あなたは大泉門という名前を聞いたことがあるでしょうか?
子を持つ親であれば当然のように知っている、いや、知っていなければならな大泉門。
大泉門は、あなたの大切な赤ちゃんの状態を知るための、重要な部分となっています。
特に、季節的に『夏』に注目が集まりがちですが、そんなこともありません。
夏でも冬でも大泉門の観察は重要となってきます。
ここでは、あなたの大切な赤ちゃんの健康や成長を守って行くためにも、大泉門についてその意味や効果を詳しくお届けしています。
赤ちゃんて本当に不思議で神秘を感じますよ。
お好きなところからどうぞ
【おさらい】そもそも大泉門って何だっけ?

出典:cocomammy.com
大泉門とは、頭蓋骨の継ぎ目にある穴のようなもので、赤ちゃんの間にだけ存在すると言われています。
そもそも、頭蓋骨は5つの骨が継ぎ合わさってできていると言われています。
その継ぎ目にある穴のようなものを大泉門と呼んでいて、その大きさは1~4cmほどだそうです。
生まれてから赤ちゃんの脳は成長すると言われていて、大泉門の存在は脳の発達に伴い、容量が増す脳みそを守る役割のある頭蓋骨の大きさの調整に必要なものです。
また、出産の際に赤ちゃんが産道を通り抜ける時に柔軟に対応できる事にも関連しているようです。
しかし、その大泉門が早く閉じてしまう、また閉じるべき時期に閉じていないことによる病気なども存在すると言われていて、その閉鎖時期などを知っておくと、病気を予測し早期に発見することもできます。
大泉門の位置はここ!見付け方をご紹介
大泉門は、簡単に言うと骨と骨の間の『穴』です。
あまりおすすめはしませんが、出産した病院の先生に教えてもらい、触ってみたことはないでしょうか?
これは触る必要も特にありませんし、デリケートな部分ですので、触らないようにしましょう^^;
そんな大泉門の見つけ方ですが、おでこの左右を結んで、そのまま頭の方へいった位置にあります。
前髪の生え際の少し上くらいにあることが多いです。
この大泉門ですが、月齢が小さい頃は穴の状態で、1歳半くらいになるとふさがってきます。
そのため、この穴が塞がる間は、体調の変化によって陥没したりペコペコ動いたりすることもあるのです!
意外と知らない?!大泉門の場所と大きさは?

出典:www.anatomy.med.keio.ac.jp
まずはじめに、大泉門は果たして赤ちゃんお頭のどこにあるのか、その大きさなどについてお話ししていきます。
ここを知っていないとある意味、大泉門を守ることなんてできませんよねw
大泉門は髪の生え際の少し上に位置している1~4cmの頭蓋骨に位置する穴のようなものだと言われています。
髪の生え際の少し上でペコペコ動く
赤ちゃんのおでこの真ん中を頭のてっぺんに向かって指で追っていくと、髪の毛の生え際より少し上の方にひし形をした触ると柔らかい部分に触ることができると思います。
この部分が大泉門と呼ばれるところだそうです。
これは生まれたばかりの新生児から1歳半頃まであると言われています。
この部分は頭蓋骨がないところでペコペコと柔らかく、よく見ると心臓の拍動と同じように脈が打っているのが見られるそうです。
大泉門の大きさ
大泉門の大きさは1~4cm(平均2.1cm )ほどだと言われていて個人差もあると言われています。
先にもお話ししているように、赤ちゃんの間は頭蓋骨が未発達なために頭の骨の継ぎ目がすき間となって存在するためにようです。
【どうして?】赤ちゃんの頭蓋骨が分かれている2つの理由
頭蓋骨はそもそも5つの骨が組み合わさって、構成されていると言われています。
そのつなぎ目の一つが大泉門です。
ではどうしてそのようなことになっているのでしょうか?
これには以下の2つの理由があると言われています。
- 赤ちゃんが生まれてくる時に、産道を通り抜けやすくするため
- 脳の発達のため
以上のように言われています。少し詳しく見てみることにしましょう。
産道を通り抜けやすくするため
赤ちゃんの頭の骨は、経腟分娩の際には特に狭い産道を通過するときに、重なり合うなどして変形し、少しでも頭の大きさを小さくしようとするようです。
その頭の変形は出産直後から数日をかけてゆっくりとなくなっていきます。
出産の際に陣痛から出産までに特に時間を要した場合には、頭がとんがった形になっていることもあると言われています。
ですから、出産直後には大泉門はあまり目立たないこともあるようですね。
出産の際には赤ちゃんにも大きな変化をもたらしているのですね。
脳の発達のため
先ほどからお話ししているように、赤ちゃんの頭の骨には隙間があるとともに完全にはくっついていない状態になっていると言われています。
赤ちゃんの脳は生後1年でなんと約2倍の大きさに成長することもあります!
このために脳が成長するに伴って、頭の骨にも大きくなる余地が必要であるためだと言われています。
大泉門は赤ちゃんの脳の成長にとって大切な部位だと言えことになりますね。
【※重要】大泉門の大きさの変化・閉鎖時期は?

