あなたは『新生児黄疸』というものを聞いたことはありますか?
生まれた赤ちゃんの肌がだんだん黄色くなってくること(黄疸)はよくあることです。
それでも、専門的な知識のない方からすれば、その原因がわからないと不安を感じてしまうことは避けられないでしょう。
赤ちゃんの新生児黄疸っていつまで続くのか気になりますよね。
また、原因やその症状って何なのでしょうか?
新生児黄疸の原因や症状について基準値などを入れてわかりやすく解説しました。
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赤ちゃんはなぜ赤いのか?

まずは赤ちゃんの肌の色について知っておきましょう。
これがないと、比べる基準がありませんので『新生児黄疸』なのかどうかを判断することはできませんよね。
そもそも、赤ちゃんの肌の色って『赤いな』と感じる方は多いのではないでしょうか?
赤ちゃんの肌が赤いのは、胎児の時期に血液中に赤血球(赤い色素をもつ)をたくさんつくることで、未熟な酸素交換機能を補っていたからです。
しかし新生児になると肺呼吸になり、胎児の頃ほど赤血球を必要としなくなります。
そこで余分な赤血球が体内で分解されますが、分解すると黄色い色素を持つ『ビリルビン』にかわるため、皮膚が黄色っぽく見えるようになります。
これが『新生児黄疸』です。
生後2~3日の赤ちゃんのうち、8割程度がこの『新生児黄疸』を発症すると言われています。
【赤ちゃん】新生児黄疸にある3つの種類

出典:cuta.jp
「新生児黄疸」は、原因が異なる3種類に代表されます。
1.「生理的黄疸」
『赤ちゃんはなぜ赤いのか?』でも述べたように、健康な赤ちゃんならば自然と黄疸の症状を見せることが多く、その割合は90%にものぼります。
成人であれば血液中のビリルビンは処理できますが、赤ちゃんの体ではそれが十分にできません。
また、いったんはビリルビンの増加がみられるものの、生後2週間程度で黄疸は落ち着き、1年ほどで成人の基準値ほどまで減少します。
2.「母乳性黄疸」
母乳で育てている赤ちゃんに特有の症状ですが、この「母乳性黄疸」にも2種類あります。
まず、『母乳で育てているが、母乳を飲みたがらない』赤ちゃんの場合。
この場合には栄養不足からビリルビンの処理が遅れ、黄疸が長引くことがあります。
次に、『母乳で育てていて、母乳をちゃんと飲んでくれる』赤ちゃんの場合です。
この場合の黄疸は、その原因があまりはっきりとわかっていません。
母乳に含まれる脂肪酸が肝臓の働きを弱めているとする見解もあります。
3.「血液型不適合」
赤ちゃんと血液型の異なる母親の体内に、一人目の赤ちゃんの血球に対する抗体が作られることがありますが、そうすると第2子を妊娠した際、この抗体が胎盤を通って赤ちゃんの体に入り込み、赤血球を破壊してしまいます。
それによって破壊された赤血球はビリルビンにかわってしまい、赤ちゃんに黄疸が出てしまいます。
それが『血液型不適合』と言われる黄疸の原因になります。
最近では妊娠中に血液検査を行って抗体があるか調べることが出来ますし、予防注射も一般的に行われているので黄疸が重症化することは少なくなっています。
【新生児黄疸の決め手】ビリルビンの基準値は?

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ビリルビンの濃度は、成人で0.4~1.5mg/dLが基準とされています。
その一方で、赤ちゃん場合、ビリルビンの量は生後1週間ほどかけて10~20mg/dLとかなり高い数値まで上昇し、その後ゆっくりと下がっていきます。
成人の数値に近くなるには生後1年ほどかかるため、多くの赤ちゃんは黄色がかった肌をしているのです。
基準値を超えると……?
先述の通り新生児黄疸は生理的におこる症状ですが、それでも血中のビリルビンが通常より増えすぎてしまう(高ビリルビン血症)ことはあります。
数値があまりに高いと脳に後遺症を残してしまう場合もあり、その場合には治療が必要です。
18~20mg/dL程度なら光線療法、すなわち特定の光を当て続けることでビリルビンの排出を促す処置がなされますが、その数値をさらに超えるようなら赤ちゃんの体内の血液を交換する(交換輸血)場合もあります。
まとめ

「新生児黄疸」は多くの赤ちゃんに発症しその多くは自然に治ってしまいますが、重症の場合には脳に後遺症を残し、生涯付き合っていくことになってしまいます。
しかし重症の場合でも、最近ではすぐに治療できる環境が整っているので、母親がすべきは「赤ちゃんを信じて、辛抱強く治療を見守る」ことなのではないでしょうか。
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黄疸の名前は聞いたことありましたが、ぼやっとしか知らなかったです。おかげで理解できました。
コメントありがとうございます!
こういった内容は、お子様を授かった方でないとあまり耳にすることもないかもしれませんね。
この機会にぜひ知識を深めていってください。
あなたの大切なお子様を守っておいきましょう!
赤ちゃんは検診を受けて、その後 無事に大きくなって欲しいですね。医療の方達には感謝しなければいけませんね。
赤ちゃんには新生児黄丹の心配があるんですね。私が赤ちゃんの頃は大丈夫だったのかな…?後で親に聞いてみます。