毎年寒い季節になってくると流行する『ノロウイルス』。
ノロウイルスは毎年11~1月に流行する、感染性胃腸炎の原因となるウイルスです。
毎年100万人前後の方が感染しているといわれており、感染力がとても強いため、たくさんの人が毎年発症していることでも有名な感染症となっています。
また、ノロウイルスは子供が感染し辛い症状に悩まされているといった報告が多いですよね。
しかし一方で、中には症状が軽く済んだ大人もいるんです。
なぜノロウイルスに感染しながらも症状が軽く済んだのでしょうか?
軽く済んだ人はどんな症状だったのでしょうか?
症状が重い人・軽い人で個人差が出るのはなぜなのでしょうか?
冬の健康管理の予備知識として『ノロウイルスの症状が軽い場合』に焦点をあててご紹介していきます。
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感染力がヤバい!?ノロウイルスとはいったいどんなもの?

ノロウイルは主に人の手指や食品などを介して感染し、激しい嘔吐や下痢というとても苦しい症状を引き起こすことで知られています。
特に寒い冬は、家族の健康管理に気を遣うことでしょう。
子どものいる家庭は、特に感染症に注意が必要ですよね。
インフルエンザや風邪など、子どもが罹りやすい感染症は少なくない。
平成26年の厚労省の食中毒統計検査によれば、食中毒に罹った患者約1万7935人のうち、およそ7割がウイルス、2割が細菌で発症しているという現状があります。
ウイルス性食中毒のほとんどはノロウイルスが原因と言われています。
ノロウイルスは、感染力が強く、10~100個の微量のウイルスが口から入っただけで感染し『アウトブレイク』(感染症の集団発生)に至るリスクを孕んでいます。
さらにノロウイルスは、1968年にアメリカオハイオ州ノーウォークの小学校で集団発生した急性胃腸炎患者の糞便から検出され、2002年に国際ウイルス学会で、ノーウォークとウイルスを合成してノロウイルスと呼ばれるようになったのです。
そんなノロウイルスは、
- カキ
- アサリ
- シジミ
- ホタテ
などの二枚貝を食べて感染することが多く、ヒトからヒトへ感染します。
これらの二枚貝は、
- 主食のプランクトンと一緒に海中に漂うノロウイルスを吸い込み、中腸腺という器官に蓄える。
- ヒトが二枚貝を食べると、ノロウイルスは体内で増殖した後、ヒトの糞便に混じって下水処理されて河川へ放出される。
- 下水消毒では死滅せず、感染力を保ったまま海中で二枚貝に蓄えられ、ヒトが摂取してまた感染する。
このサイクルが繰り返されているのです。
つまり、ノロウイルスは、ヒトの腸管内でしか増殖しないといった特徴を持っています。
ノロウイルスの特徴としては、乾燥に強く、4℃でおよそ8週間、20℃でおよそ3~4週間も生存するというものがあります。
感染経路で最も多いのは、食中毒に感染したヒトの吐瀉物や糞便を媒介にして、ヒトからヒトへ感染するケースです。
吐瀉物の細かい飛沫が空気中を浮遊したり、床に落下したりして感染することも少なくないんです。
つまり、カキなどの二枚貝を食べなくても、『周囲に感染者がいなくても感染する恐れが十分ある』ということなんです。
どんだけヤバい感染力かはお分かりいただけたでしょうか・・・
【ノロウイルス】軽く済んだ?!症状はいったいどんなもの?

ノロウィルスに感染しても、人によっては
『少し下痢っぽいけどノロかな?』
『ちょっと胃がムカムカするけどノロにかかった?』
などと症状が軽くで済む場合があります。
そのときの特徴としては
- ちょっとお腹に違和感がある(お腹がゴロゴロする、胃のムカつきなど)
- 倦怠感、体がだるい
- 微熱(37度前後)
などが挙げられ、正直、風邪の症状と間違えてしまいますよね。
場合によっては感染しても上記のような症状すら出ない大人もいるようです。
激しい嘔吐や下痢で苦しむ人がいる一方で、
『なんかだるいなぁ~』という程度で済む人もいる・・・。
何が原因でこんな違いが出てくるのでしょうか?
【免疫力が生む】個が持つ「力」の差とは

ノロウイルスに感染したときに、症状が重くなるか軽くなるか?
その違いを生む大きな原因となるのが『免疫力』です。
もう少し細かくいうと『その時免疫力が弱いか強いか』です。
例えば、普段健康体の人でも、たまたま疲れていたり睡眠不足だったりして免疫力が落ちている時に感染すると、重い症状になってしまうことが多いということなんです。
こんなことってよく聞きませんか?
ノロウイルスに感染した子供を看病しているお母さん。
- いつもは健康で元気なお母さんでも、看病疲れや睡眠不足でもうヘトヘト・・・
- そんな時って免疫力も低下しているから、あっという間にお母さんにも感染。
- そして1週間ほど重い症状に苦しんでしまう。
子供やご年配の方は、免疫力が十分でない場が多く、ノロウイルスに感染して症状が軽く済むことはあまりありません。
しかし、健康な大人の場合は、その時々の身体が持つ『力』の強弱によって、ノロウイルスの症状の重さに差が出てくるのです!
ノロウイルスにかかった身内を看病するときも、二次感染を予防する対策はもちろんのこと、なるべく自分自身も疲れを溜めないように注意していきたいところですよね。
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【感染力】症状が軽かったらうつらないもの?

ノロウイルスの軽い症状は、前項でお話ししたように風邪と間違ってしまうほど似ているものです。
ノロウイルスの症状が軽かったりほとんど出なくて、本人が感染したという自覚がなく気付いていないというケースもあるくらいです。
では、症状が軽かったら周りにはうつりにくくなるのでしょうか?
残念ながら、ノロウイルスはそんなに甘くありません!
ノロウイルスの感染力はとっても強く、わずか10個~100個が体内に入っただけで感染してしまいます。
感染すると、24~48時間ほどの潜伏期間を経て発症するんです。
あっという間にあの苦しい症状が襲ってくるなんて、ノロウイルスって本当に恐ろしい!!
症状の軽い、重いに関わらず感染力は強いままで変わらないんですね。
かなり厄介ですよね。
もうご存知の方も多いと思いますが、ノロウイルスは患者さんの嘔吐物や便にたくさん含まれています。
その数はなんと1gあたり100万個~10億個!!
例え症状が軽かったとして嘔吐の症状が出ていなくとも、トイレで用は足しますよね。
そこで二次感染のリスクがどうしても出てきてしまいます。
自分は軽い風邪かなと思い込んで、知らぬうちに二次感染を引き起こしてしまうことだってあるんです。
ノロウイルスの症状の重い軽いを決めるのは、かかった人の免疫力の違いですからまわりの人が軽い症状だったからと言って、自分も軽く済むということはないのです。
まとめ

いかがだったでしょうか?
大人がノロウイルスにかかった時に、症状が軽く済んでしまう人がいるのは『免疫力』の強弱によって違いが出るんですね。
でも、ストレスになることが多かったり、疲れがたまっている時や睡眠不足で免疫力が低下しがちな現代人にとっては、ノロウイルスはまさに恐怖そのものです!
自分は体力には自信があるから大丈夫と過信せずに、ノロウイルスをはじめ他の感染症にかからないように、日頃からうがい・手洗いなどの予防策と同時に十分な睡眠と栄養で免疫力アップの身体づくりが必要なんですね!
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免疫力を高めてノロウィルスを防ぎたいですね。一言で免疫力を高めると言いますが、食べ物や運動などで高めると、イメージします。運動が苦手なので大変そう。