花粉症の治療に使う抗ヒスタミン薬にステロイドが含まれているのは有名な話ですよね。
治療に効果があるのですが、ステロイドの副作用を心配している人も少なくありません。
そして、ステロイドの副作用に躊躇する意見もあり、治療に効果的に作用するとしても、その使用を拒否する人も多くいるようです。
花粉症などの治療に効果を期待しつつ、ステロイドの副作用などに関して考えていきたいと思います。
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ステロイドの効果と副作用

いよいよ本格的な花粉症の季節が到来します。
耳鼻咽喉科やアレルギー科を受診すると処方される抗ヒスタミン薬があります。
この薬の中には、ステロイド剤が含まれているものがあるようです。
いわゆる『ステロイド』は、ステロイドホルモンを配合した薬品なのです。
- 花粉症
- 気管支喘息
- アトピー性皮膚炎
など、さまざまな炎症疾患の治療に使われます。
スポーツ界では、筋肉増強剤としても有名です。
ステロイド剤は劇的な薬効をもたらす一方、患者からは使用に対する拒否反応が起こる、奇妙なイメージがあります。
その是非を巡る『ステロイド論争』ともいえる歴史のせいかもしれません。
医師の中には、ステロイド剤の使用を拒否もしくは否定などの抵抗に遭うケースは少なくないといいます。
特に子どもたちに多いアトピー性皮膚炎では、ネット上から情報を得た保護者が診療自体を問うことさえあるようです。
なぜ、ステロイド剤は多くのウワサが存在したり、誤解を招いたりするのでしょうか。
ステロイド剤の噂は嘘!?真相は?

ステロイドはヒトの体内で分泌されるホルモンのうち、ステロイド環と呼ばれる化学構造をもつものの総称です。
- 副腎皮質から分泌される副腎皮質ホルモン
- 卵巣や精巣などの性腺から分泌される性ホルモン
もステロイドの一種です。
その副腎皮質ホルモンのうち、糖質コルチコイドという物質が高い抗炎症力を示すことが発見されました。
そして、化学的に合成されたステロイド剤はリウマチの治療に使われはじめ、その後、抗炎症薬としてさまざまな炎症性の疾患に使われました。
炎症といえばステロイド剤といわれほど、治療における選択の上位に入っています。
ステロイド剤にまつわるウワサで最も多いのは、『一度使い出すと止められなくなる』というものです。
ステロイドの副作用?
ステロイド剤は高い抗炎症効果をもつ一方、他の薬剤と同様にさまざまな副作用も併せてもっています。
確かに、ステロイド剤を長期間服用していると、体内でステロイドを作る機能(副腎機能)が働く必要がなくなるため低下します。
そのため、急に服用を止めると体内のステロイド量が不足して危険な状態になることがあります。
ただし、『症状が改善すれば適切に減量してやめることも可能』とも報告され、『一度使うとやめられなくなる』というのは誤りだと専門家も指摘しています。
ステロイドのリバウンド?
また、『ステロイドをやめるとリバウンドを起す』とも噂されています。
ステロイド剤の使用を中止すると、本来の疾患以外に別の症状も現われるというものです。
医師の判断を仰がずに、『依存症が怖い』と患者が独断で急にステロイド剤の服用をやめる――。
すると、小康状態だった病状が悪化してきます。
これは誤った服用中止による影響だといわれています。
ステロイド剤でニキビが治った?
『ステロイド剤を塗った箇所にニキビやおできなどができやすくなる』という話があります。
これはどうも真実のようです。
ステロイド剤を塗ることで皮膚の免疫力が低下して、そこに付いた細菌やウイルスなどが感染を引き起こすという研究報告が存在します。
だが、早期に受診して対症的な治療を行えば、軽いうちに治療が可能なのです。
白内障になりやすい?
次に『顔に使うと白内障になりやすくなる』というウワサはどうでしょう。
これは、アトピー性皮膚炎によって目の周囲のかゆみが生じ、我慢できずに常に掻いて眼球を刺激するため、結果として白内障になりやすいのです。
もちろん、目の周りにステロイド剤を塗るときは十分な注意が必要です。
『ステロイド論争』はまだまだ続く…

ほかにも、ステロイド剤には
- 『骨がボロボロに』
- 『乳児に使うと成長障害に』
など、話のタネは尽きないようです。
ネット上には、『ステロイドを使わないでアトピーから脱却』などの否定的メッセージもあれば、『適正使用で副作用を抑える』と肯定する言葉も並びます。
ステロイド剤の開発から半世紀以上が経ちます。
現代医療にとって間違いなく不可欠な存在ですが、使い方次第で毒にもなるようです。
ウワサに惑わされた自分勝手な判断での服用は、自戒することが必要です。
ま と め

花粉症の治療に使用する抗ヒスタミン薬にステロイドが含まれているということです。
そして、ステロイドには副作用があるといわれています。
花粉症の治療の効果を期待すると、使いたくもあり使いたくもなしという複雑な思いが去来します。
いずれにしても、素人判断での使用は避けて、十分に専門家の意見を聞いた上で服用することを考えるべきですね。
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