がん患者はその病態や治療から多くの悩みを伴い、生活しています。
乳がんを患い闘病中のフリーアナウンサーの小林麻央さんも例外ではありません。
先日開設したブログでは、日々の報告や病気が判明したときの様子などのほかに、『抗がん剤で髪が抜けるので』と試した金髪のウィッグを被った写真を公開しました。
小林麻央さんが行った金髪ウィッグのように、がん患者である方々はこうした治療に伴う『副作用』に悩まされることがほとんどです。
そういったときに、本人やその家族、周囲の人間が何を考えるべきか。
どう接するべきなのか、どのようなサポートを求めしてあげたら良いのか。
そんな内容について触れていきたいと思います。
その他にもがんについて学ぶべき内容をご用意しております。
>>>効き方が違う!?がん治療薬が100種類以上あるって本当?主な7つの分類がコレ
>>>海老蔵さんの妻・小林麻央さんもかかった!?乳がんとはそもそもどんなもの?
>>>【小林麻央とがんと副作用】金髪ウィッグと患者の悩みから考えるべき外見ケア
>>>海老蔵さん病状会見で語る妻・小林麻央さんの乳がんについて~『第2の患者』とは~
>>>【小林麻耶・海老蔵】乳がんで学ぶタチのいいがん・悪いがんとは
お好きなところからどうぞ
【がん】3つの特徴と治療で起こる副作用とは

2009年、国立がん研究センター中央病院が行った『抗がん剤治療による副作用の苦痛度ランキング』では、治療に伴う痛みや体調不良とともに、脱毛や爪の障害などの『外見の悩み』が男女ともにランキングしているのが分かります。
今や日本人の2人に1人が癌になるといわれる時代です。
いざ自分ががんとわかったとき、治療とは直接関係のない『日常的な悩み』を解決するに知っておくべき内容があります。
がんを簡単に説明すると『異常な遺伝子をもった細胞のかたまり』と言いかえることができます。
正常な細胞と違い、
- 勝手に増殖する
- あちこちに飛び火(転移)し新しいがん組織を作る
- 他の組織が必要とする栄養を奪い体を衰弱(悪液質)させる
この3つの特徴によって起こる衰弱や臓器不全が、がんによる死因です。
言ってしまえば、がん細胞の増殖を抑え、飛び火を防ぎ、栄養を与えなければがん細胞は生き続けられない。
がんの治療は、これを目的として行われます。
現在のがん治療の基本は以下のように『三大療法』と呼ばれているのです。
- 手術療法:がんの病巣を切除する
- 化学(薬物)療法:抗がん剤でがん細胞を死滅させたり増殖を抑える
- 放射線療法:病巣に放射線を照射して、がん細胞を死滅させる
がんと診断された場合、様々な検査をした上で、その人に最も効果的と思われる方法が選ばれる。
場合によっては、複数の治療法を組み合わせることもあるのです。
この三大療法のうち、化学療法(抗がん剤)では、患者は薬の副作用を覚えることが多いです。
抗がん剤の多くはがん細胞に働くだけでなく、他の正常な細胞にも効果を示してしまうからです。
反応が顕著なものには、髪を作る毛根細胞や爪母細胞、肌を作る肌細胞が挙げられます。
つまり、がん患者が抗がん剤治療を始めると、以下の5つの副作用が主に起こってしまうのです。
- がん細胞への攻撃
- 髪が抜ける
- 爪が変形
- 爪や肌の剥離
- ひどい肌荒れ
などといった副作用に苦しむことがあるのです。
医療の進歩で通院での治療が可能となった昨今、副作用による容姿の変化が患者の心の負担になり、『外出できない』『人と会えない』などの悩みも多くなってきました。
そんな外見の問題をケアすることを『アピアランスケア(外見的ケア)』といいます。
がんの治療法がそれぞれ違うように、副作用の出方も個人個人で違います。
ここからは、抗がん剤治療で起こる副作用について、主なものを見ていいきましょう。
アピアランス3つのケア方法

