難病と言われる膠原病ですが、特に女性に多い病気と、いわれています。
早期発見によって治療をスムーズにすすめることが可能です。
膠原病の初期症状は、原因不明の発熱や関節痛など、風邪の症状と似ているため見過ごすことが多いようです。
膠原病の疑いがあるときは、病院の何科に行けばいいのか?
膠原病の検査にはどのような項目があるのか?
膠原病の専門医や専門医療機関を探す方法などについてご紹介します。
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膠原病の検査は何科に行けばいい?~治すには早期発見が重要~

色々な症状がある膠原病ですが、治療には早期発見することが大切です。
もしかしたらという不安がある時は、一体どこの診療科に受診したらよいのか判断が難しいですよね。
そんな時には、まず、かかりつけの医療機関で診察を受ける事を、おすすめします。
診察の際には、『膠原病』の心配があることを告げ、受診します。
医師の判断で、さらに詳しい検査が必要な場合は、専門の医療機関を紹介してもらえます。
全国に膠原病の専門医がいる医療機関がありますので、あらかじめネットで検索して調べても良いでしょう。
膠原病は『合併症』を起こす為、治療をする診療科も人それぞれ異なってきます。
一般的には内科が多いのですが、病院によってはリウマチ科や膠原病内科で診察、治療を行う場合もあります。
まずは、かかりつけの医療機関で相談をしてみましょう。
膠原病の検査には入院が必要?入院するまでの診療判断は?
膠原病は、大変判断が難しい難病の一つです。
検査に入院が必要になるかどうかは、医療機関によってよっても異なります。
血液検査だけで判断する場合もあれば、検査入院をして色々な検査を行う病院もあります。
また何回か検査のために通院をするなど、それぞれの様子を経過観察することで膠原病の診断を行う場合もあります。
血液検査では、
- 炎症反応や血球成分の異常があるかどうか、
また、免疫異常をおこす
- 自己抗体
- 血清生化学検査
- 尿検査
なども行われます。
大切なことは最初に膠原病の専門医に相談すること。
専門医のいない病院では、正しい診断がされない事もありますので、時間と医療費の無駄にもなってしまいます。
気になる症状がある場合は、必ず『膠原病』かもしれないことをまず医師に告げることが大切です。
入院する場合の費用・日数は?
膠原病の症状には共通する点はありますが、疾患により症状の種類が異なりそれぞれの方でその度合いも違います。
膠原病の特徴は、悪くなったり、回復したりする状態を慢性的に繰り返す事です。
そのため治療も難しく、長期間にわたるケースがあります。
入院して治療をする場合は、何か月もかかる場合もあり、薬の副作用で苦しむ患者さんや、社会的にダメージを受けてしまう方も少なくはありません。
しかし、近年では色々な治療方法も確立されているため、長期入院は、少なくなっているとも言われています。
通院しながら治療も可能な為、薬で症状をコントロールできる場合は、長期の入院は必要ありません。
また、治療にかかる費用は、膠原病の中には、検査の回数や内容で診療費用の負担が大きくなることがあります。
膠原病の中には、非常に難病なため頻回に行う検査や、治療に対して患者さんの負担がとても大きくなるケースがあります。
膠原病は、公費負担の対象になっている指定難病のため、そのため費用の負担は優遇され、月に数千円程度の場合もあります。
ただし、公費負担を受けるには、国や地方自治体が指定した難病患者としての認定を受けることになります。
手続きは、所定の用紙に必要事項を記入して、国又は地方自治体に提出して、認定を受けることです。
認定に必要な申請用紙は、近くの保健所に備付けられています。
この認定申請書の記載には、かなり専門的な項目もありますので、膠原病・リウマチの専門医(主治医)が、記載することが望まれます。
難病認定を受けることで、国や地方自治体が、指定した難病疾患に限り、費用の一部負担金免除制度を受けることができます。
膠原病の検査とは?知っておくべき9のこと

