空前のブームを引き起こしたラグビー。
そのきっかけとなる一役を担ったのが『ラグビー日本代表』ではないだろうか。
そんなラグビー日本代表の中でも注目を集めた選手が『五郎丸歩』選手。
注目を集めるほどの実力者である五郎丸歩選手でも、この舞台に経つまでに数回の骨折を経験しているという。
中でも顔面骨折は、ラグビー界ではリスクの高い怪我の一つ。
そんな骨折について、五郎丸歩選手が語った発言が注目を集めています。
その言動から、現代人の『骨折』について今一度考えてみよう。
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【ラグビー日本代表】五郎丸歩選手が語った発言がヤバい!?

4年に1度の『第8回ワールドカップ(W杯)イングランド大会』で、初の1大会3勝を挙げたラグビー日本代表。
勝ち点の差によって、惜しくも決勝トーナメント進出はなりませんでしたが、優勝候補の南アフリカ代表に勝するなど、強豪国を撃破した果敢なプレーは国内外で非常に高く評価されています。
特に、計58得点を挙げた五郎丸歩選手は、正確なゴールキックでチームに貢献して、キック前に行う独特の『ルーティン・ポーズ』が注目されたこともあって、いまや国民的な人気選手となりました。
その五郎丸選手が、あるテレビ番組のなかで視聴者からの質問を受けて『ラグビーをやっている息子が骨折したが、どうすればいいか?』という問いに対して『骨はくっつきます、大丈夫!』と自信をもって答えていました。
五郎丸選手は、中学生になるまでに数回の骨折を経験して、2006年の「第60回東西学生対抗(全国大学オールスター)」では、顔面を骨折するという事態も経験したそうです。
身体と体が直にぶつかり合うスポーツのラグビーは、大きなけがや骨折を経験する可能性が非常に高いんです。
ちょっとしたけがなどはよくあることなのかもしれません。
【疑問】本当に骨折で骨は強くなるのか?

ただし、スポーツ選手ではない一般人にとって骨折は一大事ですよね。
ギブスなどの固定治療は想像できますが、その先のリハビリや機能回復に関してはどう対処したらいいのかわからない人が多いのではないでしょうか。
俗にいう『骨折を繰り返すと骨が強くなる』とは本当に事実なのでしょうか?
実は、実際のところは『たんなる噂』に過ぎません。
骨折の治療が始まれば、骨折や骨の欠損が起きた部分に、新しくできる不完全な骨組織『仮骨(かこつ)』が形成されます。
その時に『短期的に』骨が太くなるため、それが『骨が強くなった』という思い違いを生んだだけだと考えられます。
実際は、強くなったわけでないんですね。
骨粗鬆症のリスク!?40年前との比較がすごいことに

児童生徒の災害共済や健康増進に関する調査研究を行っている『日本スポーツ振興センター』によると、中学生が学校で骨折する発生率は1970年からの40年間で約2.5倍に増えているといいます。。
子どもたちの骨が弱くなっているのでしょうか?
骨量は小学校の高学年から20歳頃までの成長期に一気に増えます。
骨密度が最も増加する思春期(10〜15歳頃)にきちんと栄養を摂り、運動をすることで骨を育てないと、『40〜50代』になって『骨粗鬆症』というつけが回ってくる可能性が高くなるんです。
将来、骨粗鬆症で介護状態にならないためには、子どものうちから意識的に体を動かす必要があります。
骨は、適度な負荷がかかると、それに負けないように自分で自分を強くします。
また、運動によって骨にかかる負荷は、カルシウムを沈着させる作用もある。
筋肉を動かすことで、骨に刺激が加わり骨量が増えるのです!
昔に比べて子どもの遊びも体を使ったものが減り、遊びのなかで身体の機能を強化する機会が少なくなっています。
よく動く肩甲骨としなやかな股関節は、高い運動能力につながります。
肩甲骨や股関節をしっかり動かす運動を日頃から取り入れたり、正しい姿勢を維持するよう、子どもに注意を促すことも重要なのです。
栄養をしっかり!カルシウムの重要性

