痛い
- 体に力が入らない
- かゆみのない発疹が出た
- 手の指先がこわばる
このような症状があるときは膠原病も疑われるので、早めに病院に行ったほうが良いと思われます。
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膠原病ってそもそもどんなもの?

膠原病という病気を知っていますか。多くの方にはあまり馴染みのない病名だと思います。私自身も、この病名を最近まで知りませんでした。
しかし、友人がかかり、この病気の怖さを知りました。
この病気は、比較的女性の発病が多いです。さらに、若い女性が発病することが多く、年齢とか老化には関係ない病気です。
主な発病年齢は、20代~40代が多いと言われています。
EXILEのMATSUさんや女優の酒井若菜さんなども、闘病中であり、健康に活躍された方含め健康診断などでも異常がない人にもかかる可能性があるところが、非常に恐ろしい病気です。
その中でも、1番の怖さは、主な原因があまり明確にされていないところです。
少し昔までは、原因不明の病気と言われていました。今でこそ、免疫異常や遺伝、体質などが原因ではないかと、研究がすすみわかったことも増えてはきていますが、まだまだ未知の部分が多い病気です。
そのため、予防法もほかの病気と比べて確立されておらず、認知度も低いのが現状です。
認知度が低い要因としては、非常に複雑な病気であることも関係しています。
この病気は本来アレルギー疾患の一種です。免疫は体外から入ってきた異物などを攻撃するものですが、誤って自分の臓器や組織を攻撃してしまうことから発病します。
そのため、膠原病とはいっても、自分の免疫によって攻撃されたところによって、病名が変わるのです。
例えば、関節だと慢性関節リウマチ、皮膚や筋肉の場合は多発性筋炎、体の全体だと、『全身性エリテマトーデス』という病名になります。
そもそも、膠原病は診断名ではなく、全身の血管や皮膚、筋肉、関節などに炎症が見られる病気の総称であり、病気の考え方の名称です。
そのため、自分の免疫によって体が攻撃される自己免疫疾患の考え方の1つということになるのです。
しかし、現在は膠原病は、病名であると、誤った認識で捉えている方も少なくありません。
このように、名称が変わることや誤った認識が広まっていることから、正しく膠原病を理解している方は少ないと言えます。
また、『早期発見』がポイントになると言われておりますが、非常に初期症状が分かりにくいです。
発熱や関節痛、しびれや倦怠感など、風邪薬や湿布を貼っておけば、治るのではないかと思われるような軽い症状が出てきます。
そのため、膠原病と気付くまでは非常に時間がかかります。
このように、初期症状が分かりにくく、多くの方に病気の認識がないため、非常にやっかいな病気であることが言えます。
膠原病の症状は風邪と同じなの?
これまで膠原病についての、概要や症状の種類などを説明してきました。これからは、症状の一つ一つについて注目して説明していきます。
まず、よく見られる症状として、膠原病による発熱があります。
インフルエンザや風邪ではないのに1ヶ月など長期に渡って、微熱が続きます。また、高熱ではないため、いつか治るだろうとそのままにしておく人も少なくありません。
私の友人も、長期に渡り風邪が続いていたのですが、市販薬の処方でしか対策をとっていませんでした。
体温は、38度にも満たない、少し高めの熱が続きます。
この微熱が、長い間続くようであれば、専門の医療機関にしっかり診断してもらうことが重要です。
さらに、発熱に伴い、食欲不振や倦怠感などを伴います。
どの症状も非常に軽いため、放置しがちですが、目安として1ヶ月以上続くのは膠原病にかかっている可能性があると言えます。
膠原病の中でも、微熱の症状を発症するのは、
- 全身性エリテマトーデス
- 結節性多発動脈炎
- 顕微鏡的多発血管炎
- 高安動脈炎
などが挙げられます。
『全身性エリテマトーデス』は、全身の諸臓器に対して自分の抗体が攻撃をする病気です。
『結節性多発動脈炎』や『顕微鏡的多発血管炎』、『高安動脈炎』の場合は、免疫異常などによって、動脈に炎症をおこす病気です。
どの血管が炎症を起こしたかによって、症状は変わりますが、発熱は初期症状として、ほとんどの場合にこります。
また、
- 結節性多発動脈炎
- 顕微鏡的多発血管炎
- 高安動脈炎の場合
は、微熱ではなく、38度の高熱を伴うこともあります。
これらの病気は、攻撃される場所や炎症をおこす血管によっては、死に至る場合もあります。
そのため、初期症状である発熱の段階で早期発見することが重要なのです。
【膠原病の症状】体のふしぶしが痛い
膠原病は発熱と同様、初期にあらわれやすい症状として、体のふしぶしに痛みを感じるということが挙げられます。
この症状も、急激に痛くなるわけではなく、軽い関節痛のようなものが長く続くといった状態です。
また、インフルエンザなども似た症状がでるため、高熱を伴う膠原病の場合は、高熱と軽い関節痛で、インフルエンザにも勘違いされやすいです。
