アメリカのアメリカによる世界戦略の幕開けでしょうか?
トランプ大統領の誕生により、疲弊した国力を元に戻すという政治活動が推し進められようとしています。
1月20日、第45代米大統領に就任したドナルド・トランプ氏、その政権運営はどうなのか?
トランプ大統領の対外政治(外交)手腕は、今後どのように評価されていくのか。
『トランポノミクス』と呼ばれる世界戦略を、今回は『行動心理』の面から分析してみようと思います。
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トランプ新大統領は仮面?

トランポノミクスは、2つの『ペルソナ(仮面)』を冠っています。
2つのペルソナとは、
- 『米国第一の排外主義』
- 『朝令暮改のポピュリズム(大衆迎合主義)』
の2つです
なぜトランプ大統領は、2つのペルソナを冠らなければならないのか?
心理学者カール・ユングは、人間の外的側面を『ペルソナ』と呼んでいます。
例えば、
- 周囲に適応するあまり『硬い仮面』を被ってしまう場合
- 『仮面を被らない』ことにより自身や周囲を苦しめる場合
などがあります。
これがペルソナなのです。
逆に内界に対する側面は
- 男性的側面を『アニマ』
- 女性的側面を『アニムス』
と名付けました。
男性の場合にはペルソナは『男らしさ』で表現されます。
しかし内的心象は『女性的』である場合があり、これがアニマです。
女性のペルソナは『女性的な側面』で表現される。
しかし、逆に内的心象は『男性的』である場合があり、これがアニムスです。
ペルソナは夢の中では人格化されず、一般に衣装などの自分の外的側面で表されることが多ようです。
ペルソナは、トランプ氏の外面性の象徴です。
つまりペルソナは、人間としての人格や価値観から、
- 起業家としての才覚や
- 人たらし力
政治家としての資質や権謀術数に至るまでのプロフィールや世界観を、包括的かつ適確にイメージづけなければならないのです。
したがって、トランプ新大統領のペルソナは、世界を惑わし、フェイントをかけるフェイク(だまし)戦略でなければならないし、架空のイメージを操作するVR(ヴァーチャル・リアリティ)戦略
でなければ、成功は覚束ないのです。
孤立外交はフェイク?
- 環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱
- 保護貿易
- 対中牽制
- 偏見に満ちた人種差別
- イスラム教への抑圧
- 中絶拒否の女性蔑視
- 日米同盟の軽視
- トヨタ自動車などへの政治介入
など、フェイク(だまし)戦略を数え上げればキリがないです。
トランプ大統領のペルソナ?
- 懐柔
- 陽動
- 目くらまし
- を食わせる。
- 前言を事もなく
- 翻し
- 開き直り
- 欺く
羊頭狗肉を売りつつ、何が実体なのか、何が正像なのかを公然と隠蔽し、懲りないのです。
ペルソナは本質を見誤らせ、世界を混乱に陥れるにちがいない。
トランプ側近は『3G』

