男の子のママであれば、一度は聞いたことがあるであろう停留精巣。
実際に『見たことのある病気』なんてママも少なくないのではないでしょうか?
停留精巣になってしまう原因とはいったいどんなものがあるのでしょうか?
そして、停留精巣と診断された場合の治療法にはどんなものがあるのでしょうか。
また近年多いと言われている男性不妊との関係についてもご紹介していきます。
あなたの赤ちゃんの異常を、少しでも早く発見してあげましょう!
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『停留精巣』ってどんなもの?

出典:gooday.nikkei.co.jp
陰嚢(いんのう)内に精巣(睾丸(こうがん)とも呼びます)の片方または両方が確認できない状態のことを『停留精巣』と呼びます。
発生率は新生児100人のうち2~5人程度で、男児の生殖器異状では最も多く確認されるものです。
未熟な状態で生まれた赤ちゃんはこの異状をもっていることが多い傾向にあります。
1歳になるまでに改善する場合もありますが、自然に治らない場合は合併症を防ぐために手術が必要です。
似た症状に、『移動性精巣(または遊走睾丸)』というものがあります。
こちらは精巣が体内で移動しやすいために、陰嚢内で確認できない場合がある状態です。
こちらは他の病気を誘発したりはしませんし、思春期までに精巣は動かなくなるため特別な治療は必要ありません。
停留精巣の原因は?

まず精巣は、胎児期の赤ちゃんのお腹の中に作られます。
生まれる直前の時期になると、鼠蹊部(そけいぶ=腹部と太腿のつけね)にある鼠径管を通って陰嚢内まで移動してきます。
この時に「何らかの原因」によって精巣の移動が起こらないと、停留精巣の状態になってしまいます。ただし、その「何らかの原因」とは・・・
停留精巣の原因って分かってないの?
停留精巣の原因について、正確なことはまだわかっていません。
遺伝的要素や、ママさんの体の状態、または母子を取り巻く環境などが、赤ちゃんのホルモンバランスや体の成育に悪影響を及ぼした結果、停留精巣になるのではと考えられています。
【問題点】停留精巣が引き起こす主な3つの病気とは?
精子の産生への悪影響(不妊症)

そもそもなぜ精巣が陰嚢(つまり体の外)まで降りてくるのかというと、精子を作り出すためには体内よりも少し涼しめ(2~3℃程度)の環境が必要だからです。
男性なら経験があると思いますが、暑いときの陰嚢はだらんと垂れ下がり、逆に寒いときには縮こまっています。
このようにして精巣と体との距離を調節して、精子を作りやすい温度を保っているのです。
停留精巣では、精巣が温度の高い体内に取り残されています。
その状態で放置してしまうと徐々に精子の産生量が減り、将来子供を作りにくくなってしまうかもしれません。
精巣腫瘍(がん)の危険

精巣腫瘍とは、普通10万人に1人程度にみられる珍しい病気ですが、停留精巣の患者さんの場合その発生率は5倍以上に高くなります。
そもそもの発生率が非常に低いためあまり神経質になる必要はありませんが、それでも気を使っておくにこしたことはないでしょう。
精索捻転(せいさくねんてん、血管や精管のねじれ)

精巣の位置が安定していないため、それにつながる血管や精管(精子の通り道)がねじれてしまうことがあり、それを『精索捻転』と呼びます。
『精索』とは、血管と精管を包んでいる管のことです。
この部分がねじれてしまうと、血液の循環が妨げられ、精巣に血液が届かなくなってしまいます。
すると強い痛みが出たり、場合によっては精巣が壊死したりしてしまうこともあります。
ねじれ具合が強く、血液が流れなくなってしまうと、6~12時間後くらいから精巣に障害が現れ始め、その障害が元に戻ることはありません。
残念ながら、その時には精巣を摘出せざるを得なくなります。
停留精巣の治療法は?

基本的な治療方法は、精巣を正しい位置(陰嚢内)に固定してしまうことです。
触診の段階で、鼠蹊部のあたりに精巣の存在を認められる場合には、
- 鼠蹊部を切開し、精巣の癒着を解消する。
- 陰嚢を切開し、そこから精巣を中に収め、糸で固定する。
の手順を取ります。
この方法は1~2時間で済み、手術跡も成長とともにわからなくなることがほとんどです。
他の方法としては、ホルモン治療が挙げられます。
現在では主にヨーロッパで行われ、ホルモン剤を長期的に注射または鼻の粘膜にスプレーして投与する方法ですが、成功率の低さや安全性への疑問から日本ではほとんど行われておらず、保険も適用されていません。
したがって実際に治療が必要になった場合、より安全で確実性の高い外科手術を選ぶのが良いと考えられます。
赤ちゃんが停留精巣だと言われたら

できるだけ早く手術を受けさせることが必要です。
しかし自然に治る場合もあることを考えれば、生後2ヶ月~1年の間までに治療するのが適切でしょう。
停留精巣の手術は入院も1泊2日~3泊4日程度の短期間で済みますし、傷が小さいのでお子さんの回復に長くかかることはありません。
早めに手を打ち、お子さんとの健康ライフを楽しみましょう。
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子供が女の子なので恥ずかしながら初めて聞きました。今回の記事で勉強させて頂きました。
コメントありがとうございます!
いつも育児や家事お疲れ様です。
実はこういった病気って、自分のお子様が罹らない限り知っている方って少ないようなんです。
珍しい病気ではあるものの、知っておいて損はないですよね。
特に初めてお子様を授かった場合は、すべてのことが不安になったりしますよね。
ここではそういった悩みもご相談いただければと思います。
初めて聞きました。赤ちゃんの停留精巣なんてあるんですね。人間の体は生身なので色々な病気が発症してしまいやすいですね。