しかし、膠原病の場合は、痛みを感じる場所が数箇所あったり、日によって痛みを感じる箇所が変わるといった特徴があります。
これらの症状が出た場合には、膠原病を疑ったほうがいいかも知れません。
初期症状では、軽い関節痛のような痛みですが、病気が進行していくごとに痛みは増していきます。
体の関節や筋肉に痛みを来たすのが、リウマチ性疾患と呼ばれる疫病です。
膠原病はリウマチ性疾患を含んでいるため、ほとんどの病気で関節痛を感じます。
また関節痛は、比較的大きな関節でおき、左右対称に発症します。
このような特徴をもった関節痛が続くようであれば、注意が必要になります。
【膠原病の症状】体に力が入らない
膠原病は関節痛のほかにも、体に直接あらわれる症状がいくつかあります。
その1つが、体に力が入らないという症状です。
関節に痛みを感じるだけでなく、筋力が落ち、筋肉に力が入らなくなってしまいます。これらの症状は、血管の炎症のほかに、筋肉で炎症が起きている皮膚筋炎でも見られます。
階段の上り下りが辛い、腕を上げるのが辛いといったものから、ものが飲みにくいといった症状まで、人によって症状が現れるところが違います。
また、筋肉と同時に皮膚にも炎症がおこる場合も多く、体に力が入らないと同時に発疹ができる場合もあります。
初期の場合は、日ごろの生活に少し支障をきたす程度の症状ですが、これらが進むと、人によっては車椅子での生活を送らなければならないこともあります。
さらに、これらの病気は、小児から老人のかたまで、年齢関係なく発病する病気です。
そのため、全員が発病する可能性があります。長期にわたって、症状がでているのにも関わらず、老化による現象や筋肉痛などと、自分で判断することが命取りにもなるのです。
【膠原病の症状】かゆみのない発疹
血管の炎症で関節に痛みを感じ、筋肉の炎症で体に力が入らなくなったり、筋肉に痛みを感じます。
これらと同じように、皮膚が攻撃されることもあります。
その際に、できるのがかゆみのない発疹です。
長期的な微熱や関節痛に比べ、皮膚の表面に症状が出るため、膠原病であることに、皮膚に異常がでて初めて気付く人も少なくありません。
このような、かゆみや痛みを伴わない発疹も、様々な病気で見られます。そして、発病する病気によってでき方の特徴も違ってきます。
全身性エリテマトーデスでは、顔に小さな発疹ができることからはじまります。
やがて、大きく左右対称のものができるようになります。
また、紫外線の影響も大きく受けるため、そこから、症状の進行が早まることもあります。
一方で、スチル病にも発疹はできるのですが、顔だけでなく、全身に異常ができます。
発熱に伴い、発疹ができますが、熱が下がると共に、徐々になくなってきます。
全身性エリテマトーデスとは違い、長期に渡って発疹ができるわけではないので、問題がないと勘違いされることも多くあります。
一般的に、皮膚に症状があらわれる場合は、膠原病だけでなく『感染症』などに、かかっている場合も考えられるので、症状があらわれた段階で、病院にいくことがおすすめです。
このような症状が出ることは膠原病の早期発見の、重要な指標となります。
体に異常が現れているようでしたら見逃さないことが大切です。
【膠原病の症状】手の指先がこわばる
膠原病の症状として、発疹に次いで発見しやすいのが手の指先がこわばるということです。
これらは、特に朝にこわばっていることが多く、左右対称に症状が出ます。
代表される病気としては、関節リウマチがあります。
関節リウマチは20代~40代の女性に多く、関節に炎症をおこすことで、発病する病気です。
また、関節リウマチは、手の指先に一番異常が現れやすいです。
そのため、初期の発見段階に手の指先のこわばりが当てはまるのです。
さらに、この症状はこわばりだけでなく、腫れぼったさも感じ、長期的にこれらの違和感を感じます。
一過性のものだと判断する前に、関節リウマチを疑い、専門機関に相談することが重要です。
関節リウマチ自体は、病気が進行すると非常に苦しい状態になります。
指先のこわばりから、全身の関節痛へとつながっています。
人によって差があり、数箇所のみ痛みを感じる人から全身の関節の痛みを感じる人までいます。
感じる痛みは非常に強く、長期に渡って続くので、日常生活でさえ大きな苦痛を感じます。
全身の様々な関節に痛みを感じる人は、微々たる動作でさえ、動くのが苦痛になります。
さらに、骨格の変形もすすむため、症状も見えやすいのも苦痛の原因となります。難病とも言われ、重い病気と捉えられています。
しかし、早期発見であれば、薬の処方によって、痛みを和らげることもできます。
完治というのはなかなか難しい病気ですが、進行を遅らせることで、大きく改善できる病気でもあります。
他の膠原病と同様、症状が現れた場合は、一刻も早く、検査を受けるなど早い段階での対処が重要なポイントとなります。
膠原病の予防法は?どのようにしたら良いの?