出典:akachanikuji.com
今回のテーマである大泉門は、赤ちゃんの頃だけのものであって、成長すると閉じてしまうという特徴があるようです。
ではその大きさはずっと均一なものなのかというと脳も成長することから、大きさに変化があるようです。
また、いつ頃閉鎖してしまうものなのかも気になりますね。
詳しくお話していきます。
大泉門の成長がハンパない?!
乳児健診などで頭を触っているのを見たことがないでしょうか?
これは大泉門の大きさや閉じ具合を確認しているためのようです。
個人差はありますが、新生児期から乳児期にかけて頭位は急に大きくなり、頭位は脳の大きさや成長具合と比例していると言われています。
脳の容量が増えると頭蓋骨も大きくなる必要があるため、生後10ヶ月前後までに最大なると言われています。
大きくなっているとご心配の方もいらっしゃるとは思いますが、大きくなるのは脳の成長に合わせてなんですね。
そう聞くと少し安心ですが、ご心配な時は小児科などでご相談されることをおすすめします。
縮小していく時期は?
生後10ヶ月ぐらいまで大きくなった大泉門も、その後はだんだんと小さくなるようです。
1歳前後からどんどんと小さくなると言われています。
閉鎖時期
ではこの大泉門、いつ頃閉鎖してなくなってしまうものなのでしょうか?
大泉門の閉鎖は個人差もあるようですが、大体1歳半から2歳ごろと言われています。
しかし閉鎖する時期にはかなりの幅があるので、閉鎖時期と他の症状などと照らし合わせて、診断されることがほとんどのようです。
心配な時は、検診や小児科などでご相談されるのがいいでしょう。
また、大泉門のさらに後ろの方をたどっていくと、頭のてっぺんよりさらに後ろの方に同じく小さなくぼみがあると言われていて、これを小泉門と呼びます。
この小泉門は生後1~2ヶ月で閉鎖すると言われていて、大泉門と同じようにペコペコと動くと言われています。
大泉門の異常と関連する病気は?心配される4つのポイント

出典:matome.babycome.ne.jp
次に、育児中のママが気になる大泉門に何か異常があるとどのような病気が考えられるかということについてお話ししていくことにしましょう。
大泉門に起こる異常として考えられるものとしては、
- 正常より早い時期に大泉門が閉鎖してしまっている
- 通常であれば閉鎖している時期なのにまだ閉鎖していない
- 大山門の部分が陥没している
- 大山門の部分が膨らんでいる
などがあげられるようです。
異常を起こす病気なども含めて、お話ししていくことにしましょう。
早期に大泉門が閉鎖している
大泉門が早期に閉じてしまう疾患として考えられるのは、小頭症、狭頭症(頭蓋骨縫合早期癒合症)の2つがあると言われています。
小頭症はお母さんのお腹にいるときから、何らかの理由で脳の発育が良くないために生まれたときから大泉門が小さく早くに閉じてしまうという病気のようです。
先ごろ南米などでかを媒体として感染することで話題になっているジカウイルスに感染した妊婦から、この小頭症のお子さんが生まれていると言われています。
精神発達遅滞や様々な奇形を伴うことが多いと言われています。
また狭頭症の場合には生まれたときには頭位の大きさなどに問題はないものの、早くに大泉門が閉鎖してしまうために、脳の容量が大きくならないために頭蓋骨が変形したり、視力障害や精神発達障害などを起こすと言われています。
大泉門が閉じない
逆に、大泉門が閉じない病気も存在するようです。
骨の病気(くる病)ではビタミンDやリンの不足により骨が作られることに障害を起こすために、大泉門が閉じないという症状が出ると言われています。
また甲状腺機能低下症(クレチン症)でも同様の書状が出ると言われています。
また水頭症や染色体異常で起こると言われる1p36欠損症でも、大泉門が閉じないという症状が起こるようです。
大泉門の陥没
もしも、大泉門にへこみ(陥没)が見られたら、脱水症状の疑いがあると言われています。
しかし、普段から少しへこんで見られることも多く、普段はどうなのかを観察しておくことが大事ですね。
また栄養障害から脱水症になり、同じように大泉門にへこみが見られるケースもあるようです。
しかし、大泉門へこみが見られるような脱水の症状が見られる場合には、お近くの小児科などに早急に受診する方が良いようです。
大泉門の様子を観察することは赤ちゃんの脱水状態を早く見極める良い指標のようです。
下痢などを伴う風邪などの時には注意が必要なようですよ。
大泉門の膨らみ
大泉門が逆に膨らむような場合には、脳に何らかの異常があることが考えられます。
また普段から少し硬さなどを見ておくのも緊急時に判断する材料となるようです。
その場合には押すと硬いなどの症状があると言われています。
発熱や脳の圧があがるような水頭症や髄膜炎、脳炎などの場合には大泉門が膨らんでいるように見えるようです。
このような場合には、小児科などに受診される方が良いでしょう。
どうすればいい?大泉門の日常的ケアは?