トランプ政権は、捕らえ所のない、玉石混淆、魑魅魍魎のペルソナを冠っています。
その象徴が、トランプ大統領を担ぎ上げる『政治畑の若葉マーク』をぶら下げた異端者たちだ。
民主党のマカスキル上院議員は、いみじくも『3G』と命名した。
3Gとは、
- 大富豪 (Gazillionare)
- ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)
- 将軍(General)
を指しています。
共和党主流派の政治を拒むトランプ大統領は、独自の人脈から閣僚を選んでいるのだ。
大富豪 (Gazillionare)――。
ボストン・グローブ紙によれば、トランプ大統領の総資産は37億ドル(約4440億円)だが、閣僚には大富豪が多い。
教育長官ベッツィ・デボス氏の総資産は51億ドル(約6000億円)。
ウォール街の「再建王」と騒がれる投資家ウィルバー・ロス商務長官の総資産は25億ドル(約3000億円)です。
全閣僚の総資産の合計は131億ドル(約1兆5300億円)になります。
オバマ政権の5倍、ブッシュ前政権の実に34倍というから、開いた口が塞がらない。
正に、億万長者の大統領が億万長者に擁護されている。
ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)――。
トランプ政権内には金融大手ゴールドマン・サックス(GS)の出身者も少なくない。
経済政策の司令塔である国家経済会議議長は、GSのゲーリー・コーン前社長兼最高執行責任者。
財務長官は、元GS幹部でトランプ選対の金庫番だったスティーブン・ムニューチン氏。
という無類の敏腕揃いです。
ただ、大富豪や起業家ばかりが頭を突っ込んだ政権が
- 大規模減税
- 規制緩和
などの企業寄りの政策に突進すれば、トランプ大統領の勝利を支えた
『ラストベルト(さびついた地帯=アメリカ中西部地域と大西洋岸中部地域の脱工業化が進んでいる領域)』
の白人労働者の反感を買うだけでなく、景気浮揚につながる見込みも薄れてくるようです。
さらに、鼻につくのは、
将軍(General)や軍人の重用ぶり
- 国防長官は、イラク戦争で指揮を執り、狂犬の異名を誇るジェームズ・マティス元中央軍司令官(元海兵隊大将)。
- 外交・安全保障政策を統括する国家安全保障担当大統領補佐官は元国防情報局長のマイケル・フリン氏(元陸軍中将)だ。
特に、マイケル・フリン氏は、反イスラム主義の急先鋒と目され、『イスラム教を恐れることは理にかなっている。
- 『イスラム教は宗教ではなく政治』
- 『イスラム主義は悪質ながんだ』
と物議を醸す挑発的な発言に終始しています。
このような将軍や軍人の偏重は、南北戦争後の1869年に発足したグラント政権以来と皮肉る報道もあります。
文民統制のバランスは保てるのか?
将軍・軍人偏重の政権が、どのような外交・安全保障政策を進めるのかは、まったく未知数です。
トランプ一族も仮面!?

政権運営の偏向といえば、トランプ一族の影響力も無視できない。
欠かせない長女『イバンカ氏(35)』の存在
昨年7月の共和党大会では、父親を支援する演説会に駆けつけ、副大統領候補の人選や陣営の意思決定にも深く関わった。
ただ、
閣僚には加わらないが、トランプ大統領の妻メラニア氏はニューヨークにとどまることから、イバンカ氏が事実上のファーストレディーになる可能性がある。
イバンカ氏の夫ジャレッド・クシュナー氏(35)は、シリコンバレーの人脈によって支持者を結集させ、トランプ当選の立役者となった。
敬虔なユダヤ教徒の立ち位置を活かして、中東和平の交渉役を請負うかもしれない。
異端のペルソナは、まだいる――。

大統領上級顧問兼首席戦略官のスティーブン・バノン氏は、白人至上主義者で、『避妊は女性を醜くし、狂わせる』と女性蔑視の偏見が濃厚な人物です。
さらに、カリフォルニア大アーバイン校教授で、国家通商会議議長のピーター・ナバロ氏は、
『中国が雇用を奪っている。為替操作や不公正な貿易を止めなければ、高関税をかける』
と中国への敵対心を剥き出しにしている強硬派です。
台頭すると、対中政策にヒビが入る恐れもある。
トランプ政権は続くのか?

さて、トランポノミクスの『行動心理』と『ペルソナ』の実体を長々と分析して来ました。
世界が注視するトランプ政権は『100日天下』と揶揄する論調もいます。
もしも100日がマイルストーン(試金石)なら、トランプ大統領は、ロシアンルーレットの誘いに唯々諾々と乗ってはいけないし、中国の地雷原に勇んで踏み込んでもいけない。
トランポノミクスを陰で糸を操る?
その正体は庸(よう)として知れない。
だが、それが、
- ロックフェラー・コネクション
- 国際石油資本
- 産軍官コンプレックス
- トランポノミクス
は、世界の多極化をますます加速させ、平和の脆弱性を強める事実は決して変わらない。
トランプ大統領は、あえて危険なギャンブルに手を染めず、平和外交第一主義に徹してほしい。
ま と め

どうやらトランプ大統領の世界戦略が始まってきている様子が伺えてきました。
大統領令の続発が、それを証明している?
選挙公約の具現化などと言われてはいますが、常軌を逸したように、それも世界戦略の開始ではないかと目をみはるものがあります。
トランプ大統領の一言一句、一挙手一投足が世界規模で注目されています。
安心が第一、安全が第一の平和的外交の実現を期待したいものです。
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