乳がんとなってしまった海老蔵さんの妻、小林麻央さん。
このご夫婦には多くのことを学ばせてもらえる。
『なぜ、そんなに早くがんが進行してしまったのか』
あなたやあなたの大切な人が癌にかかってしる場合、この言葉には共感できるるのではないでしょうか。
『タチの悪いものなのか、良いものなのか』
乳がんで療養中の、歌舞伎俳優・海老蔵さんの妻である小林麻央さんは乳がんの凄まじい恐さを身をもって世に伝えてくれている。
一生懸命勇気をもって戦っている。
そんな姿を見て、我々は多くのことを学べるのではないでしょうか。
特に今回のような乳がんの進行例では『タチの良い癌・悪い癌』というものについうて着目することができます。
乳がんとはいったいどんな癌なのだろうか。
どんな病気なのか、その症状や治療法、検査などにも触れていきます。
>>>効き方が違う!?がん治療薬が100種類以上あるって本当?主な7つの分類がコレ
>>>海老蔵さんの妻・小林麻央さんもかかった!?乳がんとはそもそもどんなもの?
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【小林麻央さん】乳がんの状況とは?詳細がすごいことに

出典:yafoo-media.com
『どうしてそんな進行が早いのか』
あなたは、市川海老蔵さんが行った記者会見をご覧にはなったでしょうか?
衝撃的な報告会見でしたね。
妻でフリーアナウンサーの小林麻央さん(33)の病状について、『深刻な乳がん』と発表した歌舞伎俳優・海老蔵さん。
会見で述べられたことを端的に要約すると、
『30代前半の女性が、1年8カ月前に乳がんが判明したにもかかわらず、手術を受けていない』
ということになるのです。
メディアが報じた麻央さんの写真は、昨年11月(発症1年目)。
長男の勧玄君の『初お目見え』のときのことだ。
この時は、体型は特に変わらず、頭髪はカツラでもなさそうで、眉毛も睫毛もしっかり生えていましたね。
そうなると、抗がん剤による化学療法ではなく、約1年間の全身療法はホルモン治療だけだったと予想することができます。
現在、乳がんに用いられる有効な治療法のひとつに『分子標的治療』があります。
分子標的治療薬が、がん細胞に特有の分子をねらい撃ちすることで、副作用がほとんどなくがんを抑える効果が期待されるものというものです。
乳がんの分子標的治療薬は『抗HER2薬(ハーセプチン)』というお薬なのですが、がん細胞がHER2陽性ならこの注射薬を使っていた可能性もあります。
しかし、この薬は抗がん剤との併用が原則であり、ホルモン療法とハーセプチンの併用はあまり効かないとされています。
手術前の化学療法(ネオアジュバント治療)は、がんを小さくして、手術できるようにすることが前提です。
通常、半年ほどで終えるため、手術を前提に2年近く化学療法を続けることはありません。
つまり、当初から、手術、すなわち根治を前提としない治療計画だったのでしょう。
あるいは、ご本人や家族が化学療法や手術に対して難色を示したことがきっかけだったかもしれません。
一般的にいわれているように、若い人のがん細胞は活発で増殖が早い場合が多いのです。
病理学的視点がヤバい件

小林麻央さんの場合、治療効果があらわれる前に全身に進行してしまった可能性もあります。
病理医の方が客観的に推察した場合いですが、わきの下のリンパ節以外に、すでに全身(骨や肺や肝臓)に転移したステージ4で、はじめから手術適応外だったのかもしれない可能性があるのです。
あらゆる治療を試みたがうまくいかなかったため、麻央さんは、標準治療ではない医療を求めて東京を離れて入院していた可能性も考えられます。
たとえば、女優の樹木希林さんのように、鹿児島のUMSオンコロジークリニックでの放射線治療など、その施設でしか受けられない治療法もあるからです。
いずれにしても、療養に専念されて、ご家族との大切な時間を過ごされていただきたいですね。
海老蔵さんが会見の最後に『追いかけないで…』と求めたように、無骨な取材は慎むべきであり、報道もしてほしくない心境でしょう。
本人やご家族からの公表を待つべきではないでしょうか。
【良い癌・悪い癌】がんはすべて同じではない

今回の報道では、何といっても『がんは恐ろしい』との印象を強くさせたに違いないと言わざるを得ないのではないでしょうか。
しかし、私たちがあらためて学ぶべきは『がんはすべて同じではない』ということです。
ステージの進行だけでなく、がんには『タチのいいがん』と『タチのわるいがん』があることを知っておく必要があるかと思います。
がんの治りやすさや悪性度は、がんの進行度やがん細胞の種類のほか、生じる臓器によっても異なるのです。
最新のデータをみると、日本のがん患者の5年生存率は60.7%である。
5年生存率はがんの「治癒率」とみなされています。がんと診断された人で命を落とすのは4割だけでなのです。
出典:大阪府がん登録資料2007年版
一方、厚生労働省が毎年発表する死因統計(平成26年度人口動態統計)では、がん死が29.8%でトップです。。。
簡易的計算によると・・・
ちょっと簡単な計算をしてみましょう。
29.8%を、1-0.607=0.393で割ると75.3%になります。
数字を単純に解釈すると、日本人の75%が癌にかかることになるんです。
もっとも、一度がんにかかった人は2つ目、3つ目のがんにかかりやすいので、その分を差し引いても、3人中2人程度はがんにかかるのが現状であります。
そう、がんはよくある病気、コモンディジーズということになります。。。
乳がんについてもう少し詳しく、基礎から知りたいという方はこちらの記事も合わせてご覧ください。
>>>海老蔵さんの妻・小林麻央さんもかかった!?乳がんとはそもそもどんなもの?
臓器で違う!?良いがん悪いがんとは