頭蓋骨の穴である大泉門は頭蓋骨という硬い骨で守られていない部分であると言えます。
ですから、日常において何か特別に注意する必要があるのかなど、みなさん心配されることの一つではないでしょうか。
ぶつけたときはどうすればいいのか、強く触らないようにすることが必要であるなど、日常の注意点についてもお話ししていくことにしましょう。
ぶつけた場合
では、アクシデントなどで大泉門をぶつけてしまった時にはどうすれば良いのでしょうか?
大泉門だけでなく乳幼児の頭部の外傷の場合には大泉門があるために脳の圧が上がりにくくなっていますが、脳の中に内出血が起こったりすると、脳の圧が上がり、大泉門の部分が盛り上がって腫れることはあるようです。
時折、頭をぶつけたあと1~2日してから嘔吐などの症状が起こる場合があると言われています。
そのため、頭部外傷後24時間は、できるだけ安静にする、子供を抱き上げて振り回さない、入浴を控えるなど様子を見ることが必要なこともあるようです。
特に心配はいらない?!
大泉門は骨にすき間があるあるとはいえ脳のは丈夫な膜で覆われているため、普段の生活をしている程度では破けることはないと言われています。
手でやさしくシャンプーをしたり、柔らかいブラシで髪をとかす、沐浴の際にガーゼでやさしく洗うなどの行為では特に心配することはいらないようですよ。
頭を打ったらヤバい!?大泉門の状態もチェックして!

出典:www.piece-hairworks.link
万が一、あなたが抱いていた赤ちゃんが大事な頭部を打ってしまったら、かなり焦りますよね?
赤ちゃんの頭部は本当に柔らかいですし、危なっかしく見えてきてしまう程。
実際に、赤ちゃんの頭部が重要であることはお分かりいただけてるとは思いますが、それだけではあなたの大切な赤ちゃんは守れません。
頭部を打たなければそれで良いのですが、打ってしまった場合どうなるのか、打った時にどうしたら良いのか・どういった対応が必要なのかについては知っておく必要があります。
大泉門の状態

出典:bokete.jp
乳児では頭のてっぺんに骨がない菱形の部分があります。
これが大泉門で1歳半頃まで、触ってわかります。
大泉門は脳の圧を反映しています。
正常では横になった時や泣いたり、力んだ時に圧が高くなり、少し盛り上がりますが、通常の状態で起きている時は少しへこんでいるのが普通です。
普段時々大泉門を触ってみて通常の状態を知っておくと良いでしょう。
頭部外傷で脳の中に異常があると脳の圧が高くなります。
この場合は抱っこして起こしていても大泉門が膨らんで、押すと固く感じます。
このような場合は病院へ行って下さい。
頭部外傷を受けたあと検査では何でもないのに嘔吐を繰り返す場合があります。
『自家中毒』といって、ストレスがあると嘔吐を繰り返す子供に良く見られます。
これは、点滴で改善します。
普通、頭を強く打つと固いこぶができますが、新生児の出産時や、乳児の場合ぶよぶよした柔らかいこぶができることがあります。
これは骨と皮膚の間に血が溜まったもので『骨膜下出血』の場合と『帽状腱膜下出血』の場合があります。
殆どの場合、時間が経つと吸収されますが、新生児では時に骨のように石灰化することがありますし、乳児でもなかなか吸収されず、次第に大きくなり、貧血を起こすこともあります。
その場合は穿刺して血を抜き、吸収を早めます。
診断・検査