脱毛でお悩みなら医療用ウィッグを
脱毛の問題は、がん治療の副作用で最も周知されていることではないでしょうか。
抗がん剤治療においては、薬剤効果が全身に及ぶために、その影響は全ての体毛に及ぶのです。
髪の毛はもちろん、眉毛やまつ毛、鼻毛も抜けてしまうが、抜け方や抜ける量には個人差があります。
脱毛は、抗がん剤の投与治療開始後10~20日程度で始まるといわれ、投与が終わった1~2カ月で新しい毛が生えてきます。
自毛が完全に回復するのには1年半~2年ほどかかります。
その際には、『髪質が変わったり、くせ毛になったりする』なんてことも起こり得ます。
この間のケアに有効なのが『医療用のウィッグ』です。
女性用も男性用も複数のメーカーが販売しており、価格や種類も多様になってきているのです。
医療用ウィッグが一般の物と違うのは、地肌に直接つけることが多いために、通気性や安定感、刺激性の弱さを重視している点です。
また、毛の根元には人口頭皮をつけて髪の分け目が地肌に見えるようにしてあったり、人毛や、人毛と人工毛のミックスを使うことで、より自然に見えるような工夫がされています。
さらに、治療前後で変わってくる自毛の量に対応できるよう、サイズ調整のアジャスターがついているものもあるのです。
ウィッグのメンテナンスが面倒であれば、着脱も簡単な帽子やバンダナが使えます。
『医療用』と表立って打ち出していなくても、オーガニックコットンやニット帽など頭部全体をカバーできる型ならば問題ないです。
ウィッグに比べて価格も安価なので複数揃えることも可能でしょう。
付け毛のついたタイプもあるので、さらに選択の幅は広いです。
眉毛・まつ毛については、一般のメークを施すほか、付け眉毛や付けまつ毛を購入することもできるのです。
ただし、市販の接着剤だとかぶれることもあるので医療用のものを揃えたいところです。
【爪の変形や変色】マニキュア・ネイルチップ・液体絆創膏
爪の手入れというと女性特有と思いがちだが、手の爪などは案外人目に触れるものなので男性でも気に病むようなんです。
髪と同じく日々変化する爪の細胞は抗がん剤の副作用で、
- 黒く変色する
- スジが入る
- 表面に凹凸ができる
- 巻き爪になる
- 割れやすくなる
といった現象が起こります。
自宅にいるときや就寝中などは手袋や靴下での保護もできるが、外出時はそうはいかないですよね。
爪が変形し凸凹になってしまうと、ひっかかりから皮膚などを傷をつけてしまうこともあります。
爪の変色や保護には、マニキュアが有効ですね。
地肌に近い色を選んで重ね塗りをし、トップコート(仕上げ剤)で自然な印象に仕上げれば、男性や子どもも抵抗は少ないのではないでしょうか。
ただし、マニキュアや除光液には爪を痛める成分が含まれている場合もあるので要注意です。
マニキュアに抵抗のあるならば、薬局などで売っている液体絆創膏でも爪が保護できます。
購入する際はアルコール成分の入っていないものを選ぶことをおすすめします。
また、変形した爪を短時間カバーするのであれば、ネイルチップ(付け爪)を専用テープで張りつけても良いですよ。
【皮膚の黒ずみ】カバーメーク用クリーム
抗がん剤治療で起こる皮膚障害では、全身を通じて、皮膚の色の黒ずみやシミの増加も見られます。
これは抗がん剤によってメラニン細胞が活発になることで起こると考えられており、外出時は長袖・長ズボンなどのUV対策が必要になってきます。
肌のシミやくすみはメークでカバーします。
顔全体へは肌の色調整をするイエロー系コントロールカラーをファンデーションの下地に使い、部分的にはコンシーラー(部分用ファンデーション)を使います。
治療中は臭覚が敏感になる傾向があるので、ニオイの強い化粧品は避けたほうがいいかもいれませんね。
化粧品を使うのは敷居が高いと感じる向きには、『カバーメーク』用のクリームがあります。
こちらは、顔用・体用とあり、水や汗にも落ちにくくなっています。
【アピアランスケア】悩みは誰に相談すべき?

出典:terasoku.net
現代のがん患者は、日常生活を送りながら治療を続けていることはお分かりいただけたのではないでしょうか。
ここに挙げた以外にも様々な問題が起こることでしょう。
日々の些末な、しかし当人には心の負担になるような事柄は、なかなか医師には伝えにくいものです。
そんなとき相談に乗ってくれる窓口は意外に多いんです。
『国立がん研究センター中央病院のアピアランス支援センター』をはじめ、全国のがん診療連携拠点病院では『相談窓口』が設けられています。
また、美容院やネイルサロンでも、がん患者のために予約制・個室提供のサービスを行っていたりする場合なんかもあります。
病気の治療にストレスは重くのしかかりますし邪魔です。
これは身近にいるご家族にも当てはまることなのですが。
数ある悩みを相談し、解決する手段を見出すことができれば、治療にも前向きになれるのではないでしょうか。
病床で明るく写真を撮られている小林麻央さんには、健気な感じを覚えました。ウィッグがなくても生活できるようになると良いですね。
闘病中の小林麻央さんの写真を見て、明るく笑顔を振るまって頑張っている感じが伝わります。健気ですね。私も見習って人生を前向きに生きていきたいです。