難病の膠原病は、病名が確定してからも、治療中に何度も検査を行います。
まず、一般的な検査には診断する為に血液検査が行われます。
そして、
- 病気の現在の状態を知る為の検査
- 治療中に行う検査、薬の副作用の状態を検査
- 合併症
の検査なども行います。
診断は、『厚生労働省が定めている診断基準』に基づいて行われますが、その基準に満たない軽症のケースやなかなか判断ができず膠原病の疑いがある、という判断がされることもあります。
具体的な検査は
- 血液検査
- 尿検査
- 画像検査
- X線
- CTスキャン
- 心電図
などの機能検査など、それぞれの症状に合わせて検査が行われています。
膠原病の特徴的な症状は、専門医の場合は、問診と診察だけでもおおよその判断ができるとも言われていますが、正しい判断をするためには様々な検査が必要になります。
膠原病の検査って痛い?
膠原病の検査には、血液検査は欠かせません。
通常の疾患を検査する場合でも、血液検査を行うことが良くありますが、血液検査自体の痛みは血液を採取する時の針の痛みがあります。
その時の体調等にもよりますが、痛みとは別に、
めまい
貧血症状
を起こすこともあります。
しかし、膠原病の場合は複雑な病気が色々と疑われる為、検査も決して一つだけではありません。
湿疹の症状がある場合には生検検査を行う事もあり、この検査では皮膚を一部切り取って検査をします。
また、腎臓に針を刺して炎症の具合を検査する場合もあります。
検査方法によっては外科的になり、体に負担がある場合もあります。
膠原病の検査では、静脈血を採取してする臨床検査により、色々な情報を得ることができますので、特に、早期診断には血液検査が欠かせません。
結果が出るまでの時間
膠原病の検査でまず行われる血液検査
検査内容が少ない場合であれば『1時間』程度で結果がわかる場合もあります。
しかし、膠原病は大変複雑な病気なのです。
膠原病とは、全身の
- 血管
- 皮膚
- 筋肉
- 関節
などに炎症が見られる病気の総称で、検査も慎重に行われます。
血液の一般検査以外でも、尿検査や酵素活性の検査、さらにスクリーニング検査などもありますので、内容によっては結果がでるまでに『数週間』かかる場合もあります。
また、はっきりした症状がある場合は、確認をしながら疾患を特定するスクリーニングもあります。
検査内容が、精密になるほど結果がでるまでに、時間がかかってしまいます。
膠原病は、総合的な判断が必要になりますので、何度も検査をすることが一般的です。
正確に病気を把握する為にも、膠原病の専門医がいる医療機関で相談するとよいでしょう。
血液検査

血液検査で調べることは、病気の原因となる炎症を見つけるもの。
そのためにまず調べるのが赤沈(赤血球沈降速度)。
また
- 赤血球
- 白血球
- 血小板
の成分検査
- 血清の液体成分
も検査が行われます。
炎症がある場合は、赤沈の数値が高くなり、血球の検査では、たんぱく反応が陽性となります。
さらに、血液検査で調べることは『自己抗体』があるかどうか。
膠原病に共通する点の一つとして『免疫異常』があります。
この原因となる自己抗体の有無や種類も血液検査によって診断されます。
そして『血清生化学検査』では
- 血清補体価
- 筋原性酵素
- 腎臓機能検査
など、内臓機能を調べる物質を判定する検査も行われます。
膠原病の検査では必ず行う『血液検査』ですが、患者さんの病気の状態を知る為にも欠かせません。
尿検査
膠原病は、腎臓障害が現れる特徴があります。そのため検査では尿検査も大切です。
まず『尿たんぱく』を調べます。
●健康な人の場合は、たんぱく質は少ないのですが、腎臓に異常があると、糸球体が傷つき、尿から『たんぱく質』がでてしまいます。
膠原病の中の一つ、全身性エリテマトーデスは『初診時の尿検査で、たんぱくがみられるケースが多いといわれています。』
尿検査で、たんぱくが『陽性』と判断された場合には続いて、
尿沈渣検査を行います。
●この検査では尿を遠心分離器にかけて成分をさらに詳しく、顕微鏡で調べるものです。
そこで尿に
●赤血球が多い場合は腎炎の可能性があり、
●円柱細胞がある場合は腎臓病の可能性があると判断されます。
尿検査は一日に排泄されるすべての尿を検査したり、数日かけて検査を継続する場合もあります。
画像検査で何を調べる?