出典:welq.jp
症状の所で書きましたが、元気なのに受傷直後に病院にこられた場合は1・2時間待ってから必要であれば検査をします。
必要でなければ家で様子を見て頂きます。
検査は頭のレントゲンとCTスキャンです。
レントゲンでは骨折があれば分かりますが、重症の場合は脳の圧が高くなって、骨と骨の間が開いてきますからこれでも分かります。
CTスキャンでは脳の中の血腫や脳の損傷が分かります。
治療がなかなか難しいものに硬膜下血腫といって、脳と骨の間に薄い血液が溜まる病気があります。
軽症のものは治りますが、重症のものはけいれんを繰り返し、脳が萎縮することがあります。
このような例では知的障害が出る場合があります。
よく頭部外傷で脳波を取って欲しいと言う方がいらっしゃいます。
入院するような例や、けいれん発作がある例では脳波の検査は行いますが、けいれん発作がない例では脳波の検査はあまり重要ではありません
逆に、正常とも異常とも言えない場合も多く、そのような場合には無用に心配させることになりますので、必要でなければやる必要はありません。
治療法

出典:www.gohongi-beauty.jp
レントゲンで骨折が見つかることは割と多くあります。
一応安全のために入院となることが多いと思いますが、骨折だけであれば特に問題はありません。
翌日に異常がなければ治療の必要はありません。
骨折でも陥没骨折と言って、骨がぺコッとへこんだ状態になることがあります。
2歳頃までは骨が柔らかいので自然に治ることが多いです。
多少のへこみは特に問題ありません。
骨のへこみが強く脳に刺さったようになっていたり、けいれんが起こるようであれば手術で整復します。
しかし、以前考えられていたより症状を起こすことが少ないことがわかり、以前より手術はしなくなっています。
頭蓋内血腫の場合は手術になります。
しかし薄い血腫は吸収されるので、症状が軽ければ手術はしません。
CTで追いかけて厚くなれば手術をします。
けいれんは受傷早期におこるものと後になって繰り返すものがあります。
受傷早期にけいれんが起こった子供のうち1~2%が後になってけいれんを繰り返します。
けいれんを起こした場合はしばらく抗けいれん薬を飲みます。
予防法はあるの?

出典:www.anawalls.com
こどもを縛り付けておくわけには行きませんから、予防は難しいですが、乳幼児は大人の目の届くところで遊ばせるのが基本です。
われわれ医師が戸惑うのは小児虐待による外傷です。
折檻児症候群と言って、我が国でも最近問題視されていますが、米国では300万人の子供が虐待されているという統計があります。
母親の虐待が一番多いのですが、病院に付き添ってくるのも母親が多く、話しを聞いても外傷の様子が曖昧だったり、強い揺さ振りなどの場合は外から見て外傷があったと分からないこともあり、診断が困難です。
強い揺さ振りの頭部外傷では急性硬膜下血腫が多く、眼底出血も伴います。
将来、身体・心理面で障害を残すことがあります。
子供の頭部外傷の場合注意して欲しいことがあります。
ご両親が心配のあまり、子供に過干渉になることです。
毎日『頭は痛くない?』と繰り返して聴いていると子供は何か答えるようになってしまいますし、また心配で外で遊ばせなくなったりすると子供の成長発達に影響を与えます。
あまり干渉せずに、しかし、しっかりと見守ることが必要です。
まとめ

赤ちゃんの頭部や大泉門の重要性については、お分かりいただけたでしょうか?
あなたの大事な赤ちゃんの健康や成長を守っていくためにも、親として・大人として知っておかなければいけない最低限の内容についてまとめました。
大泉門という頭蓋骨の穴の存在を初めて聞いたと言われる方もいるかもしれません。
赤ちゃんは体の8割が水分と言われています。
夏場や乾燥しやすい時期はもちろん、季節の変わり目や病気時などは脱水症状に気をつけましょう!
大泉門は赤ちゃんの体調を見極める一つのポイントになりますので『おかしいな』と思ったらチェックしてみてくださいね。
あなたやあなたの周りに赤ちゃんがいるのであれば、絶対に共有しておきたい内容です。
更に詳しく知りたい方は、メッセージをいただければとも思います。
より役立つ情報をお届けしていきますよ(^^)
⇒ 【看護師が行く】赤ちゃんの1か月検診でやることは?わかった結果がヤバい件
⇒ 【神秘】赤ちゃんの大泉門が持つ不思議な意味と効果がすごい
⇒ 赤ちゃんの口腔内に起きる病気がヤバい~この白いものは何?~
⇒ 【赤ちゃん】子供の首の両側のしこり?これって結構やばいの!?原因や対策はコレ
⇒ 赤ちゃんの聴診でわかる病気は命にかかわる?!心音や雑音が聞こえなかったら・・・
⇒ 赤ちゃんのアレがない!?停留精巣だったらどうすればいい?
赤ちゃんに大泉門があるなんて、初耳です。押すとペコペコと動くのは産まれやすいためと、脳の発達とは人間の体はうまくできていますね。
大人でも頭をぶつと危険ですね、脳震盪になってしまいます。赤ちゃんはなおさら頭を守らないといけませんね、危険な目に遭ったら大変ですね。