膠原病の予防には、まず、体力をつけ免疫力を高めること。
次に、日光を避けること。
紫外線で皮膚の炎症が起きやすい方は、日焼け止めクリームや長袖を着るなどの対策をとってくださいね。
次に、風邪などの細菌による感染を防ぐ。
健康体な人でさえ、体が細菌に侵されると免疫力がグッと低下します。
- うがい
- 手洗い
- マスク着用などを心掛けてください。
- ストレスを溜め込まない。
- 十分な睡眠をとること。
膠原病の元凶は、日常生活の中にあることが多いようです。
生活習慣や食生活の改善など、一見簡単そうですが、これを生活に取り入れるとなると至難の業ですよね。
でも、膠原病はとても怖い病気です。
少しづつでも良いのです。
生活習慣を変える努力が、膠原病予防にもなります。
膠原病と診断された人たちの不安

これまで、膠原病の初期症状から重い症状まで紹介してきました。
病気の苦痛も人によって様々です。しかし、共通するのは多くの人が膠原病に不安を感じているということです。
膠原病は、一般的に完治するのは難しいといわれている病気です。
膠原病は、初めに述べたようにこれといった原因が分かっていません。
少しずつ解明はされているものの、
- 遺伝子性のもの
- 免疫異常
- 紫外線
など、比較的抽象的なものしかあげられていません。
そのため、確実な治療法がなく、患者さんが不安を感じるのも当たり前です。
また、完治をしないということは、いつ悪化するか、再発するか分からない病気をかかえたまま、日常生活を送らないといけないということになります。
これも、膠原病で不安をかかえる原因のひとつです。
私の友人も、紫外線を受けるため、外出を控えるなどの様々な制限がありました。
また、長い間の検査入院を強いられ、外の生活から離れた日々を過ごしていました。
友人本人も、完治が難しいことは理解していたので、診断を受けた当時は、これからの未来に不安があり、人に会うのさえ避けていました。
また、自分だけ外から取り残されているような感覚におちいったり、これから普通の生活を送れないという不安で押しつぶされそうだったということを話していました。
これらは私の友人だけでなく、多くの患者さんが感じることだと思います。
病気の検査方法も症状も複雑であり、さらに原因不明となると、不安になるのも当たり前です。
しかし、私の友人はこの病気とうまく付き合うよう努力するまで回復をしました。
食生活や紫外線など、日常生活でも気をつけないといけないことは多々ありますが、私たちと変わらない生活を送っています。
ストレスをためることは実は膠原病に悪影響を与えます。
実際、笑いが増えることが膠原病を和らげるという研究結果も出ています。
人によって、症状の重さに違いがあるため、必ず改善するということは言えませんが、完治が難しい病気だからこそ、ポジティブに病気と付き合っていくことが重要です。
また、最近では、以前に比べて、格段に原因解明も進んでいます。
また、膠原病も完治とまではいかなくとも、完治に近い、最大限にいい状態である寛解という状態まで持っていけるようになりました。
私の友人は、初め病気と向き合えず、何もかもを諦めていました。しかし、徐々に受け入れ、病気に対して調べたり理解を深めるようになっていきました。
ま と め

膠原病診断されると、不安が大きく、理解が難しい病気だからこそ、受け入れるには時間がかかると思います。
それでも、時間をかけて病気を受け入れ、うまく付き合うことが重要です。
そして、予防することの大切さを思い知らされます。
日常生活において、ただ単に『風邪』などと自己判断しないで、微熱や関節痛を伴うときは、お医者さんに相談しましょう。
日光を避けないといけない病気、膠原病は大変ですね。ビタミンDを形成するための日光照射が出来ないと骨の形成が心配ですね。