骨粗鬆症予防の啓蒙活動に力を入れている東京女子医科大・加藤義治主任教授は、10代は『骨の貯金』の時期と強調しています。
成長期こそカルシウムをしっかり摂ることが大切なのです。
桜えびやしらす干し、乳製品などのカルシウムを多く含む食品はもちろん、
カルシウムの吸収を助けるビタミンD
- しらす干し
- 鮭など
カルシウムの排出を抑えるビタミンK
- 納豆
- モロヘイヤなど
骨のコラーゲンの劣化を予防するビタミンB6
- レバー
- かつおなど
ビタミンB12
- しじみ
- 牛肉
- 葉酸
- レバー
- パセリなど
といった栄養素も積極的に摂りたいところです。
インスタント食品やジャンクフードといった塩分やリンを含む食品を過剰に摂取すると骨に必要なカルシウム不足になるから、なるべく減らすようにすることをおすすめします。
また、無理なダイエットは骨形成の妨げになるから禁物です。
骨の原料となるカルシウムの摂取基準・推奨量(目安)は
- 12〜14歳 男性1000mg、女性800mg
- 15〜17歳 男性800mg、女性650mg
- 30〜49歳 男性、女性とも650mg
(厚労省「日本人の食事摂取基準」2015年版、年代抜粋)
この数字を見ても成長期のカルシウム摂取量は大人よりも多く必要であることがわかりますよね。
あなたは大丈夫!?大人もヤバい骨粗鬆症
加藤教授は、同時に親世代である30代の生活にも注意を促している。
仕事や子育てに追われ、生活が乱れがちだ。つい朝食を抜いたり、運動をする時間が取れなかったり、仕事の付き合いから過度の飲酒をしてしまうなど、思い当たる人も多いのではないだろうか。こういった不規則な生活は骨にダメージを与えるという。
子どものロコモだけでなく、お父さん、お母さんも骨粗鬆症対策に取り組む必要があるようだ。子どもと一緒に運動することを習慣化し、一緒にカルシウムたっぷりの食事をとるよう心がけてはいかがだろうか。
【放置が危険】癒着に伴う可動域・感覚変化が慢性化のリスク

一方、我々一般人でも日常生活で起こしやすい骨折が何種類かございます。
『橈骨遠位端骨折』『脊椎圧迫骨折』、『大腿骨頚部骨折』であります。
これらは転倒時に起こります。
- 尻餅をついたり(脊椎圧迫骨折)
- 手をついたり(橈骨遠位端骨折)
- 横にこけたり大腿骨頚部骨折)
このようなことがあると起こります。
ご年配の方には多い症状です。
それぞれ固定期間や治療方法は違ってきますが、まずは、必ず骨折の後に医師、理学療法士などの専門家から、リハビリテーションを受けることでしょう。
固定をしたまま放置すれば骨折部分が癒着し、可動域が戻らなかったり、痛みを感じやすくなったり、慢性化することが考えられます。
理学療法士の三木貴弘氏は豪・Curtin大学で最新の理学療法を学び、『橈骨遠位端骨折の場合、複合性局所疼痛症候群(CPRS)という合併症が起きる可能性が考えられる。これは極度な熱感、腫脹などを伴い、動かすと激痛を伴うもの』といい、骨折後の処置や骨折部の管理がとても大切だと述べました。
骨折後の処置を適切に行えば、骨が強くなることはないのですが、弱くなったり動かなくなったりすることはありません。
しかし、骨折したことで動かせない状態が必要以上に続くと、その周囲の組織が癒着したり感覚が変化してしまったりして慢性化してしまうのです。
骨折後に日々の運動量が減る人は非常に多いようです。
三木氏は、『固定期間を終えた後も、勝手な判断をしないで担当医などと一緒にリハビリテーションをすることも忘れないでほしい』と勧めています。
まとめ

今回はラグビー日本代表の軌跡から多くのことを学ばせていただきました。
中でも、五郎丸歩選手が発した言動が、こうした現代人の健康について今一度見直すきっかけを与えてくれたのではないでしょうか?
骨はあなたの将来のADL『日常生活動作』を決定づける最も重要な一つの要因になります。
骨粗鬆症に伴う骨折を繰り返してしまうと、あなたの将来は『寝たきり』へ一直線です。
あなたにお子様がいらっしゃれば、とても健康的とは言えない身体となってしまいます。
食事や運動であられる健康について、もう一度考え直し、改めるべき点がないか確認する良い機会なのではないでしょうか。
スポーツは体を張った競技ばかりですので、選手の方達は大変な目に遭ってしまうと思われます。五郎丸歩選手はとても人気になりましたね。
顔面骨折てどうなるんでしょうか?痛そうですね。ラグビーは体当たりのスポーツなので、顔も体もボロボロになりそうですね。治療をして良くなってください。