膠原病の画像検査で調べることは、まず関節のダメージの度合い。
そして
- 心臓
- 肺
- 消化器官の障害
がどれほど進行しているか、ほかにも疑われる病気の症状を見つける為、色々な目的で画像検査が行われています。
もっとも多い方法がX線検査。
胸部X線検査では、全身性エリテマトーデスによる胸膜炎の検査や、皮膚筋炎による間質性肺炎、多発性筋炎などが調べられます。
そして、関節リウマチの場合も画像検査を行いますが、ここでは骨と関節のX線検査により骨の破壊状態を検査します。
画像検査はX線以外にも超音波、CTスキャン、MRIなどと使って検査する場合もありますが、これはX線検査の補足として行わるケースが多く、必要に応じてさらに検査を行います。
生理学的機能検査とは?
理学的機能検査とは、心電図や筋電図を使用して体のそれぞれの部位が正しく機能しているかどうか調べる検査です。
まず膠原病の検査で行われるのが心電図。
- 心電図では心臓が収縮して血液を送りだす際に発生する電流を波形にして調べるもの。
- 膠原病の場合は不整脈などの症状がおこる為、心電図で異常が認められます。
また、脳波を調べる為の検査では、
けいれん発作や意識障害などの膠原病の検査を行う為、頭に電極を装着して脳波検査を行います。
それ以外にも生理学的機能検査では筋肉が発生させる電流を波形に描きだす筋電図の検査を行い、筋力がどれほど低下しているかなどの検査も行います。
筋電図は、痩せて筋力が減少している患者さんに行う場合が多く、治療期間中にも病状の進行を調べる為に行うことがあります。
貯留液の検査とは?
膠原病の検査で関節リウマチを検査するために、主に行う貯留液の検査です。
お腹に水が溜まってしまった場合や関節が腫れている時に、その部分から注射器を使用して液を取り出し成分を調べる検査です。
炎症が激しい関節リウマチの場合には、今後の治療方法を決める為にも欠かせない検査の一つです。
部分麻酔を使用して注射針を刺しますので、痛みはそれほど心配するものではありません。
関節液や胸水などは膠原病以外の細菌感染による合併症の可能性もありますので、病気の診断にも必要な検査です。
組織検査で何を調べる?
組織検査と呼ばれる病理組織学的検査は、病変のある組織を採取して顕微鏡で検査をする方法。
直接的に病気の部位を検査できる為、とても効率的な診断ができる方法です。
組織検査は検査と言っても外科的な手法を使い、メスを入れて皮膚を切除する為、患者さんは自身の体の負担にも慎重にならないといけません。
全身性エリテマトーデスや強皮症などの検査として行いますが、筋肉痛があるときは筋肉から、湿疹は皮膚から採取するように、原則的に症状がある臓器の一部を採取します。
- 筋肉の検査は、多発性筋炎血管炎症候群を調べる目的
- 口唇の粘膜を採取するのはシェーグレン症候群の検査
- 腎臓の一部を検査するのは全身性エリテマトーデス、または腎臓障害の有無をチェック
このように患者さんの症状に合わせて体の組織の一部を採取する検査方法です。
眼科的な検査をするのはなぜ?
膠原病の検査で眼科的な検査をする場合があるのは、病気の症状として眼に病変がでる場合がある為です。
膠原病の患者さんは定期的な眼科検診が勧められています。
シルマーテストと呼ばれる検査は、シェーグレン症候群によりリンパ球が慢性的に涙腺を潤滑する症状を調べるもの。
そのためシェーグレン症候群になると涙の分泌量が減ってしまうことが特徴です。
シルマーテストでは、試験紙を眼に挟んで何ミリ濡れるか検査を行い、5ミリ程度の場合は、ドライアイと診断されます。
また眼科的検査では、全身性エリトマトーデスの白斑を調べる場合もあります。
眼底検査を行うと眼底に白斑の有無がわかります。
ベーチェット病の場合は、ぶどう膜炎により深刻な視力障害が起こるケースや、側頭動脈炎になると、網膜が炎症を起こして最悪失明する可能性もあります。
このような眼底に行る病変も検査する事も眼科的検査の一つです。
膠原病の検査結果の見方