実は、癌は起こる臓器によってタチが悪いものがあるんです。
癌に良いものなんてほとんどないのですが・・・
大阪府がん登録の2007年版データによると『部位と5年相対生存率(高い順)』では
- 前立腺96.5%
- 乳房91.0%
- 子宮77.5%
- 膀胱75.2%
男性の前立腺がんはめったに死なないんですよ。
女性の乳がんや子宮がんは通常であれば“タチのいいがん”の代表だったんです。
一方、『膵臓がんは8.1%』と、とてもタチが悪く、診断されて生き残るのは10人に1人もいない。
当然ながら、早期がんはよく治る一方、遠隔転移してしまったがんの予後は相当悪いです。
限局・領域・遠隔転移
『限局』とは、がんが発生した場所にとどまっている場合で、早期がんが含まれます。
『領域』とは、がん発生の周囲組織や近くのリンパ節に進展しているものの、まだ遠隔転移のないものを指します。
『遠隔転移』は肝臓、肺や骨など遠くの臓器に転移した状態のことを言います。
5年生存率
前立腺
- 限局:99.7%
- 領域:96.0%
- 遠隔転移:49.0%
乳房
- 限局:98.2%
- 領域87.2%
- 遠隔転移:35.6%
このように、遠隔転移があっても、前立腺や乳がんでは比較的高い5年生存率が期待できるんです。
また、
胃:94.6%
大腸:95.4%
乳房:98.2%
子宮:94.5%
前立腺:99.7%
の『限局』は、上記参照のデータによれば、驚くほど高い治癒率が認められます。
言ってしまえば、最近のがん患者の予後の改善の主役は、早期がんの発見率の高さを反映しているといえるでしょう。
【がん細胞】種類によって違う『タチ』

『病理医』という細胞レベルで検査を行い、そこから診断に直結する判断を行う先生がいます。
病理医は顕微鏡で、がん細胞の性質・特徴を判断することができます。
血管に入りやすいもの、リンパ管に入りやすいもの、腹膜や胸膜(肋膜)に広がりやすいものといった特徴が顕微鏡でわかってしまうのです。
がんは『組織型』といわれるタイプに分けられ、『組織学的異型度』が判断されます。
同じ『病期』(進行度)でも、組織型や組織学的異型度でタチが異なるため、治療戦略も変わってくるのです。
これは病理医の判断にゆだねられる部分で、責任の重さや腕の見せ所がのしかかってきます。
がん細胞の生じた臓器、進行度、組織型や組織学的異型度に応じた治療戦略がある。
たとえば、組織学的異型度の高い(タチの悪い)がん細胞ほど増殖が盛んなため、化学療法(抗がん剤治療)や放射線治療によく反応します。
ただし、これは再発もしやすいのが実際です。
再発・転移・治療
悪性度の低いがんというものがあるのですが、これはめったに再発・転移しないんです。
しかし、いったん再発・転移すると治療反応性はきわめて悪いという矛盾してしまうようなジレンマがあります。
白血病などの小児がんや精巣がんや骨肉腫では、化学療法によく反応するため、5年生存率が著しく高いことが分かっています。
最近では、発がんのメカニズムがわかってきたために、発がん機構を直接押さえる『分子標的治療薬』が普及してきています。
それにともなって
- 乳がん
- 肺がん
- 大腸がん
- 腎臓がん
- 悪性リンパ腫
- 白血病
など多くの進行がんが驚くほどよく治るようになってきています。
分子標的治療が使えるかどうかを判断するための情報の多くは、やはり『病理医』が提供します。
ただし、分子標的治療薬の最大の欠点は、驚くほど高価なことです・・・
これがヤバい!『タチ』の悪い乳がんとは

乳がんの治療の基本は、ご存知の通り『手術』ですが、以前の標準だった乳房全摘は影を潜め、今では『乳房温存手術』が普及しています。
術前化学療法でがんを小さくしておいてから温存手術をする時代である。
脇の下のリンパ節郭清も最小限にするための工夫も当然になってきた。
手術に加えて、
- ホルモン療法
- 放射線療法
- ハーセプチンによる分子標的治療
が行われる。
ホルモン療法ができるか、ハーセプチンが効くかの判断も『病理医』が情報提供をしてくれます。
というかしなければならないのです。
責任重大なんです。
タチのよくない乳がんの代表は、ホルモン療法もハーセプチン治療も効かない『トリプルネガティブ乳がん(TNBC)』というものです。
手術と化学療法が行われる。
ただし、タチが悪いために化学療法がよく効いて、完治する例が増えてきているのも事実。
また、『炎症性乳がん』というタイプは、乳房の皮膚が赤く腫れあがるためにその名があるが、がん細胞がリンパ管の中にどんどん進入しているためなんです。
全身転移が避けられない嫌なタイプ。
『微小乳頭がん』という特殊な顕微鏡パターンを示すタイプも、リンパ管へ入りやすく厄介な『組織型』といえます。
遠隔転移してしまった乳がんでも、転移先が骨なら年余にわたる長期生存が可能です。
肺転移の数が少ないときは、手術で肺の一部をとることもあります。
肝臓への転移は厳しい場合が多いです・・・
まとめ

出典:mamari.jp
乳がんをはじめ、『癌』とは非情であり人間にとって避けて通るには少し厳しすぎるものではないでしょうか。
日本人のほとんどが癌にかかる中、その猛威から逃れるために今しなければならないことは何でしょうか?
あなたやあなたの大切な人が癌になってしまった場合、考えなければならないこと知っておくべきこと、大事にしなければならないものは必ずあります。
そんな内容についてもその他の記事でもお話ししていますので、ぜひご覧ください。
あなたはその時何を思いますか?
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