膠原病の検査結果が出ても、数値だけで病気を診断することは難しいのですが、疑いがある病気を見つける為の最初のステップになります。
まず検査に欠かせない血液検査の見方ですが、膠原病の可能性がある数値は免疫系の血液検査結果。
- RA-T
- RAPA
- 抗CCP抗体
数値が基準を超えてしまうと関節リウマチなどの膠原病の疑いがあるといわれています。
病気の活動性を判断するためにも大切な数値で、診断の目安としても注目したい検査結果です。
そして同様に関節潤膜細胞の増殖を調べる数値、MMP-3が多い場合も、関節リウマチの可能性があるといわれています。
この数値は男女によって基準値が異なります。
また膠原病のひとつ、全身性エリテマトーデスは、白血球、赤血球、血小板の数が減少したり、血沈の検査で高い数値がでることが特徴です。
血液検査の数値でわかること
血液検査の数値でわかることは、炎症の進行具合です。
炎症がある場合は、血沈の数値が上昇しますが、膠原病以外にも感染症やガンでも同様の検査結果がでることがあります。
また同様にCPRと呼ばれるたんぱく質の有無も検査結果によりわかりますが、炎症がある時は血液中のこの数値が陽性になります。
また膠原病に多い『免疫機能障害』ですが、
●血液検査では、抗核抗体検査により異常を発見し、治療に必要な情報を収集します。
●正常な場合は、陰性結果が出るのですが、
●膠原病の場合は、陰性でも病気の可能性が疑われる場合もあります。
また血清検査では、病気の細胞が血液中の血清に放出される場合もあるため、
●血清生化学検査により成分の分析をして病気の進行具合を調べることができます。
多臓器疾患を起こす膠原病は、このような様々な血液検査の結果が診断や治療に欠かせません。
膠原病の専門医を探す方法

膠原病の専門医を探すには、まず膠原病内科やリウマチ科などの専門診療科がある病院がオススメです。
膠原病は合併症をはじめ、臓器障害を起こす為、あらゆる角度からの治療も必要になります。
そのため膠原病の専門医がいる総合病院や充実した検査設備などが整っている医療機関のほうが患者も安心して治療を受けることができます。
また膠原病の専門医を見つけるにはインターネットで検索する方法もオススメです。
通院しやすい、アクセスの良い病院や医師の情報なども参考にできます。
さらに日本リウマチ学会や日本リウマチ財団のホームページからも専門医や教育施設、またリウマチ登録医制度に登録された医師がいる医療機関を調べることもできます。
そして、国で承認された『特定機能病院』もあります。
高度の医療の提供、高度の医療技術の開発及び高度の医療に関する研修を実施する能力等を備えた病院として、全国で84病院が承認されています。
どこから始めてよいかわからない場合は、まずはかかりつけの医療機関で相談をしてみましょう。
ま と め

一概に膠原病といっても、身体のあらゆる部分の変調からも発症する病であり、その初期症状は、風邪をひいた症状に、似ているといいます。
日常生活の中にも、難病と言われる膠原病の予兆があるということですね。
マスクをかけ、紫外線をさけ、規則正しい生活環境をつくる等、自己管理が、一番の予防法といいます。
膠原病には、決して怖がらず、真正面から向き合い、予防に対する日頃の心がけが大事なのですね。
難病に認定されている病気なんですね、膠原病は大変そうですね。私もいつどんな病気になると分からないので、貯金をして備えておきたいです。
膠原病内科に行くと診て貰えるのですね。私も何か似たような症状が出たらそちらに行ってみようと思います。なりたくはありませんが…